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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
天と地と出会い
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ギルドマスター

「はい、これでケントさんはDランク冒険者になりました」

セレンがにこやかにカードを返してくる。

洞窟で魔導石を手に入れた俺たちは、リーエンが口をきいてくれたおかげもあり、無事にDランクになることができた。Dランクからは魔物の討伐も依頼に入ってくる。Eランクの冒険者は、子守やら掃除やら、ビラ配りやら売り子やら。危険の少ない依頼しか請け負うことができない。

「こんなに急にランクを上げても大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ。本来はDランクに上がるために動物や魔物を数匹狩ってきてもらう試験をしてもらうんですが、リーエンさんのお墨付きとあればそれも不要ですからね。何より、魔物の素材をあんなに持ってきてくれた人をDランクにあげないのはギルドとしても評判が悪くなりかねませんから」

「ならいいけどさ。ギルドの偉い人に呼び出し食らって説教されるとかがなければね」

「ははは、まさかー」

そんな話をしていると、後ろから声をかけられた。

「君がケントくんかい?」

振り向くと、細身の中性的な顔立ちの人物が立っていた。その隣にはリーエンとマリアがいる。

「そうだけど?」

「ですけど、だろーが。こいつはここのギルドマスターだぞ」

リーエンが少し怒った様子で言う。ギルドマスターっていうとやっぱり一番偉い人とかかな。さっきセレンが言ってたことと違うじゃないか!

「あ、ギルマスー。ケントさんにご用ですか?」

セレンがずいぶんと気楽な感じで声をかける。本当に偉い人なのか?

「ああ。実はケントくんがゴブリンバーサーカーを討伐したらしくてね。それで一度話をしてみたいと思って来たんだよ」

ギルドマスターがそう言うと、周囲の空気が変わった気がした。急に周りがざわつきだし、ひそひそと隠れてなにか話しだした。そしてセレンが机をバンと叩き立ち上がり言った。

「ゴブリンバーサーカー!? それってBランク冒険者を派遣する案件じゃないですか!?」

「うん。そうだね。けど、リーエンに聞くところによると、彼は剣一本で首を落としたらしいよ」

「剣で・・・? にわかには信じられませんよ」

ギルドマスターはセレンに近づき、耳元で何かを囁いた。中性的な顔つきだが、その顔は美形と言って差し支えないであろうギルドマスターの顔が間近に迫れば、大抵の人は動揺するだろう。セレンも同様だった。「は、はいい!」と変な返事をしていた。

「では、上の部屋へ行こうか」

ギルドマスターは俺たちに声をかけて、先導して上の階へ上がっていった。俺たちもそれに付いていった。



通されたのは執務室のような部屋だった。部屋の両脇には本や書類が並び、来客用のテーブルとソファが二つ、それから仕事用と思われる机が一つあった。

「私の名前はアーゲイン・シュトロノーフ。気軽にアーグと呼んでくれて構わないよ。さて、ケント君。まずはお礼を言わせてほしい。ゴブリンバーサーカーを討伐してくれてありがとう。あれを倒すのは容易なことではない。ギルドで依頼書を作成するなら、Bランクの依頼になるだろう」

「そんなに強かったんだ」

「そうですよ。あんな無茶をして。私も死ぬかと思いましたしね」

マリアは少し怒っているようだった。洞窟を出てリーエンの家にいた時もそんなことを言われた。というかあれは説教だった。

「ギルドからも礼金を出そう。それとリーエンからの依頼金を合わせて、君には2万バンを支払わせてもらうよ」

「2万!?」

アーグはテーブルの上に金貨を二枚置いて、俺の方に寄せた。金貨なんて初めて見たぞ・・・。

「受け取っとけ。それだけの仕事をしたってことだ」

リーエンが俺の肩をバシンと叩きながら言う。

「あ、ありがとう・・・」

さすがにこの大金を前にすれば俺といえど動揺してしまう。寧ろ動揺していないマリアとリーエンがおかしいだろ。

「さて、話はここからだ」

アーグが途端に真剣な顔つきになり、神妙な面持ちで話し始めた。

「近頃、大地の森近辺で魔物の発生が相次いでいるのは知っているね?」

「俺たちも複数回は魔物に遭遇したからな」

「魔物が発生する原因は大きく分けて二つある。一つは自然発生だ。動物が魔力を吸収しすぎてしまって、魔物化するのがそれだ。主に食べすぎが要因であることが多いね」

「そうだったのか」

「そしてもう一つ。それは、悪魔の出現だ」

「悪魔? それは神様と争った、魔王の配下と言われるあの悪魔?」

「そうだ。おとぎ話によく出てくるそいつさ。悪魔は、未だに人間を意のままに支配しようと目論んでいる。それは教会に属している君なら知っているよね」

マリアを見ながらアーグは言った。

「はい。悪魔は実在しています。現に、このギルドに来た初日に、悪魔に憑かれた人を見かけました」

「え、そうだったの?」

「一緒に食事をしたカイルさんですよ」

ああ、あの最初は絡んできたのにいつの間にか仲良くなってたやつか。あの店の料理は美味かったな。

「その節はありがとうございました。うちの冒険者が問題を起こしたとなると、私の立場も危うかったですからね。それで、ゴブリンバーサーカーを討伐したケントくんと、悪魔を(はら)うことのできるマリアさんに、協力をお願いしたいんですよ」

「なにを?」

「大地の森に潜む悪魔の討伐作戦にです」

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