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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
赤き銃と魔剣
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人助け

「なんとか……なりましたわね……」

俺達は同時にへたり込む。精神的にも、体力的にも、精霊力的にも、とても疲れる戦いだった。

「まさか、本当に浄化できるとは思っていませんでした……」

珍しく、マリアが心底ほっとしている。キリエも精神的疲労が顕著に表れていた。俺はと言うと、大の字に寝転がっている。

「ケントさん、こんなとこで寝転がったら汚いですよ」

「今、そんなこと気にする?」

「そうですね。私も寝転がっちゃいましょうか」

マリアも地べたに背中を付けて寝転がった。


「あなたの木刀、もとに戻ってますわね」

ふと俺の隣を見ると、十字鞘と木刀が転がっていた。十字鞘については、寝転がる時に隣に置いたのは覚えているが、木刀もいつの間にか隣に置いてあった。

「その木刀の秘密、教えていただけませんこと?」

「みんな、いいか?」

俺は虚空に問いかける。すると返事が帰ってくる。

『いいんしゃないか? あれだけの魔力を操れる者なら、俺達に触っても問題ないだろうよ』

ホープの答えを聞いてから、俺は十字鞘からミコトを取り出してキリエの方に放った。

「なんですの? これは」

「手にとって見てくれ」

俺が言うと、キリエはおずおずといった様子でミコトに触れた。

『こんにちは。キリエ』

「な、なんですの!? 急に頭の中に声が!」

ミコトの声に驚いて、キリエが周りを見渡す。だが、周りにいるのは俺とマリアだけだ。俺ともマリアとも違う声が聞こえてきたのに、人の姿がないことに戸惑っているのだろう。声の主は自分の手の中にいるんだけどな。

『僕たちのことを知りたいんでしょ? 教えてあげるよ』

「あ、あなたは一体どこにいますの!? 誰なんですの!?」

『僕の名前はミコト。君の握っている剣だよ』

「え?」

キリエは一瞬自体が飲み込めないといった様子で、間をおいてから、大きな声で叫んだ。その声は洞窟の外まで響いたのではなかろうかというほどに反響していた。


俺達はその後、魔導石を20個ほど採掘してから洞窟を出た。俺が採掘している間も、ミコトたちとキリエの話は続いており、時折色々な声色の声が聞こえてきた。

『これが普通の反応だ。お前たちは飲み込みが早すぎる』

「って言われても……」

「ですね」

俺とマリアはお互いを見て肩をすくめた。



キリエに魔導石を渡し、今日の仕事は終了だと言われた。時間はまだ日が沈む前くらいだ。夕飯までは少し時間があった。

そこで、この村にも信仰を広めたいとかで、村の広場に行って小さな仕事を探すとかマリアが言い出したので、俺も付き合うことにした。

早速困っている人を発見した。

「こんにちは。なにかお手伝いできることはありますか?」

マリアが声をかけたのは、(ひざまず)いている老婆だった。

「おや、キリエお嬢ちゃんのお客さんかい。なにか棒きれみたいなのをもっていないかい? どうも腰が悪くてね。普段から杖を使ってるんだけど、さっき転んだ拍子にポッキリ折れてしまってね」

老婆の手を見てみると、真ん中から見事に折れた杖があった。杖は木製で、持ちやすいように持ちてがT字になっていた。

「ちょっと貸してくれる?」

俺は折れた杖を受け取った。

「直せるかな?」

『大丈夫大丈夫! 木って生命力強いから、精霊力で成長させてくっつけちゃえばいいんだよ!』

ヒメのお墨付きももらったので、俺は精霊力を使い、木を成長させてみる。

俺の手元で木が成長し、互いに根を絡ませ、一本の枝になった。精霊魔法【グラウス】。植物の成長を助長する魔法だが、精霊力の量によっては急激に成長させることも可能だ。

俺は伸びすぎた木をブラックで削って杖の形に整えた。文句を言うブラックの声が聞こえた気がするが、無視することにした。

「こんな感じでどう?」

「おお……」

老婆は、杖を受け取ると杖を支えにしながらのっそりと立ち上がった。

「すごいね坊や。助かったよ」

老婆はぺこりと頭を垂れる。腰は曲がっているから、本当に頭だけだ。

「私も負けてはいられませんね」

マリアが何やら詠唱を始める。

「我らが神よ、我らの痛みを和らげ給え、我らに活力を与え給え……【祝福ブレッシング】」

「おや……?」

マリアの詠唱が終わると、老婆に変化があった。

「おおおおおお……?」

なんと、さっきまで曲がっていた腰がピンと真っ直ぐになって、背筋が伸び切っていた。

「なんじゃこれは! 曲がってた腰が痛くも痒くもない!」

「一時的にですが、腰の痛みはなくなっていると思います。腰が曲がってしまったのは、職業病なのもあるとは思いますが、筋力が衰えているからだと思います。今からでも正しい姿勢を心がければ、少しはマシになると思いますよ」

「こんなばばあでもましになるかねえ……」

「もちろんです。神様は皆に平等です。努力にはそれ相応の結果を与えてくださいます」

「少し元気になった気がするよ。ありがとね、かわいい坊やにお嬢ちゃん」

そう言うと、老婆は去っていった。

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