止まらない止められない少子高齢化
残酷な現実は、東京都と埼玉県以外全て人口減という事実です。社会増の都府県は多いのですが、自然減を上回れず、結果的には人口減となっています。日本全体として少子高齢化が進んでおり、その問題を根本的に解決しないと意味がありません。担当政治家が、1,2年で結果が出ないと言い訳を述べるのを聞くと反吐が出ますね。前任、その前の前任も対策をしてきたはずです。既存のやり方を全否定しない限り、何も変わらないでしょう。
特に顕著な問題は、宮城県を除く東北、四国です。高齢化率が高い事で人口自然減が多く、その上就学・就職で大都市部に若者が流出します。就学は昔からですが、就職は現在売り手市場であり、以前に比べて流出率が高まっている事でしょう。後、昔のような遊び(ドライブ、パチンコ、カラオケ)時代ではないため、大都市部を好む若者が増えている事も更に流出を高める要因になっています。
徳島県の人口が大正時代と同じになったと話題になっていますが、大正時代の人口は約5000万人でした。富山県でも人口100万人割れという話題が出ていたように、ある程度の人口減少は想定内であり、市町村や都道府県だけでなく、今後国も社会保障制度を除けばミニマリストの方向性でやっていく必要性を感じます。このままの国民負担率を強いるなら、更に少子化が進むように思えます。
100万人を割っている県は、富山、香川、秋田、和歌山、山梨、佐賀、福井、徳島、高知、島根、鳥取です。徳島と高知、鳥取と島根は、参議院選挙区も合区にされています。そして、宮崎と山形も予備軍とされています。一方、香川と佐賀は人口密度を見るとランキングで中間以上であり、単に面積が小さいという点も考慮に入れる必要があります。JR北海道とJR四国が慢性赤字状態ですが、JR九州は黒字化を達成しており、自助努力でどうにかなるかならないかの境界線って現実的に存在します。
結局のところ、以下のような事が大きく影響しているように思えます。
・平地が多いか
・近隣に大都市があるか
・大企業支店や大規模工場があるか
かつては、待機児童解消や高校無償化、給食無償化等、子育て支出負担を軽減するような方向の政策を行ってきました。同様に、出産一時金38万円も自己負担がない程度にアップされました。異次元の少子化対策で目指したのは、結婚している家庭、子供がいる家庭目線であり、全然バランスのよい提言(政策)ではありませんでした。結局は、ライフ&ワークのバランスであり、地方の人口減少を加速させているのは閉鎖的である事やプライバシーのなさだと言われています。田舎には田舎のよさ、地方には地方のよさ、都会には都会のよさがあります。都会だと車を持たなくても不便に感じない公共交通網、地方だと自動車があれば便利な社会、田舎だと自然豊富で土地がタダ同然等、同じ日本とは思えません。
同様の事は祖父母世代、父母世代、未成年世代でも該当します。後進国、中進国(開発途上国)、先進国同様です。為政者の意識は後進国並であり、今後日本を背負うのは先進国であり、結婚や子育てするのもその世代が中心です。ただ一方、敬語は使えない、コミュニケーションが取れず、スマホや知識ばかり持っているというのも困りものです。逆に高齢者は経験やコミュニケーション能力はありますが、時代に付いていけていない人々も多いです。
一律を止めるとか既存のやり方を止めるとか、ブレイクスルーしないと今後もジリ貧が続いていく事でしょう。現代社会は、一世紀の変化が一世代の違いに等しい時代であり、経済とか金銭価値だけに重要性を見出すと、おそらくそれに追随する人々のみしか恩恵を得られない少子化対策になっている事を胸に手を当てて考えるべきに思います。一番出生率が高いのは沖縄ですよね。
人口増減ではなく、単純な転出入の基礎自治体ランキング(2024年、東京23区除く)を見てみましょう。ちなみに、人口増減の場合は出生数と死亡数が関係してきます。それと違うのが転出入であり、通常入学卒業、就職、転勤等の人口(住民票)移動が多いと考えられています。
1位大阪市
2位札幌市
3位横浜市
4位福岡市
5位千葉市
6位さいたま市
7位川崎市
8位名古屋市
9位松戸市
10位つくば市
11位町田市
12位相模原市
13位都城市
14位吹田市
15位船橋市
16位柏市
17位日野市
18位尼崎市
19位八王子市
20位流山市
地方大都市は、札幌、仙台、広島、福岡です。福岡市は滅茶苦茶勢いがあり相対的に安いし、韓国や中国へ近いという立地条件もプラスに働いていると言われています。札幌市は現在約200万人、北海道は約500万人ですが、おそらく北海道の半分の人口が札幌市に集中するという将来になるでしょう。北海道は毎年それなりに人口減ってますが、札幌市は微増ですからね。ある意味、ストロー現象と言えます。
人口比ではないため、上位8位までが政令指定都市です。9位松戸市、10位つくば市は、常磐線で上野、TXで秋葉原に近いわりに地価が安いという点が理由に思いますが、松戸市は高齢化で土地を手放し、マンション建設や住宅造成で若者が住むという形だからではないでしょうか。柏市の方が転入多かった時代もありますが、柏市が開発されて先に松戸市に住んだ世代が亡くなったり、土地を手放しているからだと推測します。相模原市、町田市、八王子市は、駅前は都内への通勤層、それ以外は基本車社会です。土地に余裕があるからでしょうね。都城市は、とんがった移住政策をしているからであり、効果が出ていると言えますが、その世代が10年、20年住み続けるかが鍵と言えるでしょう。吹田市と尼崎市は、通勤・通学が便利だからでしょう。船橋市も昔から人気があり、学生も多い市です。日野市が入っているのには驚きました。中央線的に言えば、八王子市、日野市、立川市(人口密度は高い)であり、人気地区なんでしょうね。流山市はTXの影響もあるし、車通勤なら柏市よりは流山市の方がコスパ高いからだと思いますね。流山、柏、松戸は、隣接地ですから北千葉人気あると言えますね。結局、都内や大阪市内に通勤・通学しやすくて金額的にお手軽な場所に人は集まるという事に思えます。都道府県単位でみると転出入よりも自然増減が多いから、結局大阪府、神奈川県、千葉県でも人口減なわけですよね。日本の未来予想図に思えますね。






