第22話 気付かれぬこと
短くて申し訳なく……申し訳ないです。
更新だけは絶対続けます。
これからもどうかよろしくお願いします。
私が家を飛び出すと、一樹の家の玄関先に私のお母さんがいた。
「あっ……お、お母さん…………」
「夜遅くに押しかけたら一樹くんに申し訳ないでしょ?何してたの?」
「い、いや……こんなところで話しないで、家入ろ?」
「お母さん、ごはんまだなのよ。じゃあ、お風呂入れといて」
「うん」
家に入って、お母さんが食事を取っている前で、私もテーブルに着く。
「で、一樹くんとはさっきどんなことしてたの?」
「いいや、何にも…………って、してたって、ど、どういうコトよ!」
「え、夜に親に黙ってコソコソしていることってそんなくらいじゃない。白昼堂々するんじゃないんでしょ」
「違うよ…………むしろ、遠ざかってしまったくらい」
「…………そうね、沙彩は昔っから、押しが強いのに、肝心なところで道を間違えるのよ」
「どういうこと?」
「離れたら?ってこと、一樹くんと。ちゃんとすることだけしていたら、絶対お天道様は見ているから。その行いを」
「そ、そうかな……でも何にもしなかったら!」
「違う」
「…………」
「まだまだ沙彩は子供よ?充分。お母さんの言うことを聞いてごらんなさい」
「う、うん…………」
次の日から、また学校は始まる。
社会は休日から平日へ転換し、動き出す。
俺もまた朝から晩まで学校へ通うことになる。
昨日の夜からずっと、頭の中で、花火に照らされた恭子ちゃんのことと、昨日、泣き出しそうになって俺の家から出て行ったあいつの姿。
このふたつが目まぐるしく俺の中で渦巻いている。
「結論は出したはずなのに…………」
どうして俺は気持ちがまた揺らいでいるんだよ…………。
登校中にもかかわらず、独り言を呟いてしまう。
そんな時、横を通り過ぎるあいつの姿が。
「おはよ、一樹」
「お、おはよう」
俺に爽やかな笑顔を向けて、ずんずん進んでいった。
今日も、1日が始まる。
「今日の夜にでも、恭子ちゃんに電話でもしてみよっか…………」
「よし、張り切って今日も頑張って、お洗濯してお料理頑張るんだから!」




