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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
赤き銃と魔剣
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霧の中の戦い

そこには、二足歩行の狼を先頭に、ざっと30近くの魔族がいた。

「おまえら! 今日はついてるぜ。こんなに早くも獲物に出くわせるなんてな!」

「さすがはグレールだ! 魔族一、鼻が効く男だぜ!」

先頭の狼が後ろの奴らに向かって叫ぶ。その声に呼応して、後ろの奴らが雄叫びを上げる。

「どうしてこんなところに魔族が……」

「どうして、だと? この森の近くには俺達の町があるからに決まってるだろうがよ!」

先頭の狼がヒャハハハと下品な笑いを飛ばす。


「俺の名はグレール。人間を滅ぼすものだ!」

名乗りをあげるや否や、グレールと名乗った人形狼は、マリアに向かって爪を構えて襲い掛かってきた。俺は十字鞘で受け止めようとしたが、奴の動きは素早く、突発的だったため、一緒に後方に弾き飛ばされ、後方の木に叩きつけられる。ミコトの【雷鎖らいさ】で繋がっていたキリエもつられてに飛んできて、遅れて木に叩きつけられた。

「……なんですの? 今の馬鹿力は……」

少し咳こみながら、キリエが言う。

「マリア、大丈夫か?」

「大丈夫です。ありがとうございます」

マリアもキリエも無事のようで一安心した。

「けっ、人族ってのは弱いな。この程度で吹き飛ぶのかよ」

「なんですの! いきなり攻撃してくるなんて、非常識ではなくて!?」

キリエが気丈に叫ぶ。それに、グレールは笑いながら答える。

「魔族が人族を殺すのに理由なんていらねえよ。おまえらを根絶やしにして、魔族の時代を作る。ただそれだけだ!」

また、グレールが爪を突き出しながら飛んでくる。俺はホープを取り出し、爪を斬りつけて威力を相殺しようとした。

だが、微妙に押された。

『なんて力してやがる!』

「くそ!」

俺は空いている手で腰から木刀を抜き、グレールに振るった。それを躱すようにグレールの姿が切りの中に消える。

「どこにいった?」

辺りを見回すも、霧のせいでグレールの姿は影も形も見えない。

「こっちだぜ!」

俺の横方向から声が聞こえたと思った瞬間には、目と鼻の先にグレールの爪があった。俺は咄嗟にホープで受け流したが、木刀を持っていた方の腕に爪が突き刺さり、軽く肉をえぐった。俺は痛みで持っていた木刀を落としてしまう。

「ケントさん!!」

マリアが心配そうな声を出す。

回復(ヒール)!」

マリアの神聖魔法が、俺の傷を癒やす。抉れた肉はみるみるうちに再生し、血も止まった。

「ありがとう。マリア」

「この霧の中で戦うのは相当不利ですわよ。相手は私たちの位置がわかっているようですし」

「霧を晴らすのなら、考えがある」

俺はホープを強く握った。


「作戦会議は終わったかよ。なにしても無駄だけどな! この霧がある限り、お前たちは俺達の居場所がわからない。だが、この俺は匂いでお前たちの居場所が手に取るようにわかるのさ」

ヒャハハハとグレールが高笑いする。だが、笑っていられるのも今のうちだ。

「【炎舞(えんぶ)業火(ごうか)】!」

俺がホープを振るうと、辺りに炎が放射された。その炎で、霧が晴れ、魔族の姿がはっきりと見えるようになった。

「なに?」

「これで形勢逆転だな」

俺はにっと笑って見せてやった。

「これで形勢逆転? 何言ってやがる。むしろこれで俺達の勝利は確定的なものへと変わったんだよ」

グレールの後ろには、30体近い数の魔族がいた。皆、グレールと同じような姿をしている。

「おめえら! やっちまえ!」


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