第26話 突然の再会
いつも誤字訂正していただき、ありがとうございます。
俺が阪大病院に駆けつけると、白いベッドの上でおばあちゃんは眠っていた。
「ばあちゃん、来たよ!」
おばあちゃんから返事はない。
でも、息を吐いたり吸ったりしているので、俺は安心する。
心拍数の正常を示す緑色の画面。
「まあ、もう夜だから寝てるか」
俺は、ベッドのそばにあった、パイプ椅子に腰かけた。
東京から、新幹線に飛び乗ってきたことの疲れが今来た。
ぐっすり眠っているおばあちゃんの顔を見ていると、入り口のドアが開いた。
「新田さんのご家族様ですか?」
「あ、はい。あ、孫です。お世話になって。あ、それで祖母は大丈夫でしょうか」
「ええ、安心してください。一時は少し危なかったのですが、なんとか持ち直しました。今は安静第一で、まあ、軽い心筋梗塞ということだったのですが、早期に対処しましたので、落ち着いてます」
「よかったです。先生ありがとうございます」
「では私はこれで」
俺は軽く頭を下げて、先生は病室から出て行った。
一応、おばあちゃんも大丈夫みたいだし、俺は一旦、あいつのお母さんに電話しておこうと思い、電話室へと向かった。
公衆電話の受話器をとり、番号を押した。
『……あ、はい。藤宮です』
「あ、俺、一樹だけど」
『一樹!?ちょっと待ってね、今お母さんに変わるね!』
「あ、ああ」
『…………もしもし!?一樹くん?無事に着いたの?』
「ええ。おかげさまで。今阪大病院から電話してます。おばあちゃんも大丈夫そうでした」
『そうなの〜!よかった!それで、一樹くんのご両親は?』
「ええ、今アメリカにいるので、飛行機で日本に向かっていると思います」
『だったら連絡取れないわね……今日はどうするの?』
「取り敢えず…………今から新幹線乗って東京に帰ろうかと。まあ、駅の伝言板にでも親にメッセージ残しておけば、大丈夫でしょうし、病室に置き手紙でもしておけば俺の親は心配しないで済むでしょうし」
『明日の学校1日くらい休んだ方がいいんじゃない?』
「ええ、でもおばあちゃんも大丈夫そうですし。これ以上俺が居てもあんまり……」
『そう……だったら、新幹線に乗る前に電話してくれたら、一樹くん東京駅まで迎えに行ってあげる。夜も遅いから』
「え……あ、僕帰りますよ、ひとりで」
そうするといきなり小声で、こう言った。
『……あの子が行くって言ってるの』
「あ、そうですか…………すいません、何から何まで。ではまた連絡します」
『うん。何かあったら電話してねー!』
俺は受話器を置いた。
病室へ戻り、メモを残し、荷物をまとめ、新大阪駅へと向かった。
俺は阪大病院でタクシーを呼び、新御堂筋を南下する。
またこの一年で街並みが変わってしまったような気がする。
緑地公園はよくおばあちゃんと遊びに行ったな…………
たしか、プールで遊んだっけ…………
すると、すぐ目の前に新大阪駅のホームが現れる。
タクシーの乗降場に到着した。
タクシーの自動ドアが開く。
「お客さん、料金払うてね」
「はい…………これで」
「おおきにな」
俺は荷物を抱えて、みどりの窓口へと一目散に走った。
俺が、みどりの窓口の列にならんでいると、予想外の人に声をかけられた。
「あれ、もしかして一樹…………くん?」
「きょ、恭子ちゃん…………どうしてここに?」