冒険者ギルド
「路銀の調達の案としては、まず冒険者ギルドっていう有名ななんでも屋に登録するといいって父さんから聞いたんだけど」
「そうですね。冒険者になれば身分を証明する冒険者ギルドカードというものが貰えますから、身分の証明もできるようになります。ケントさんはいち早く登録したほうがいいでしょうね」
「じゃあ、まずはそこにいくか!」
ということで、宿屋の女将さんにギルドの場所を聞いて、冒険者ギルドまでやってきた。
ギルドは村の役所くらいの大きさだった。大きな施設というほどでは無いが、こぢんまりしているわけでもない。こういう施設としては中くらいの建物に当たるだろう大きさをしていた。
入り口はスイングドアになっており、正面の受付が建物の外からでも見ることができた。
俺達はスイングドアを通り、建物の中に入った。内装は実に簡素なもので、待合のための椅子がいくつも並べられており、そこでは様々な人たちが談笑していた。受付の窓口の種類は4つほどあるようで、依頼受付、依頼報告、素材買い取り、相談窓口と書かれてある。依頼の受付と報告は2つずつ窓口があるようだ。
「とりあえず相談窓口でいいのかな?」
「おそらくは」
俺が相談窓口まで行くと、受付に座っていた人が話しかけてきた。
「あら、坊や。ここに来るのはまだ早いんじゃない?」
「俺はもう成人してるんだぞ」
「あらやだ、失礼しました」
受付の女性は口を抑えて驚いたあと、コホンと咳払いをして話を始めた。
「改めまして、相談窓口担当のセレンです。冒険者ギルドにどういったご用件ですか?」
さっきとは全く違った態度に少し驚いた。これが営業スマイルってやつなのかな。
「冒険者になりたいんだけど」
「冒険者登録ですね。手数料として100バンいただきますがよろしいですか?」
「わかった」
俺は硬貨を取り出し、窓口に置く。
「確認しました。ではこちらの書類に名前と年齢、それから出身地をご記入ください」
受付のセレンは1枚の紙を俺に手渡した。俺は、その紙に窓口にあったペンで名前はキリツグケント、年齢は15、出身地はガンツ村と記入した。
「キリツグケントさん……姓はどこまででしょうか」
「キリツグが姓だよ」
「わかりました」
書類に目を戻してからセレンが続ける。
「ガンツ村出身なんですね。あの村はすごく治安がいいと聞いています。生まれがあの村でよかったですね」
「うん。俺もあの村に生まれて良かったと思ってるよ。良い人ばかりだからね」
「15歳ですか。まだまだ若いのですから、危険なことは控えてくださいね。まあ、冒険者という職業柄、そうもいかないことは多いのですけれど」
一通り確認が終わると、セレンは小さなカードを取り出した。おそらくこれがギルドカードなのだろう。それを紙にかざしたあと、俺に手渡してきた。
「これがギルドへの所属を示すカードとなっています。再発行には500バンいただいていますので、決して無くさないでくださいね。ケントさんのランクは最下位のFとなっておりますので、右手にある掲示板の常設依頼となっております、薬草採取をこなしてもらいたいと思います。数回分こなしていただけますと、Eランクに昇格しますので、そうすれば晴れて一端の冒険者と認められ、掲示板に張り出してあるものも請け負うことができるようになります。何はともあれまずは薬草採取、がんばってくださいね」
「わかった。ありがとう」
俺はセレンにお礼を言って、マリアの方に向き直った。
「そういえばマリアは冒険者なの?」
「いいえ、私は必要なかったですからね。それに手数料がかかるならまずはケントさんだけの方がいいかと思います。」
「たしかにそうだね。じゃあ、薬草採取。行ってみようか」
マリアは「はい」と元気に返事をした。




