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110話:小麦粉をつくろう!2

英雄コナンとかに出てくるグルグル回すアレ。

異世界生活百七十六日目


ドスン!


何やら大きな音がして目が覚めた。何の音だろう?


ススッ。部屋にヤマト君が入ってくる。


「メグミ!例の、石臼が出来たぞ!」


「え!?昨日の今日でもう出来たの?」


「もちろんだ!メグミの包丁で、かなりの時間を短縮できたぞ!」


「ああ、なんでも切れるって便利なんだねえ」


「石を傷つけずに加工できるからな。仕上がりも完璧だぞ」


「そうなんだ、じゃあさっそく見に行ってもいいかな?」


「もちろんだ。その為に呼びに来た」


わたしはヤマト君に連れられて浜辺に移動した。


そこにはわたしの背よりも高い円柱状の岩塊が置いてあった。


円柱の上では、小麦の入ったツボを抱えた、オカちゃんがこちらにハサミを振っている。


「メグミ来たな!どうだこの石臼は!このデカさなら沢山小麦を挽くことができると思うぞ!」


「オカちゃん!こんな大きな石臼どうやって動かすの!」


「どうって、取っ手を沢山横につけたから、みんなで動かせばいいだろう」


「俺ならまったくもって楽勝で動かせるぞ、メグミ」


「あー、大きくしたの、徹くんでしょ!徹くんサイズで作ったら大きすぎるでしょ!」


「いや、今回は俺の発案じゃないぞ。ヤマトくんもオカちゃんも、最初からでかくする気だった!俺は石臼の軸を作っただけだ!」


(こんなの、昔の、映画で、見たことある……。囚人たちが、延々と、回させられてる、巨大な、石臼だよ……)


「まあまあ、とりあえず回してみましょう。メグミさん」


「ワタルくんはなんでちょっと楽しそうなの……」


「よっしゃ、小麦入れるぞー!回せー!」


「「よいしょー!」」


ゴリゴリゴリ。


ゆっくりと石臼が動き出す。思ったよりも抵抗が小さくてスムーズに回る。


流石はヤマトくんとホリくんの仕上げだ。


石臼の側面から粗目の粉がぽろぽろと出てくる。どうやら石臼としての機能はちゃんとしてるらしい。


側面の隙間から出てきた粉は、石臼の土台に設けられた溝に、集まっていくようだ。


コメちゃんズ達が一生懸命集めて壺に詰めていく。


ある程度挽くとオカちゃんが用意した小麦がなくなったようだ。


「バッチリな仕上がりだったな!」


「そうだね。最初は大きすぎてどうかなって思ったけど、これなら沢山加工ができて便利だね!」


「でもこのままじゃ使えないんだろ?」


「うん。まだ不純物が多いから、ここからふるいにかけて細かくしないといけないんだ。篩は徹くんとモクさん、カムリさんに任せてたんだけど出来てるかな?」


「メグミ。俺を誰だと思っているんだ?そんな簡単な工作、もう終わってるに決まってるだろう」


「徹くんの仕事は終わってるかもしれないけど、モクさんとカムリさんは綿の加工品も手掛けてるから、まだかもしれないでしょ?」


「いや、徹くんに急かされたから、篩の網を先に仕上げたぞ」


「美しい模様も織り込んでおきまシタ!いい仕事デシタヨ」


「まあ百聞は一見に如かずだ、これが篩だ!」


徹くんは、ビシッとハサミにつまんで、篩を見せた。


「気のせいかな?徹くん。ものすごく篩も大きい気がするんだけど」


「一回にたくさん篩えた方が便利だろう?」


「わたしが使えないよ!」


「メグミ用の小さい奴は、後で作ればいいだろう。今は大量生産の道具を作る時だと、俺は考えたぞ!」


「それで徹くんが篩うの?その篩」


「俺がそんなちまちました仕事をするわけないだろう。アッシーくんが担当してくれるぞ!」


「俺…篩う…」


「篩った粉を、集めるためのデカい器もきちんと作っておいたからな。そのうえで篩ってくれ」


アッシーくんは篩を渡されると高く持ち上げ、超合金の器の上で篩い始めた。


ゆさゆさ。パラパラ。


小麦の外皮のかけらは見事に金網に引っ掛かり、綺麗に粉部分だけが落ちてくる。


「おお、壮観だね!」


「メグミに注文された通り網目をさらに細かくした奴も準備してあるから、かなり細かく篩えると思うぞ!」


「でも全部細かくしないでね、粒度の大きい奴はパン作りとかに使うから、半分ずつ篩って欲しいな」


「任せろ…」


篩った粉は種類別に壺に入れて保存されることになった。


大きすぎて手入れが大変な気がするがこうしてわたしたちは小麦粉生産ラインを完成させたのであった。



最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます!

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