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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
赤き銃と魔剣
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一泊の条件

あれよあれよといううちに、場所と観客、そして立会人も来て、決闘の準備が整った。相手はというと、もちろん俺だった。

「我がブラッドローズ家の家訓に、"殿方を家に招く際は、その強さを身を持って知るべし"とありますの。ケント、あなたの力、見せてもらいますわ!」

決闘場で対峙していたキリエが言う。そういうことなら先に言ってほしかった・・・。まあ、先に言ったところで俺はこの村に来ていたとは思うけど。

『おいおい、対人戦で思い切り精霊力を使うと殺しちまいかねないぞ』

「手加減はするよ。ホープの使用も無しだ。今回は、ブラックとエアロで行く」

俺は腰に提げていたブラックを引き抜き、逆手に持つ。

『ついに俺の出番か! 一発ぶちかましてやろうぜ!』


対するキリエは拳銃を二丁手に持っていた。その拳銃はリボルバーと呼ばれる回転弾倉式の物だったが、グリップの上に大きな玉がついている、変わったものだった。

「あなたの武器はその小さなナイフですの? 先程使っていた剣はどうしましたの?」

「あれを使うとお前を殺してしまいかねないからな」

「あら、随分と舐められたものですわね。それと、私の名前はキリエ・ブラッドローズですわ。お前なんて適当な呼び方は許しませんわよ!」

そういえばさっきもそんなことを言っていたな。女は怒らすと怖いから、次からはキリエと呼ぶことにしよう。


「二人共、用意は良いですか?」

俺たちは同時に頷く。

「では、開始!」

合図と共に、俺は横に駆けた。キリエも俺と同じように駆けていた。どうやら読まれていたようだ。そのままキリエは銃弾を発射してきた。俺は咄嗟に飛び上がり、その銃弾を避けることに成功した。

「甘いですわよ!」

そう思ったのもつかの間、避けたはずの銃弾がUターンして俺へ再び向かってきた。銃弾の速度は早くはないが、追尾されるのは厄介だ。俺は地に足をつけ、ブラックで銃弾を弾いた。いや、正しくは弾くことしかできなかった。俺は銃弾を真っ二つに斬るつもりだったのだが、刃が立たなかったらしく、弾くことしかできなかった。

「普通の銃弾じゃないみたいだな」

「なかなか勘がいいですわね。私の使う銃弾は魔力弾ですわ。魔法と銃撃を合わせた最強の攻撃ですのよ!」

ご丁寧にキリエは説明してくる。最強の攻撃だって?笑わせるね。

俺は再び戻ってきた銃弾を地面に叩き落としてやった。地面に当たった銃弾はもう追尾してくることはなかった。しかし、銃弾が動かなくなった瞬間、キリエは俺の死角から銃撃を行ってきた。しかも、手に持っているのは銃口が2つ付いたショットガンとなっていた。グリップの上には相変わらず丸い宝石のようなものがついていた。俺に向かって、十数発の散弾が降り注ぐ。

「まさかこんなに早く使うことになるなんてな」

しかし、その銃弾はすべて、俺の体に突き刺さることはなく、あらぬ方向へそれていった。

「そんなばかな・・・!」

俺の体の表面には、空気の膜が薄く張られていた。

「さっき、魔力弾について教えてくれたよな。お礼に教えてあげるよ。風ってどうやって起こるか知ってるか? 風は空気が動くことで発生するんだ。そして、俺の体の表面には薄い空気の膜が張られている。その空気の膜は銃弾を優しくそらす」

「なるほど。それがあなた方の力ということですわね」

「まだまだこんなもんじゃないさ。行くぞ、ブラック!」

『ぶちかましてやれ!』

黒魔法は、実に地味な効果の魔法である。黒魔法の効果は他の魔法の効果を強化すること。しかも、攻撃的に、爆発的に。

黒風魔(こくふうま)黒風(くろかぜ)!」

俺がブラックを構え、呪文を唱えると、まっすぐキリエに向かって、空気の弾が飛んでいった。もし、人に当たったなら、その人は突風によって1kmほどふき飛ばされただろう。しかし、キリエは精霊魔法の強大さを感じ取ったのか、右に飛び、俺の攻撃を回避していた。キリエが先程まで立っていた場所は地面が少し抉れ、俺の正面にある仮設置された壁はものの見事に吹き飛んでいた。観客に少し被害が出ていた。

「あ・・・ごめん、ちょっとやりすぎたかも」

「恐ろしい魔法ですわね・・・。でも、これで終わりですわよ」

いつの間にか、キリエは寝転がった姿勢でライフルと思わしき銃を構えていた。

「エアロ!」

鋭い銃声が響き、銃弾が超高速で俺に向かって飛んでくる。俺は咄嗟にエアロの風でさっきのショットガンの散弾をかき集め、向かってくる銃弾に向かって全弾ぶつけた。そのせいか、キリエの放った銃弾は威力を失い、簡単に風でそらされた。

俺はすかさずその銃弾を風で持ち上げ、キリエに狙いを定めた。

「俺の勝ちだな」

「そう・・・ですわね・・・」

キリエは負けを認めたように銃の引き金から手を離した。

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