表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/39

予感

・・・・・・・・・・ト・・


・・・まただ・・

また、あの声が聞こえる・・


・・・・・・レッ・・ト・・・


誰?誰を呼んでいるの?


・・・スカーレット・・・・


分からない・・知らないの。


・・・・・・・・・・スカーレット!





ハッ



窓から朝日が差し込んでいる。今日も何か夢を見ていたような気がする。眠い目を擦りながら時間を確認すると、昨夜セットしたアラームまであと30分くらいあった。


眠い。

最近あまりよく眠れない。

何かに呼ばれているような・・・何かしなければならないような、そんな焦燥感にかられる。


私が?・・・ちがう。呼ばれているのは私じゃない。


もう一度寝る気にはなれず、仕方なく上半身を起こす。ふと横を向くと、壁際にある姿見が目に入った。


あっ・・・誰?


鏡の中には私と同じ顔。当たり前だ、鏡なんだから。

しかし、その瞳は深い深い紅。

とても切なく、とても悲しい紅。


最近、夢を見た後はこうして紅い瞳の私が見えるようになった。病院にも行って検査したけれど何も異常はなかったし、私以外この紅い瞳を見ていない。何度か相談したが、最終的には疲れているんじゃないかとか、精神的なことを言われるようになり誰にも話さなくなった。

まぁ、色が違って見えるだけで痛くも痒くもないしね。


ベッドから降りて鏡の前に立ち、キラキラと光る瞳を見ながら鏡に手をつく。鏡の中のわたしと手のひらが重なる。


「どうしてそんなに悲しい瞳をしてるの?」


そう問いかけた瞬間、鏡に触れている指先がずぶっと中に沈む感覚がした。


っっ!!いやっ!!


急いで手を引っ込めて胸元でぎゅっと握る。恐る恐るもう一度手を触れてみるけれど、もう異常はなさそうだ。

何だったんだろう。まだ寝ぼけてるのかな・・。

鏡の中の私はもういつも通りの茶色い瞳をしていた。






「おっはよー、真珠紅!」


教室に入るとすぐに声をかけてくれる女の子たち。サラサラの長い髪を高い位置で一つにまとめている少しツリ目がちの薫ちゃん。背が高くてショートカットが似合う日和ちゃん。そして、目がまんまるで肩までの髪の毛をゆるふわに巻いている桃子ちゃん。

なんと!なんと!!この子たちは私のお友達なのです!!!

入学式の日に誰にも声をかけられず、悔しい思いをして家に帰りました。次の日こそは絶対に誰かに話しかけると違って教室に入りました。緊張しながら席につくと、なんということでしょう!!私から話しかける前にクラスのみんなから話しかけられたのです。

まぁ、その理由ははるちゃんなんだけどね。

入学式で挨拶をしていたかっこいい先輩が新入生の教室に来たことで、クラスの子たちからの事情聴取が入ったのである。久しぶりにクラスの人に話しかけられた私は緊張MAXでうまく話せず、あたふたしてた所にこの3人が助けてくれたのだ。そして、お昼にも誘ってくれたし、連絡先も交換した!!これってもう、お友達でいいんだよねっ!?


「真珠紅、英語の和訳やってきた?ちょっと不安なとこあってさ、ノート見せてもらってもいいかなぁ?今日当てられそうなんだよね。」


日和ちゃんがそう言って両手を顔の前で合わせた。


「やってきたよ。ちょっと待ってね・・・はい、どうぞ。」


鞄から英語のノートを取り出して日和ちゃんにわたした。日和ちゃんは机の上にノートを広げると、その隣に自分のノートを置いて答え合わせをしだした。


「薫と桃子にもノート見せてもらったんだけど、3人とも答えが違くてさ。・・あー、やっぱここはこうだよね・・・。よし、これでいこう。真珠紅、ノートありがとう!」


問題が解決したのか、日和ちゃんが笑顔でノートを返してくれた。


「そういえば、真珠紅はもう部活とか決めた?そろそろ入部届けの提出期限だよね。」

「日和は陸上部でしょ?桃子はー、料理部?」

「うーん、料理も好きだけど、私は手芸部!!この学校の手芸部ってめちゃくちゃ本気で作ってて、コスプレの衣装とかも手がけるんだって!」

「あー、桃子はコスプレしてみたいって言ってたもんね。」


みんなが部活の話で盛り上がっている。この学園は私立なだけあって部活も盛んだ。運動部も文化部もたくさんあって、強制ではないのに殆どの生徒がどこかに所属している。私も気になっている部活がいくつかあり1つに決められないでいるのだ。


「んで、真珠紅は?」


返事を返さないでいると、日和ちゃんがもう一度同じ質問をしてくれた。


「じつはいくつか候補があるんだけど、まだ悩んでるの。」

「うん?何部??」


桃子ちゃんが首を可愛らしく傾げて聞いてきた。


「えと、弓道部と剣道部・・あと空手部も気になる、かな・・・・・」

「わぉ、見事に全部武道系だね。」

「なんか、意外だね。真珠紅は文化部かなぁとか勝手に思ってた。」

「たしかに。美術部とか吹奏楽部のイメージだったわ。」


みんなの意見はもっともだ。実際に今まで運動とか、ましてや武道なんて無縁だったもん。でも、だからこそ新しい環境で新しいことをしてみたいと思った。何かに挑戦して自分に自信をつけたかったのだ。私にはそれが必要な気がして・・


「たしか部活って兼部OKじゃなかった?」

「でも、運動部の掛け持ちは難しいんじゃないかな。」

「大会とかも被ったらどっちでるの?って感じだしね。」


私のことなのに3人が悩んで意見を出してくれるのがなんか嬉しい。これが友達なんだ・・・。みんな優しいなぁ。

そんなことを考えていると、薫ちゃんが勢いよくこっちへ振り向いた。


「真珠紅!とりあえず全部見学に行こうよ。私も付き合うからさ!」

「え、いいの?薫ちゃんも行きたい部活あるんじゃ・・。」

「私もまだ悩んでるからちょっと視野を広げていろいろ見てみようかなって思って。一応気になる部活は昨日のうちに見学したし、大丈夫だよ。」

「あ、ありがとう。嬉しい・・。」


ガバっ!

っ・・・・!!!?

私がお礼を伝えると薫ちゃんが思い切り抱きしめてきた。

突然のことにびっくりして固まると、今度は薫ちゃんに抱きしめられている私の頭を日和ちゃんと桃子ちゃんが撫でてくれる。


「おー、よしよし。真珠紅よかったねぇ。」

「私たちは一緒に行けないけど薫と楽しんでおいでー。」

「うん、ありがと。」

「真珠紅、今日の放課後に見学に行くからね。顧問の先生にも兼部が可能か話聞こうね!」


そうこうしているうちに朝のHRを知らせるチャイムが鳴り響いた。



更新遅れてしまいました。すみません。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ