第33話 順調なおふたり
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ま、当然だよな。
「ってことは藤宮の家には、幼稚園の時の先生が住んでるってわけか」
「うん、まあ、おばあちゃんが大丈夫ってことが分かったからまあ、俺としては大阪に行ってよかったとは思うんだがな」
俺は、朝寝坊しそうになったが、あいつが電話で俺を起こしてくれた。
今、いつものように食堂で山田とご飯を食べている。
昨日、山田から家に電話があったようだが、出られなかったのでワケを伝えた。
山田は休日も本沢とデートしてきたって。
笑顔が一番。
幸せそうで何より。
「で、昨日はどこ行ったりしたんだ」
「えっと、まず駅に集合してから、って、俺、1時間遅刻しちゃって、姫花に大目玉食らって」
「ぶん殴られたのか?」
「いや、違うんだ。そういうのじゃなくて」
「じゃあなんだ」
「遅刻してしまったことを本気で反省するなら罰として、私の好きなところ10個言いなさいって」
「…………」
山田は本沢の言い方を真似しながら言う。
「俺がなかなか言いづらくてさ、本人いるんだぞ?恥ずかしいやらでダンマリしていたら『私は言えるわ。太郎くんの好きなところ』って言い出してさ」
「…………」
「『面白いところでしょ?それに人の話を聞くところでしょ?前向きなところ、ひたむきに努力するところ、大げさなところ、背が高すぎないところ、低すぎないところ、顔がイケメンすぎないところ、残念すぎないところ』って、ここまではまあ、俺も、うーんって思うんだけど、最後の一個がさ、最高で」
「…………」
「『一緒にいると、楽しいところ』って!」
「だろうな」
「俺、絶対俺から姫花をフったりすることはないって誓えるぜ」
「なあ、この食堂のパン味付け変わったか?甘いんだよ」
「ん?お前、人の話聞いてたか?」
「姫花〜!事件だよ、事件!」
「ど、どうしたの?」
姫花は優雅にコーヒーカップ片手に、 ネックレスを眺めている。
いつ買ったんだろ。
「一樹が女の人連れてきた」
「連れてきたって!」
「えっ、連れてきたって……ん?関西弁?えっと、連れて来いってこと!?」
「違う!沙彩落ち着いて。連れてきたのはどういうことって意味。ところで、その女の人って誰」
「幼稚園の先生……すっごい可愛い人なの」
「つ、連れてきたってことはもしかして新田くん、結婚したとか!?」
「そ、それはないよ、だって私の家で住んでるんもん」
「そ、そっか……いろいろあるんだね。ご家庭の事情って」
「ちーがーう!違うの。スケベ一樹が悪いの。全部。なによ、大阪でたまたま会ったって冗談もいい加減にしてほしいよ」
「大阪……どういうこと?新田くん大阪に行ってたの?」
「あっ、そうそう。おばあちゃんが体調壊したから見舞いに駆けつけるってことで日曜日東京と大阪をとんぼ返りしてた」
「それってあれじゃないかしら、高木恭子って子に逢いに行ってたとか!?」
「えええええ!」
「ど、どうなのよ、そこはっきり聞いた?」
「幼稚園の先生のあき先生のことで頭いっぱいだった」
「沙彩には、表向きそう言っておいて実は……とか」
「そ、そんなことないよ、一樹はそんなことするようなやつじゃないもん」
「…………ま、そうよね」
「ところで、そのネックレスはどうしたの?」
「これ?これね……太郎くんに買ってもらったの」
「プレゼントじゃん。へー、いいなぁ」
「羨ましいでしょ。太郎くんと日曜日にお出かけしてね」
「うん」
「いろんなところ行って」
「うん」
「最後、いつ買ったのか分かんないし何の記念日のプレゼントか分かんないけど、太郎くんが私にくれた」
「へー。そ、そうなんだ。よかったじゃん」
「沙彩もプレゼントとか貰ったこと、あるの?」
「誰に?」
「決まってるじゃん、新田くんに!」
「一樹からプレゼント…………もらったことあるかな……?」
「うそ。うそでしょ!?もらったことないの!?」
「う、うん……なんか姫花の話聞いてたらますます不安になってきちゃった……ほんとにやっぱり一樹は私のことなんか……」
「よ、弱気になるなんて沙彩らしくないわよ」
「ううっ、姫花はプレゼントもらってるから強気に出れるのよ」
「分かった。ちょっと太郎に手回させるわ!」
「もうこうなったら、当たって散ろう!……で合ってたっけ?」
「そこは当たって砕けろじゃない……?」
「あ、そうだっけ」
「好きなものは好き。しょうがないもんね〜!」
そう言って、姫花は山田くんに買ってもらったネックレスをつけた。




