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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
王女とケント
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王城

日が橙に輝き出した、夕刻。俺は約束通り、街の中央に位置している、王城へとやってきていた。

城は厳重な作りをしており、城壁の周りには堀が掘られ、入り口は跳ね橋一つになっているようだった。跳ね橋の前から見ると、城の大きさがまじまじとわかった。ガンツ村の領主の館が5つは入りそうなほどに大きかった。こりゃあ掃除も大変だ。そういえば冒険者ギルドの掲示板には、王城の掃除の依頼もあったな。

『でっかーい!』

ヒメが元気よく言う。ヒメもこんなに大きな建築物を見るのは初めてなんだろうか。

「でかいなー」

『ケントはまだしも、ヒメはもっと大きなものを見たことあるでしょ』

『まあねー! でも、おっきいものを見ると興奮しちゃうのは精霊の性なんだよ!』

『んなわけあるか』

珍しく俺だけになったからか、精霊達が騒がしく聞こえる。いつもここまで騒がしかったら少し疲れるが、たまになら楽しいものだ。


俺は見物もほどほどに、跳ね橋の前に立っていた衛兵に、マリアの招待できたことを伝えた。すると、前もって聞いていたのだろう、衛兵はすぐに通してくれた。

跳ね橋を通り、城門を抜けると、開けた場所に出た。そこには道を除いて草が生い茂り、花壇が設置され、そこには花が植えられていた。色とりどりの花に一瞬目を奪われる程だった。

「すごいな」

『綺麗だね』

『きっとこの花たちの世話をしてる人も私みたいに綺麗なんだろうなあ!』

ヒメがなにか寝言のようなことを言っている。俺は声から姿を想像することしかできないが、どう想像しても子供にしか見えない。

そんなふうに花壇を眺めていると、透き通るような声が聞こえてきた。

「この花壇は気に入ってくれたかしら?」

透き通るような声の方を見ると、金髪朱目の綺麗な女性がいた。

「花壇も綺麗だけど、お姉さんも綺麗だね」

「あらあら、お上手ね。でも、そういうことは軽々しく言うものじゃないのよ?」

「そういうもの?」

「ええ、そういうものよ」

俺が頷くと、女性は「それに、あんまり褒めすぎるとあの娘の機嫌が悪くなるわよ」と言った。あの子って誰だ?

『『朴念仁』』

ミコトとホープが声を揃えて言った。

「朴念仁?」

そんな風に花壇を眺めていると、遠くから声が聞こえた。

「すみませーん! アン様のお客様というのはあなたですかー!」

高めの男性の声だった。声のした方を見ると、今朝会ったキーマンと同じ服装のほっそりとした男が走ってきていた。

男は息を切らしながら俺の前で止まった。

「あ……あなたがケント様ですか?」

「そうだけど、大丈夫?」

「だ、大丈夫です……」

男は息を必死に整えていた。そこに、先程から隣に居た金髪朱目の女性がふふふと小さく笑いながら彼に声をかけた。

「ローチ、あなたはいつも全力ですね」

その女性を見たローチと呼ばれた男は、慌てて敬礼した。

「こ、これはマーガレット様! 私はこのお客人をお迎えにあがったしだいであります!」

「ご苦労様。さあ、お客様をお連れして」

「はい! ただいま! ケント様、どうぞこちらへ!」

「ケントさん、またお会いしましょう」

マーガレットと呼ばれた女性は、手をひらひらと振って俺を見送った。



「歩きながらで申し訳ないのですが、自己紹介をさせていただきます。私はダニエル・ローチというものです。僭越ながら、マリー様の親衛隊を勤めさせてもらっています」

「俺はケント。よろしく。ところで、さっきのお姉さんはなんて言う名前なの?」

「あの方はマーガレット=サリー=ウィンチェスター第一王女様です。アン様の一番上の姉君にあたります」

マリアに姉妹がいたんだな。


そんな話をしながら廊下を歩き、階段を登りなどしていると、ローチが一つの扉の前で足を止めた。どうやら目的の部屋に着いたらしい。

道中はぐねぐねと曲がりくねりながら歩いてきたため、とても帰り道はわからなかった。侵入者対策としてそういう作りになっているのかもしれない。

「こちらのお部屋です。カエリア様はもう到着していますよ」

俺が来たタイミングでカエリアを案内していたのかもしれない。それで遅れたのだとしたら本当に仕事熱心なんだな。

俺は扉を開けて部屋に入った。

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