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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
王女とケント
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王の剣

吹っ飛ばされている間、まるで周りがスローモーションのようになっていた。これが世に聞く走馬灯というやつなのだろうか。そんなことを思っていると、声が聞こえてきた。その声は厳かであり、自信に満ち溢れた堂々とした声色だった。

「魔剣の使い手よ、力が欲しいか」

俺はその声に一瞬戸惑いながらも、すぐさま答えた。

「欲しい」

「どのような力を望む」

「道を切り開く力、死なせたくない奴らを死なせない為の力!」

「良いだろう。我が貴様の力となろう。我が名を呼ぶがよい。我が名は―――」


俺は吹っ飛ばされながら目を見開くと、体を縦回転させ、体制を整えて着地した。そして、腰に刺してあった木刀を引き抜き、その名を呼んだ。

「エクス=カリバー!!」

引き抜いた木刀は、木刀ではなかった。それは少し反った刃を持ち、丸い鍔があり、持ち手は握りやすい模様が掘られた刀となっていた。いままで木刀が刺さっていたところにはその刀の鞘があった。

『やーっと出てきたか糞爺』

ホープがいかにも不機嫌そうに言う。

『はじまりの、今は雑談している場合では無かろう?』

『確かにな』

『やり方はわかるな?』

俺は頷くと、鞘に一度刀を収める。そして精霊力を刀に込めた。

聖刀(せいとう)・第一刀・・・」

それを一気に引き抜き、振りぬいた。

全一閃(ぜんいっせん)

刀を振りぬくと、森にいた魔物すべてが胴体を切断され、下半身と上半身が離れ、絶命した。木々は一切傷ついていなかった。

刀を鞘に納めると、刀は木刀へと戻っていた。


俺はジンの元に駆け寄った。

「ジン、大丈夫か?」

「はい。服が血まみれですが、傷一つありませんよ。ありがとうございました」

俺はほっと胸をなでおろした。

「しかし、これでは街に行くのは無理かもしれませんね。ここはどうにかなりましたが、アン様が心配です」

「ローチも戻ってこないしな」

そんな話をしていると、エアロが話しかけてきた。

『マリアの声なら僕が拾ってあげるよ』

「そんなことができるのか?」

『もちろん。風はどこにでも吹くからね。それに、あの子の傍にはホワイトがいるからね。尚更簡単だよ』

エアロがそう言ってしばらくすると、マリアと知らない女の声が聞こえてきた。



「私はなにもやっていません」

「嘘をおっしゃい! 近隣の森から帰ってきた私の親衛隊が大勢の魔物を見たと言ったのよ! 先日の悪魔騒ぎといい、あなたが企てたに決まっているわ!」

「マリンよ、まだ決まったわけではないのだぞ。疑わしいことは認めるが」

次いで、男の声も聞こえてきた。国王だろうか、マリアを庇っているようだった。

「お父様までアンの肩を持つんですか! 私は国の為にこんなにがんばっているのに!」

「マリンが尽力してくれているのは私もよくわかっておる。しかし、無実かもしれぬものを縛り上げるのは感心せんぞ」

「だめだわ、だめよ! アンはこの国を陥れる重罪人なのよ! ここで罰しなくチャ・・・コロサナクチャ・・・」

マリンと呼ばれた女の声が歪んでいく。まるで何かに変貌していくかのようだった。

「マリン・・・!? その姿は・・・!?」

「マリンお姉様、あなたが悪魔に支配されていたのですね」

「悪魔?支配?ちがうワ! 私はセイジョウよ! オカシイのはあなたの方! ふらっとどこかに行ったと思ったら、今度はふらっと戻ってきてワタクシのテガラをヨコドリシヨウトする! あなたなんてシンジャえばいいのよ!!」


次の瞬間、マリアの苦しそうな声が聞こえてきた。

「アン様!」

ジンが心底心配そうに叫んだ。俺だってどうにかしたい。だが、今から行ったところで時間がかかりすぎる。

『ケントよ。貴様に、命を懸ける気概はあるか?』

エクスが声をかけてくる。

「マリアを助けられるのか?」

『ギリギリだが、可能だ』

『おい爺さん! ケントはもう限界だ!』

『だから命を懸けろと言ったのだ。ケントよ、どうだ?』

可能性が少しでもあるなら、俺の答えは決まっていた。

「頼む! 力を貸してくれ、エクス!」

『良き返答だ』

再び木刀は刀と鞘へと姿を変えた。俺は持ち手を握り、精霊力を注ぐ。

『マリアを思い浮かべよ。そして、悪しきを振り払うイメージを固めるのだ』

言われた通り、マリアを掴む悪いものを斬るイメージをし、刀を振りぬいた!


「ギャアアアアアアアアア!!」

その刹那、マリンの悪魔のような叫び声が聞こえた。

『ケントね! あいつなかなかやるじゃない!』

「ケントさん? 一体どこから・・・」

どうやら腕を切断でもしたようだった。俺はすぐさまエアロに声をかける。

「俺をマリアの元に運んでくれ!」

『わかった! ホープ! お前も手伝え!』

『了解だ!』

俺の体の下からすごい勢いで熱風が吹き出し、俺の体を押し上げ、吹き飛ばした。

「ケント様! アン様を頼みましたよ!」

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