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オレの名前は小者Bだ  作者: トスカ
3/4

女達

固まったオレを見て青年が笑いかける。


「どうしたんだ?咲兎ぉ」


「ご飯を邪魔されて怒っているのよ」


「そういう事か、すまん。サリアもすまん」


「気にしないでレンジ」


甘々な空気が場を包み込む。

勘弁してくれよ。


「ああもう、レンジぃ挨拶するだけじゃなかったのかよぅ」


「私を待たせるなんていい度胸していますわね?レンジ?」


「まだ…?」


新しい女達が出てくる。

人間がいない。


男っぽい口調は珍しい天翼族の少女。

純白の翼が何よりの証だ。

お嬢様口調は頑丈な龍人族の縦ロール。

龍人族には特徴的なツノが生えている。

無口そうなねーちゃんは獣人族だ。

ちなみに高潔な出の耳だけのタイプだ。


見事に前世で会っている奴らだ。


天翼族の少女はオレが除名にあって間もない頃に会った。

当時、翼を隠していた彼女に騙されてオレは奴隷になる事になってしまった。


そんで高潔な出の獣人ねーちゃんはオレを買ったご主人様。

嗜虐癖があり何度か餌食になった。


で、そこから円形闘技場に転売されたオレが何とか生き残り、自分で自分を買い戻す為に稼いでいるとき会ったのがオーナーの縦ロールというわけだ。

縦ロールに無茶振りで、お金全部取られてもうダメだ、と思ったときに奴隷解放が起こり解放。


結局試合の傷が元でスラム街で死亡。


オレの前世。


あ、そう思うとトラウマがフラッシュバックしてくる。


「ふえぇぇ」


情けない泣き声が出た。


「ああごめんねサクト」


「…泣かないで」


「ごめんなさいですわ」


「サクトぉ男なら泣くんじゃない!」


「おいおいエリザそんな言い方はないだろ」


「ふえぇぇん、えぐっうぁ、う」


「あぁよちよち」


あ、なんか眠い。

意識が落ちてく。










「すぅすぅ」


「寝ましたわね」


「サリア…眠り魔法は…ダメ」


「だって」


「あたしはいい判断だと思ったけどね」


「エリザ、カラ、アイナ。仕事に行くぞ」


「「「はーい」」」


「行ってきます」


「行ってらっしゃい皆んな」



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