合流
一段落して、ここはサキリスタの領主の館の食堂。服は返してもらって、いつもの服だ。食堂は広く、大きな暖炉が一つあり、部屋を暖かく保っている。中央には大きなテーブルが置かれており、その周りには椅子がたくさん並べられている。メイドのソフィアが言うには、晩餐会などを行うこともあるので、これほど大きいらしい。掃除が大変だと嘆いていた。
俺達は入り口に近い方の席に座り、俺を挟んで右にマリア、左にキリエが座っていた。向かい側には、左にフラン、右には、フランの紅い目とは対象的な、綺麗で澄んだ青い目を持ち、これまたフランと対象的な肌の露出が少ない服を着た女性が座っていた。フランの姉のサフィリアだ。ソフィアはフランの左側に立っている。
「皆さん、申し訳ありません」
サフィリアが深く頭を下げ、無機質な声色で言った。
「私の名はサフィリア。こちらにいる愚妹の姉にあたります」
フランの方に手を向け、差し示しながら言う。
「フラン。あなたも挨拶しなさい」
「フランでーす! 好きな物は人間! 特に男の子! 彼氏募集中です!」
フランは可愛げにウインクしてみせた。その瞬間、ソフィアに尻尾をきゅっと握られ、「ひゃん!」と可愛い声を上げていた。
「とまあ、結構なお転婆娘でして、妹の粗相は、なにとぞお許しいただけると助かります」
「いえ、こちらも強引に押し入りましたから。迷惑をかけたのはお互い様です。こちらも、すみませんでした」
マリアが頭を下げる。確かに、すごい音だったな。後から聞いた話によると、あの音はキリエが無理やり門扉を開けたかららしい。キリエは頭に血が上ると暴走するきらいがあるらしい。
「その説は本当に……申し開きもありません……」
キリエは自分の行いを思い出して頬を赤く染める。本当に暴走してたのか……。
「それで、ここにはどのようなご用件で来られたんですか?」
「魔剣を探しに来たんだ」
「魔剣……ですか……」
サフィリアは思案するように、斜め上に目線を泳がせた。
「申し訳ありません、思い当たる物はありませんね」
「そうか」
俺は小さく肩を落とす。魔族なら何か知っているかもと内心胸踊る気持ちだったのだ。
「なにか、伝承のようなものなども知っていたら教えていただきたいです」
マリアが食い下がる。すると、サフィリアは再び目を泳がせ、思案する。
サフィリアが思案していると、勢い良く食堂のドアが開いた。料理を乗せたワゴンが入ってくるのと同時に、背の高いいかにも大人の女性といった風貌の魔族が入ってきた。その魔族は咥えタバコをしながら、フランとサフィリアの間にドカッと座った。
「お前たちが森から出てきた人間たちかい? 私の名はサキ・リリス。この村のまとめ役をやってる。よろしくね」
サキ・リリスと名乗った魔族は、豪快な口調で言った。




