第19話 好きか嫌いかの話ではない
とてつもなく短いですが、最近忙しく、勘弁ください。
これからもよろしくお願いします。
あ、完結はさせますので。
俺は、「一樹、一樹、一樹」と連呼してくる幼馴染の好意に気がついている。
でも、彼女の気持ちにどう応えてよいのか分からない。
彼女の母親には、とても世話になっている。
近所のいろんな付き合いのこととか、手続きとか。
俺は、今の時点でもうすでにあいつへの気持ちはないと言っても過言ではない。
でも、あいつを俺が拒んだ時ーー
俺は、怖い。
何をしでかすか分かんない。
だから、前みたいに、静かな状態で高校生活を終えられたらなーって思っている。
好きか嫌いか聞かれても、そんな今すぐはっきりできるものじゃないーー
だって、あいつは幼馴染だから。
幼馴染は、恋とか愛とかが自分の中で存在感を増してくる前に、自分の中にいる。
家族の一歩手前が、幼馴染。
俺にベタベタくっついてくるのもーー
俺にちょっかいかけてくるのもーー
俺のことをあいつが気にするのもーー
ーー仕方ない。横に住んでるから否応なしでも毎日生活を送っていたら自然とそうなる。
俺が今、まともに高校生活を送っていられるのは、もちろん俺の親のおかげである。
それでも、やっぱり藤宮家には計り知れない程、お世話になっている。
だからといって、俺とあいつが仲良くしていけるのか、といったら、無理。
もう、無理。
もう気持ちを誤魔化せるかなって思っていたら、後戻りできないところまでいってしまうかもしれない。
だから、近いうちにあいつにはっきり伝えようーー
「やっぱり俺はお前の気持ちには添えられない」と。