「やれって言われたからやりました」って喜んで言い訳にするのがオレだぜ?
これはやったらまずいだろう、と、思うけれども。
りきてっくす先生にリクエストされたので←言い訳
K・Mさまにリスペクトしてみる。
本稿は「小説家になろう」の麟龍凰先生による企画『Smile』に向けて書き下ろしたものである。
雨なんかに負けてたまるか!
風なんかに負けてたまるか!
地震が来たら足を踏みしめて止めてやる!
津波が来たら海岸に寝そべって横向き半身浴だ!
そんな極巨な身体をもって
頑張るよりも欲張る気持ちが大きくて
「ばっかみたい」って、さ……
おまえに笑って欲しいんだ!
もし飲み物なら涙なんて腹がさけるまで飲んでやる!
それでお腹がいっぱいになれば、食べ物の世話なんかいらねえだろ?
家なんかいらねーよ、地べたで草枕するんだから。
おまえらの住まいの日除けにも風除けにもなるぜ?
オレも被災者だろうって?
ばっかやろう、オレのことなんか数えんな!
耳もでかいから、さ……
どんなに遠くの声だって聞こえるぜ。
頭もでかいから、さ……
ちゃんと、ずっと覚えとくよ、おまえのこと。
東に探し物があるんなら
オレが探し出してやる。
西に嘆いているんなら
オレが誦経してやる。
南に対応できねえ政府があるんなら
政治家どもは脅して現場労働させてやる。
北にうるせえ蝿がいんなら
遠くに野グソして全部おびきだしてやる。
オレの顔がアンパンだったら
好きなだけ食えって言ってやれる。
なんだってやってやるよ。
どうせオレにはもう家族はいねえし。
だけど、言っておくぜ、
褒められたいんじゃねえんだ。
ただ笑顔がみたいんだよ!
なあ、オレはそうなれるかな。
昔、だいだらぼっちって呼ばれてたみたいに、なれるかな。
オレひとり?
違うよな?!
みんな集まれば、日本中が集まり続ければ、
そう、なれるよな?
ちなみに、ではあるが、茨城県のだいだらぼう伝承では、巨人ではあるが基本的に悪さをしないものである。地域によってはとんでもない悪人として出てくるだいだらぼっちであるが、本稿では土地守護あるいは土地創造の神の印象で受け取ってもらえれば幸せである。
被災地にボランティアに出かけると、自分が「できたこと」よりも「してもらったこと」のほうが盛りだくさんだ。「してやる」なんて、私には決して言えないと思う。「応援している」も「頑張って」も絶対に言いたくない。
私が頑張らねばならないと思う。無力、非力、話にならない矮小な自分に負けてはいられない。
復興を続けるのに大切なのは、途切れないことだ。妙な自粛活動ではなく、現地以外にも復興し続けようと思い続ける人がたくさんいなければならないと思う。まだ終わってはいない、まだやれることはある。
笑顔であれ。
自分の人生がいかなる不遇にあろうとも、自分のことを忘れるほどに他人のために没頭することがあれば、人は笑顔になれる。