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プロローグ
2029年11月某日
この日、日本中が、いや世界中が歓喜に沸いた。
それは日本が人類初となる大偉業を成し遂げた。
テレビから聞こえるのはアナウンサーの興奮した声だった。
「ご覧ください!日本の宇宙飛行士が!歴史的一歩を踏み出しました!火星に人類の痕跡を残しました!」
その瞬間、歓喜に沸いた。
この時ばかりは、いがみ合っていた人々も、ありとあらゆる見えない垣根を超えて抱きしめ合った。
人類の火星友人探査...それはアメリカの月面探査の再来、それ以上の記録とされた。
この日本の火星友人探査、かつて日本が南北に分断され、互いを思いながらも、統一という志を持って生活していた時代に思いを馳せた日々があったからこそ、より大きい意味を持つことになった。




