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絵
絵の具は狂気さがウリだと思っています。
絵画の中の城
棄てられたあの城へ
何処までも黒煙に塗られた空色が辺りを埋めてる
誰も存在しなくなった絵の中
貴方は今もあの城で
何を待ち続けているんですか
もう訪れるはずのない場所へ
未だに私は太陽の見えない空をみる
辺りはだれもいない
無作為に選ばれた一人だというのに
呆気無く空へと帰す
今はまだ帰らない貴方の城には
誰もとどまれないのでしょう
私もみることしか出来ない
古城
まだらに浮かぶ炎のあられ
手のひらに転がった石ころ
ただれた野原と小さな古城
これは存在させない古城
みえるけど何者も留まらせない
主さえも持て余す古城の空には
太陽を妨げる小さな光のつぶ
呆れ返っても誰も止められない
回り始めたからくりは主電源が生きる限り止まらない
いつまでも回り続けるから
貴方は電源を壊すことを選ぶ
私は理解したまま水に掬われた
何事もなく空を仰ぐ快楽は何者も知らない
何も知らなかった私と知りすぎた貴方
城と古城は同じものでしょう。




