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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
王女とケント
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脱獄

夜も深まり、辺りがシンと静まり返ったころ、俺は行動を開始した。

手に力を入れると手枷がパキンと音を立てて外れた。意外と脆かったようだ。

『脱獄するのはいいが、殺すなよ?』

「わかってるよ」

マリアから去る前に注意されていたのだ。人を殺してしまうと罪が重くなってしまうという理由だった。確かにその通りだし、俺なら全員気絶させて回るのも可能だった。


俺は鞘とポーチ、木刀とミコトを身に着けた。

「頼むぞホープ」

『任せろ』

ホープを引き抜き、鉄格子の上下の端を焼き切り、出られるようにする。鉄格子が倒れ、大きな音が鳴った。

「なんだ!今の音は!」

見張りの兵が走ってきたところを、俺は木刀で殴り倒した。

「急ぐか」


マリアに聞いたところ、捉えられていた牢屋は地下にあるらしい。つまり、階段を上って一階まで出なくてはいけないということなのだが、なんともめんどうなことに、この地下牢には城の最上階からしか来られない構造になっているらしく長い螺旋階段を通らないといけなかった。そこは狭くて、とてもじゃないが木刀を振り回せないだろう。

といっても、ごちゃごちゃ考えるのは俺の性分じゃないからな。とにかく上ることにした。

牢屋の外は直線の廊下になっており、左側に階段の入り口が見えた。廊下の両隣には、向かい合うようにして牢屋があった。牢屋の中には人が入っていたり入っていなかったりしていた。夜遅くということもあり、大体の囚人が寝ぼけているようだった。

それを利用して、さっさと階段まで走った。


階段内部は狭く、木刀を振り回すのは無理なように思えた。

そんなとき、ふと声が聞こえた。

『木刀を投げな』

俺はなんとなくその声に聞き覚えがあるような気がして、その通りに螺旋階段に沿うような形に木刀を投げた。すると、木刀は壁にぶつからず、螺旋階段を上っていった。

それに続くように長い階段を上っていくと、階段の終わりに二人の衛兵と思われる人が倒れていた。その脇には木刀が転がっている。どうやら木刀が二人に命中したようだった。

「まじ?」

『ケント、急いでね』

俺は不思議に思いながらも、木刀を拾って先を急いだ。屋上は開けていて、塀も高くはなく、容易に飛び越えられそうだった。まあ、飛び越えた先は空中散歩でもできなければ地面とぶつかってお陀仏って感じなんだが。

隅の方に下階に続く道を見つけた俺は、急いでそれを下りて行った。


階段を下りると、そこは見覚えのある絨毯の敷かれた廊下だった。

どうやらここが2階らしい。しかし、前に来たときも道が覚えらないくらいには複雑だったのに、そんなところを抜けられるのだろうか。

そんなことを考えていると、木刀が腰からひとりでに抜け出し、宙に浮いた。そして、声が聞こえてきた。

『僕が案内するよ。付いてきて』

その声とともに、木刀が廊下を進みだした。俺はその声に従い、木刀を見失わないように駆け出した。

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