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雪露
30個目です。既に最初に書いたものは覚えておりません。
ちなみに、今回出てくる「雪露」という言葉は造語です。
冷たい結露を舌で舐めとって いつかの日に回帰
廻り廻った日々は 未だに私の海馬にあるのでしょう
それを認識することも知らぬまま 耿耿と揺らめく欲を飲み込みます
鮮血に染まる欲は私の底にとどまり 嫌な動悸とともに蝕むことでしょう
その儚さは 雪露の様に玲瓏としています
墜ちゆく朝露を手のひらで掬ったあと ひらひらと注ぐ体液と交わりながら深々と躰に交差していきます
時計の音が露の奏でる風音に溶け込んで 下らない夢物語がまた嘆く
鏗錚としたその音色 朝露と重なりあって木立へと身を潜め逝く
いつの間にか雪露と成っていく 迷い道
既に逃れるすべ そこにはない
手の内は既に雪露 なぞるような質感に惑うことしか許されない
そしてまた 雪露




