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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
赤き銃と魔剣
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森羅万象

俺は、グレールの爪を確実に叩き折れると思っていたのだが、勘がいいのか、当たった瞬間に威力を受け流されたようで、グレールの爪にはヒビが入っているだけだった。受け流されたヒメが地面に大きな溝を作っている。

グレールはすぐさま距離を取り、追撃から逃れる。

「な、なんだそれは! 俺の爪をやすやすと折りかねないその威力。普通の剣ではありえない!」

ひどく狼狽しているグレールに、俺は得意げに答える。

「こいつはヒメ。地の魔剣だよ。めちゃくちゃ重いから、威力も桁違い。その代わり、持つのに一苦労な面があるけどな」

グレールはゆっくりと後ずさりしながら叫んだ。

「おまえら! 時間を稼げ!」

しかし、その声に答える者はいなかった。

「あら、誰に言っていますの?」

グレールは俺に気を取られて気づいていなかったようだが、周りの魔族はキリエの自由自在に動き回る12発の弾丸に翻弄され、死んでいる者か、生き残ってはいるものの、身動きが取れない者しかいなかった。

「リモートバレットですわ」

「ありえない! なんなんだお前らは!」

「俺はただの剣士だ」

「踊る銃士と呼ばれていますわね」

「ただの大神官長ですよ」

「くそっ」

グレールが背を向け走り出すと、何かにぶつかったように尻餅をついた。

「なんだこいつは!」

「結界を張らせてもらいました。逃げ場はありませんよ」

マリアが結界を張り、逃げ出すことができないようにしていたようだった。

「ケントさん。残りは生きたまま捕らえてくれますか? 彼らがどこから来たのかを聞き出したいのです」

「待ってくださいまし。こいつら、素早いですわよ? 生け捕りは難しいのではなくて?」

「大丈夫だよ」

俺はミコトを【雷鎖らいさ】で繋いでからヒメの刀身に巻きつけた。そして、ヒメをそのまま地面に突き刺した。突き刺したヒメは、まるで水に沈んでいくように、刀身が全て地面に埋まってしまった。

「世界剣ユグドラシル」

俺は一言呟き、ヒメを一気に引き抜いた。引き抜かれたヒメの刀身は、白く輝く美しい姿になっていた。

『きたきたきたー!! ついに私の真の姿をお披露目する時が来たみたいだね!』

「それが真の姿なのですか」

『そゆこと! まあ見てなさい!』

「ヒメ、やるぞ」

『おっけー!』

俺は再び、ヒメを地面に突き刺す。今度は埋まっていかず、刀身の半分くらいまで刺して直立させた。

森羅万象(しんらばんしょう)

俺が呟くと、周りを一陣の風が吹いた気がした。そして、次の瞬間、魔族たちの足元から植物の弦が生えてきて、魔族たちを絡め取り、身動きができないようにした。

「な、なんですのこれは……」

「自然を操る力……ですか?」

『そうだよ! 僕の真の姿、世界剣ユグドラシルは世界の大地そのものみたいなものなんだ。だから、この大地に住まう植物たちに協力してもらう事ができるってわけ』

「凄まじいですわね」

「その代わり、精霊力の消費も相当なものだけどな」


俺達が悠長に話していると、グレールの咆哮が聞こえてくる。

「貴様ぁ! よくもこんな……こんな……!! 俺は負けないぃ! 負けないぞおおおぉぉぉ!!!」

グレールの体毛がみるみるうちに赤色に変わっていき、ヒビ割れた爪は再生した。そして、弦を力ずくで引き千切った。

「殺してやるよ!!」

グレールがすごい勢いで飛び掛って来る。それを、植物の弦で絡め取り、止める。しかし、グレールは弦をものともせず突進してくる。

「あいつは化物ですの!?」

「じゃあ、これならどうだ」

グレールの腕と足に次々と弦が絡みつく。その早さはグレールが弦を引き千切る早さを凌駕した。さらに、絡みついた弦に次々と弦がからまっていき、それは一つの大樹のようになった。グレールは腕や足を動かそうともがくが、さすがに大樹となった弦を引き千切ることはできなかったようで、諦めたように項垂れ、それと共に体毛ももとの色に戻っていった

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