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12対の命たち
11時くらいが一番捗ります。
残された紙切れ
風が撫ぜる水面が揺れた
声が波紋となって視界に落ちた
落としてしまった声の形
見つけることができないまま
奇形へと変わった思考
伝えないまま焼け爛れた
空に縫い付けた気持ちとともに下降する灯火
水のない水槽の声に重なる啼き声
真空の肺に埋もれる花弁
すべてすべてがこのためのもの
31対の木霊すら消えていく
すべて枯れ落ちてしまう
8対の死体は地へと落ちてく
止めることのできない夢のなかで
どのくらいの間を感じられる?
12対の命たちとともに生きられる?
終わってしまった心を縫い付けた
その日は真っ暗な暁闇だった。




