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白い世  作者: 古井雅
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燦水

川面に浮かぶ水しぶき 泡沫に近い人影

独りっきりの影 水の中に溶けるように消えた

自由になるときが消えるとき 今度は月に消えた

残ったキラキラ光る水で手のひらを満たす頃

既に自分の影は消えていた

燦水として浮かぶ人影へと繋ぐ

誰も妨げることの出来ない

銃声のような霤とともに人影がまた落ちる。



月に浮かんだ潮騒

形成された人影の群

引き寄せられるのはやはり燦水でしょう

かと思えばまた姿を隠した

誰もこれを見ない

月の創った潮の満ち引きのように

普遍的に終わる溶けた人影

破損した燦水と人影は同定義

掘った穴には何もない

あるのは砂状の白い粉だった。



湖に浮かぶ月と人影

誰も見ていない恐怖

妨げの存在しない湖

燦水はいつも浮かぶ

何処か狂気的な笑み

拉げた湖の面の風景

立てそうな水ガラス

薄らいに立った人影

夜半に月が欠ける音

漾っていた。

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