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言霊  作者: ケット・シー
2/5

暗殺者ロキ

キャラが完全に固まってなかったことに謝罪します

あと、コメントくれると嬉しいです!

「うわぁ……人が…………人がいっぱいいる……」



涙目になりながらそう呟く少年、ロキは膝を抱え怯えていた。



「いい加減その人間恐怖症なおせよなー、お前」



そう言っているもう一人の少年の名前はアーサーと言い、ロキのたった一人の親友だ。



「しょうがないだろ!恐いもんは恐いんだよ!ほっとけよな!」



「まあ、いいんだけどね~俺には関係ないし」



「もうちょっとだけ心配してよ…………」



「どっちがいいんだよ!お前は!」



もはや恒例行事となった会話をしているとロキの電話から音が流れた。

最初から入っていた音楽だ。



「ちょっとごめん」

自分に電話を掛けてくる人間など二人しかいないが、一人は目の前にいるのでかけた人間は必然的に決まってくる。



『ロキさん仕事です、12:00までに本部にきてください』

東部連合だ。


この事はアーサーには秘密だ。



この事を知ってしまえば、アーサーは離れていってしまうだろう。



自分が暗殺者と言うことを……………



「ごめん、用事が入ったから今日はこの辺で……」



「いいよ、俺も用事入っちゃったし」

よく見るとアーサーも誰かと電話をしていたようだ


「じゃあ、またな」



「おう、また今度!」

と、ここで時計塔を見ると12:00になるまで後10分も無いことに気がついた



「もっと早く連絡しろよな」



そう呟きながら、ロキは急ぐべく、裏路地うらろじへと足を急いだ。



この都市、名前をグラズヘイムと言い全人類の二分の一が住んでいる大都市

である。



ビルが立ち並び、太陽の光が少ないこの都市がロキは嫌いだった。


いや、嫌いなのはこの都市ではなく世界そのものなのだ。


そんな世界に希望ができたのは七年前の事だったが、今でもついさっきのことのように思い出すことができる。



──────────七年前────────

ロキは最強の暗殺者として裏の世界では知らない者は居ないほどだった。



ターゲットは子供というだけで勝手に油断し、無防備になる。



そのため子供だったロキは大量の仕事の依頼を受け、大量の人間を肉塊したいに変えてきた。



依頼者以外に姿を見せることは無く、仕事の失敗も無かったため≪静寂サイレンス処刑人エクスキューショナー≫と呼ばれた


だが、子供であるロキに人を殺すと言う重荷を抱えきれるわけもなく、ゆっくりと、だが確実にロキの心は壊れていった。



まず寝れなくなり、次にご飯が喉を通らなくなっていき、そして、人間が恐くなっていったのだ。



そんなロキの変化を依頼者達が気付かないはずがなく、だんだんと仕事が減り最後には何一つ来なくなってしまった。いや、来なくなった方が良かったのかも知れない、何故なら後一人でも人間を殺せばロキの心は完全に壊れてしまっていたからだ。



どんな人間もなにも食べなければ死んでいく。


家もなく家族もいないロキは路地裏で死に絶えようとしていた。そこにアーサーが現れたのだ。アーサーはロキにパンを与えて言った



「俺と友達になれよ!」

アーサーは名門貴族の一つ、フローラル家の跡取り候補だ。そんなアーサーが何故ロキを助け、しかも友達になろうと言っているのか………………ロキには全く分からなかった、だが、何故だか〝恐くなかった〟のだ。



ロキは泣きながら何度も、何度も同じことを繰り返しいい続けた

「ありがとう」



─────────現在─────────



懐かしいことを思い出したなぁ…………

そう心の中で呟く、あれから七年の時が流れた。



もう人を殺すのは恐くなかった。食事もできるし、眠ることもできる。

だが、人間恐怖症だけは治ることはなかったのだ。子供とは普通に話すことができるのだが、大人と話そうとするとひざが笑い始める



そんなことを考えているとロキはいつの間にか本部についていた

ここは≪東部連合≫の本部だ。



見た目はただの教会だが、この地下に暗殺者達の本部があるのだ。

「いい趣味してるなぁ……神に祈る神聖な場所で、神に背く団体が本部を作るなんてなぁ」

ロキは苦笑いしながら中に入っていった



「いきなりで悪いが仕事の話を始めるぞ」



「??????!!!!!!!」



まさか、入った瞬間に声をかけられるとは思わなかったロキは条件反射で短剣を取り出そうとしていた………………だが、ギリギリのところで理性がそれを止めた



ロキに声をかけたこの女は一見すると美人の女性だが、これが鉄で作られた

全自動人形だとは誰も思いはしないだろう。



「お、お願いします………………」



人間ではないと分かってはいるものの、心臓を握りつぶされそうな妙な感覚に襲われてしまう



だが、そんなロキのことは気にすることはなく、

人形───ルコイは話を始めた



「ターゲットの名前はシャー・ブレッド、性別は女、人身売買をおこなって

いるグループのリーダーだ、報酬額は百万円ぴったり、実行日は、明日の夕暮れだ、分かったか?」



「分かりました」



────────一日後─────────


漆黒の衣をまとった死神がそこにいた

「あれが今回のターゲットか」



ロキはそう大きくない倉庫の天井からターゲットを見下ろしていた



ターゲットの近くには今まさに売られようとしている人間達が諦めた表情で座り込んでいた。もう抵抗する気力すら無いのだろう。



見慣れてしまった光景だが、何度見ても今すぐにターゲットを殺し、あの人達を助けてあげたいと言う欲望がマグマのように溢れ出しそうになるがギリギリのところで踏みとどまる。



今動くのは危険だ…………ターゲットの近くには散弾銃や短機関銃などで武装した傭兵が四人、囲むようにターゲットを守っていた。例えターゲットを暗殺出来たとしても、その瞬間、蜂の巣にされるだろう。


一人一人、正確に消すしかないと、ロキは深くタメ息をついた。



一人目は物陰に隠れ、わざと音をたてて誘き寄せ首をかき切った。



二人目はピアノ線を使い、首を飛ばした



三・四人目はターゲットの前にいるため一回で仕留めなければならなかったが、ロキには一人も二人も関係なかった。



すさまじい速度で一人の喉をかき切り、そのまま勢いを殺すことなくもう一人の心臓を貫く。



無事に傭兵達を始末することができたが、息をつく暇はない。すぐさま近くのコンテナの陰に紛れる



ターゲットもさすがに暗殺者の存在に気が付いたのだ




腰から半自動拳銃《スプリングフィールドXD》を抜き、構える。

そして

「誰だ!隠れてないで出てこい!」

知性の欠片もない一言………………



「そんなこと言って出てくるバカがいるかよ……」


頭の中で言ったつもりだったが口に出してしまったようだ


「そこか!」



「しまったぁぁぁぁぁぁぁ!」

「?!」



ロキの大きな声は小さな倉庫の壁や天井に反響しあい、居場所を隠す



危なかった───と、今度こそは心の中で呟いた



そしてターゲットは叫ぶ



「何をしてるの“アーサー”!!!早くこいつを殺しなさい!!!」



「え?」



ロキは耳を疑った.....アーサー?そんなはずはない!



きっと聞き間違えだ.....



そしてターゲットはまた叫ぶ

「“アーサー”聞いてるの!?高い金を払ったんだからちゃんと働きなさいよ!!!」



確かに言った、アーサーと

そうだ!俺の知っているアーサーと決まったわけじゃない!!

アーサーなんていっぱいいるに決まっている!!



そうやってロキは現実逃避をした

そうやって現実から目を背けた



だが世界は何も待ってくれない



ターゲットの横に物音を立てずに着地した人影を見てロキは現実に引き戻され、そして地獄に叩き落された



そこにたっていたのは紛れもなく七年前にロキを助けた少年、親友となった少年、生きる理由だった少年。



ロキの親友の“アーサー”が立っていた



「何で..........なんでなんだよ…………なんでお前がいるんだよ!!アーサー!」



ロキは殺し合いの最中だったことを忘れ親友だった少年に向かって叫んだ



アーサーは薄気味悪い笑みを浮かべながらいった



「やあ、“道具”のロキ君」

…………と



「何でそんなこと言うんだよ………!!!」



「俺が本心でお前と友達してるとでも思った?ざ~んね~ん!すべては“仕事”だったんだよ」



「嘘だ!!!わ、分かった!お前は誰かに洗脳されているんだ!目を覚ませよアーサー!!!」



ロキは涙をこらえながら必死に叫んだ

もう“すべてを理解してしまった”のに



「分からないのなら教えてやるよ」

分かっている



「俺が七年前、お前を助けたのは東部連合から依頼を受けたからだ。お前は七年前から優秀だった、いや優秀すぎたんだよ。だからお前が使い物にならなくなった時、東部連合はあわてた、そして歳の近い俺に仲良くなって“道具”として使える程度に“直して来い”と言う“仕事”を与えた」

道具?俺が?いや、違うそう、じゃない!俺は



「道具なんかじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」



ロキは叫んだ、喉が裂けるかと思うほどの大声をあげ、元親友に飛び掛った。短剣を握り締めて



アーサーは“避けなかった”そして短剣がアーサーの喉を捉えた瞬間、アーサーは確かに言った、ごめんね_________と


その瞬間ロキにはアーサーの目が赤くなっていることに気がついた。そう、アーサーは泣いていたのだ。



ロキにすべてを話す覚悟を決めるために_____アーサーは七年間でロキを本物の親友と思うようになっていた。七年前の仕事を忘れるほどに。



だが、東部連合が与えた今回の仕事は、どう考えてもロキを殺せと言っているに等しい。東部連合がアーサーに与えた仕事は、シャー・ブレッドの護衛、つまりロキと“逆のこと”だったのだ。倉庫の中でロキを見つけたときは世界が止まったかと思った。そしてすべてを察した。



東部連合はこう言っているのだ、あの道具ロキは危険すぎるのでまた、内部こころを破壊しろと、そしてアーサーは実行してしまったのだ。



ロキはすべてを理解した。



だがもう短剣は止まらない。



そのまま、アーサーの首に吸い込まれ鮮血を撒き散らす。



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



そう叫びながらロキは肉の塊と成った親友を抱きしめた。



「お前、私を忘れてねぇか?」



そう言ってシャー・ブレッド________ターゲットが銃を構えて撃った



銃弾はロキをつらぬき、ロキは倒れた。親友と同じ場所で

初めての小説、楽しかったです!

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