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プロローグ

ファンタジーが好きで書きはじめました。よろしくお願いします。

「頼みます。姫を・・・私たちの娘を・・」


薄暗い城内の一室。

光はじめた魔法陣の上で幼い子供が3人。その中でも一番の年長者が腕に赤ん坊を抱いている。脇には年長者の裾をぎゅっと掴み、泣くのを堪えている男の子。


「僕らが必ず姫を守ります。どんな世界でも、どんな姿になったとしても。」


子供たちの周りには数人の大人たちが不安げな表情で見守っている。


「やつらに見つからないよう姫の力を全て瞳に封印する。王族の証である宝石眼も次に目覚めた時にはわからぬようになっているだろう。」


赤ん坊を抱いた少年の前に1人の男性がしゃがみ込んだ。男性は赤ん坊に向けて両手をかざすと、目を閉じ呪文を唱える。眼前にかざされた手を見た赤ん坊は己の手を伸ばし、男性の小指をぎゅっと掴んだ。


「あーぅー。」


ニコニコと男性の小指で遊んでいる赤ん坊を見て、男性は悲しそうに表情を歪めた。


「娘すら守れぬ父ですまない・・・。新しい場所ではどうかっ・・どうか幸せに暮らしてほしい・・。」


男性の隣に寄り添うように1人の女性が座る。


「姫、遠く離れていてもあなたのことをずっと思っています。私たちの娘・・スカーレット。」


呪文が終わり、かざしていた手を今度は赤ん坊の頭にのせる。柔らかい髪をひとなですると、キラキラと輝く紅い瞳がまぶたに隠れていく。赤ん坊の目が完全に閉じたところで、

国王夫妻の後ろからもう1組夫婦が歩み寄ってきた。その目は姫ではなく姫を抱いている男の子と裾を掴んでいる男の子を見つめている。


「ローレンス、ベルデ、必ず姫をお守りしなさい。貴方達ならできるはずです。父も母も助けることはできないけれど、この地で祈っています。」


「はい。父様、母様。僕とベルデで絶対に姫を守ると誓います。姫をお守りして必ずこの地に、父様と母様のもとに戻ってきます!・・・だから、どうかお元気で・・。」


「父様、母様。僕も兄様と一緒に姫様をお守りします!ご安心なさってください。」


「陛下、そろそろ・・。」

「ああ・・・。」


2組の夫婦が魔法陣から離れると数人の魔術師たちが杖に魔力を込め、光がよりいっそう輝き出した。


「スカーレット・・。」


王妃がそう呟くのと同時に魔法陣の上にいた3人が白い光に包まれ消えていった。あとには金の粒子がキラキラと舞っている。



「さぁ、最後の仕上げだ。」


国王は王妃の手をとり城の最上階へと向かった。


「この城を、この国をあやつらの手にわたすわけにはいかない。城内全ての時を止め、城を封印する。」


そう言うと、国王は王妃の手の甲にキスを落とす。


「長い眠りになるが、付き合ってくれるか?」


「もちろん。これまでゆっくりできなかったのですから、貴方と共に眠れてうれしいです。」


にこりと笑う王妃の瞳には一雫の涙が煌めいていた。



  **********************



時を同じくして、城のほど近くで黒竜に乗る男を先頭に武装した軍隊がいた。


「ノワール様、城の方角に白い光の柱が見えます。」

「老いぼれめ、何をしようとしている。」


ノワールは右手を上に挙げる。


「下がれ。」


部下達が後ろに下がるのを横目で確認すると黒い刀身の剣を構え、光の柱に向かってふりはらった。黒い斬撃が飛び出し、柱の真ん中に一瞬の切れ目が生じる。斬撃が消えると同時に


「進軍。」


黒い軍隊は勢いよく城に向かっていく。空から陸から城に侵入しようとすると


バチバチッ


見えない膜に弾き飛ばされた。

所々から呻きが聞こえ、ノワールは顔を歪める。声には出さないけれど、その怒りは周りの部下たちを震え上がらせた。



少しずつ細くなる光の柱の最後の一筋を睨みつけ、ノワールは城を背にする。


「スカーレット・・。」


呟かれた言葉は誰にも届かず空に消えた。







更新はゆっくりですが、丁寧に書いていこうと思います。

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