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閑話
「最近、総理が迎賓館に入り浸っているという話は聞いたか?」
国府の奥で、しかめつらしい顔つきの老人たちが集まっている。彼らは重厚な応接セットに腰を下ろし、顔をつきあわせて話をしていた。
「警備の者も連れず、迎賓館の最奥であの化け物と何をなさっておられるやら……」
「腰が低いのが良いところとはいえ、へりくだりすぎだという意見も党内から出ています」
「まさか、総理に限って寝返りはありますまいが……」
誰かがおずおずと口を開くと、その場の全員からため息が漏れた。
「これは一度、《《盟友》》からお話しいただいた方が良いやもしれませんな」