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出発の鞄
眠い時って一番捗る気がします。
忘れられない言葉
忘れてきてしまった言葉
違いはさほどない
痛みは強く残っていく
幸せは薄らいでいく
記憶に残るのは痛みと
ほんのかすかな幸せのみ
悲しい記憶は素敵な装飾
辛い記憶は苦いお薬
常に残る痛みは体に蠢き
おいてきた鞄には幸せだけ
小さな匣に詰め込んだ光景
全部持ってでかけた冬の朝
無人の電車からみる月
物言わない棺桶のなかに放り込む
光る灰が天へと登っていく
すべての記憶をのせて
人から無に帰る僕の旅立ちを
君は見てくれている?
見ていなくても躊躇わない
すべて記憶は僕のそばに
灰となって僕を包んでくれた
最終地点へ




