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空っぽの湖
今年の猛暑に扇風機は扇風機様に格上げです。
虚ろな水面に手を伸ばす
ふと眠気が体を蝕んだ
誰に救われること無く湖に落ちてしまった
水面の下は空気はない
僕じゃ生きられない
頭に過ったのは諦め
そして憂い
若干薄ら寒さも覚える
虚空に僅かな雨雲がある感じ
気にすることはない、そんな程度の憂い
満足するように体から力が抜けた
そのまま水が細胞に侵入した
体が内側から冷たい水で満たされる
湖の水を使い果たす頃には僕はいない
そこにはすっからかんの湖の跡地だけが存在する
巻き込んだことを悲しみながら、僕は泡となった
誰も巻き込まないなんて無理だったのに
誰にも悲しさを感じさせたくなかったのに
僕はなんで泡となることを選んだんだろう
空っぽの湖とぼくだけがいる。




