スパイス小瓶につまずいて
危険は、突然訪れた。
ただ、歩いていただけなのに。
道路の端を、歩いていただけなのに。
これは、目的地に移動中。
街中華に、移動中のこと。
楽しみに、歩いていた。
そのとき、それは起きてしまった。
注意力欠如。
それもある。
だけど、99%運の悪さのせいだ。
つまずいてしまった。
道路の端に落ちていた、スパイス小瓶に。
つまずいただけなら、普通だ。
つまずいたあとの経過。
それが、とんでもなく悪運な訳で。
つまずいたその小瓶が、道路の中央に転がり出して。
どんどん転がっていってしまって。
まあそれが、よく転がる小瓶で。
無駄に、丸みを帯びてるタイプの小瓶で。
ただ、裏道のような道で。
車がほとんど通らないような。
そんな静かな道で。
それなのに。
それなのに。
小瓶が道の中央に、放り出されたタイミング。
そんなタイミングで、車が来て
運悪く来てしまって。
小瓶で不憫。
そんな言葉が、ピッタリではないか。
そんな韻踏みが、ピッタリではないか。
そんな感じになった。
つまずいて、車道に飛び出るって。
本当に、運が悪すぎ。
本当に、本当に。
最近は、運悪いことばかり。
髪伸ばし男の僕。
年に2、3回しか美容室に行かない僕。
そんな僕が行こうとした日が。
ちょうど臨時休業の日だった。
行きつけ美容室が、臨時休業の日だった。
そして、家から徒歩10分くらいの場所。
そこにある、牛丼チェーン店。
30年近く前からそこにある。
そんな、牛丼チェーン店。
一度も来店したことがなかった。
そんな牛丼チェーン店。
そこに、行こうと決めた。
休日の朝に、朝食を食べよう。
そう思い、行こうとした。
念のため、前日の夜に調べてみた。
すると、調べたその日までの営業だった。
その日の午後あたりから、改装に入っている。
そう書いてあった。
運が悪すぎる。
タイミング悪すぎる。
改装なんて、あっても数回だろう。
何かの帰り道。
牛丼チェーン店の前を通った。
すると、大規模改装をしていた。
かなりの大規模改装だった。
小解体か?
改装通り越して、小解体だろ。
みたいに思うほどのやつだった。
再び、小瓶の話に戻るとする。
小瓶が道の、中央近くにいった。
まだ、どんどん真ん中に、転がり続けている。
そこに、自動車が走り来ていた。
このままでは、加害者になってしまう。
小瓶にタイヤが乗り上げたら、どうなるんだ。
そんな不安で、いっぱいになった。
サッカー選手のごとく、小瓶を手前に蹴り戻したい。
そう思った。
三笘の一ミリのごとく。
道路から小瓶を、今すぐ排除したい。
そんな考えに至った。
刹那だった。
一瞬だった。
だけど、様々な考えがぐるぐるしていた。
三笘選手の模倣は、複雑骨折に繋がる。
飛び石みたいに、飛び小瓶があるかもしれない。
自動車タイヤの、小瓶乗り上げ。
それと、左足乗り上げ。
どっちが見たくないか。
自動車側からしたら、どっちでも嫌か。
それなら、足を出さないのが妥当だ。
ハイリスク、ノーリターンだから。
小瓶のすぐ横を、車は通りすぎて。
事なきを得た。
ほっとした。
小瓶の形と色で、調べてみた結果。
シナモン、カルダモンあたりだと思う。
そのふたつと僕に、因縁はない。
嫌いじゃなくて、むしろ好きなんだ。
シナモン、カルダモン、好きだもん。
シナモン、カルダモン、好きだもん。
好きだけど、中身の入ってない瓶だったからな。
シナモンも、カルダモンも入ってない瓶。
それは、ただの瓶さ。
カルダモンは、好きだけどその瓶の。
カルダモン、空だもん。
小瓶に媚びたことなかったから。
小瓶に媚びん、みたいな状態だったから。
怒ったのかな。
瓶の色や形から、スパイスについて。
いろいろ調べてしまった。
調べなくてもいいものを。
ネットで、検索してしまった。
ひっそりといえば、ひっそり。
これはもう、あれだ。
スパイススパイだ。
オレンジレンジみたいになってしまった。
でも、オレンジレンジさんより、かっこよくはない。
あたま3文字残しだから。
おしり3文字残しじゃないから。
スパイスパイスなら、かっこよかったのかな。
別に気にしないが。
僕はスパイではない。
スパイススパイではない。
ただの、スパイス検索人だ。
決して、つまずきやすい小瓶だったとか。
そういうのはないです。はい。
デザインが可愛い、素敵な小瓶だと思っています。はい。
ポイ捨てした人の責任が、ほとんど。
そういうことに、しておきたいです。はい。
そう言っておかないと、鼻頭にシナモン振りかけられちゃうよ。
なんて。
そんなこと。
一ミリも思っていません。
このエッセイのタイトル。
[スパイス小瓶につまずいて]
そのタイトルは。
パッと出てきた感じです。
ライ麦畑でつかまえて。
みたいなタイトルで、すみません。
完全に、インスパイアされてますね。
はい。