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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
王女とケント
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教会と解呪

俺はホープの言う通り、教会を訪れていた。

教会は長椅子がずらりと並んでおり、その真ん中に通れるようにスペースがあった。建物の高い所に窓が無数にあり、おだやかな陽の光が差し込んでいる。扉を開けた正面の奥には、大きな十字架があり、その下に教壇のようなものがあって、教壇の左右の奥の方には扉があった。

そこは陽の光のせいもあって、神々しい雰囲気に包まれていた。信者と思われる人たちがちらほらと長椅子に座って本を読んだり、祈りを捧げていたり、静かに談笑したりと様々な過ごし方をしていた。

俺は教壇のあたりに立っている神官と思しき恰好の女性に話しかけようとした。が、俺の腕を見た神官は血相を変えて「少し待っていてください」と言い、右奥の扉の方に引っ込んでいった。


少し待っていると、水差しを持った神官が走ってきて、俺の左腕に水を優しくかけた。

「聖水です。もう大丈夫ですよ」

「ありがとう。一目見ただけでわかるもんなんだな」

「私は神官長代理をやっていましたからね。これくらいはできないと務まりませんよ」

しかし、水をかけた左腕は一向に良くならない。

「これは・・・強力な呪いか、もしくは呪いを受けてから時間がたちすぎてしまったようですね」

神官が暗い面持ちで言う。

「でも大丈夫ですよ。今大神官長様がおいでになっています。大神官長様ならばこの呪いも解いてくださるでしょう」

神官は「今呼んできます」と言って、また右奥の部屋に消えていった。

「大神官長・・・どこかで聞いたような?」

俺が呟くと、ミコトとヒメとホープ、三人が深いため息をついた。

『マリアのことだろう?』

「そういえばそんなこと言ってたっけ」

『お前は・・・マリアの話くらいは真剣に聞いてやれ!』


しばらく待っていると、右奥の扉からマリアが出てきた。俺の方を見たマリアは、血相を変えて俺の方に駆けよってきた。

「ケントさん・・・!!」

「今朝ぶりだね」

「何があったかは後で聞きます。早くこちらへ」

挨拶も早々に、マリアが俺の手を引き、右奥の扉へ引っ張っていった。

右奥の部屋の中は、細い通路がまっすぐあって、その両脇に扉がいくつかあった。通路の先にも扉があり、俺はマリアに引っ張られてその部屋に入った。

その部屋には丸い台に刺さった棒があるだけであった。天井には穴が空いており、陽の光が棒に向かって降り注いでいた。

その部屋に入るや否や、マリアは詠唱を始めた。

「我らが神よ、全ての生きとし生ける者の罪を許したまえ、救い給え・・・解呪(リ・カース)

俺の左腕に光が降り注ぎ、みるみるうちに俺の腕が元の肌の色に戻っていった。


俺は腕をぶんぶん振ってみる。違和感は特になくなっていた。

「ありがとうマリア」

「どういたしまして。一体何があったんですか?」

「バジリスクを討伐してきたんだけど、体液がかかっちゃって」

そういうと、マリアは溜息を吐いた。それは呆れというよりは安心から来るもののように思えた。

「ホープさんたちがいて、そんなことになったんですか?」

マリアが少し俺の背中の鞘を睨む。ちょっと怒っているようだった。

『面目ない』

『僕たちはそこまで干渉しないようにしてるからね。あんまり肩入れしすぎると他の精霊からも何か言われるかもだし』

『私はちゃんと言ったんだけどね? ミコトがだめだって言うんだよ!』

『ヒメの案は地形を変えかねないからだめ』

「過ぎたことはいいです。それに、結果的に死にはしなかったですからね。ですけど」

マリアが俺に詰め寄ってきて言う。

「これからはもっと気を付けてくださいね」

「ああ、ごめん」


『ところでケント、気付かないのか?』

「なにが?」

『そこにある剣にだよ』

ホープに言われて、そこにある棒を凝視してみる。確かに、よく似ると握りがある。その下にある半球体の飾りは鍔のようにも見える。

「これ、触ってみても良い?」

「いいですよ」

俺が棒の握りに触れると、俺の中に何かが流れ込んできた。それは俺の魂を震わし、大きく鼓動させた。そして頭の中に声が聞こえてくる。

『何あんた。あんたが使い手? そんなのまっぴらごめんなんですけど!』

それは、きいきいとうるさい、女の声だった。

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