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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
魔族と龍の魔剣
110/111

座学と実技と

「魔法には、精霊力を使う精霊魔法と、大気中に霧散している魔力をかき集めて使う、人族の魔法があります」

フランの提案で、俺達はサフィリアに特訓をつけてもらっていた。特訓といっても、まずは知識を付けるところから始めるらしく、俺達はサフィリアのありがたい講義を聞いていた。正直退屈だ。

「本当は区分けなどしないのですが、人族は火、水、地、天、風。それから、黒と白の7つに分けて考えているようですね。これらには相性のようなものがあります。火が水で消えるような感じです。相性の良いものは、組み合わせることでより強力な魔法となります」

サフィリアは、右手に小さな竜巻を、左手には氷の欠片を魔法で作り出した。

「この2つを合わせると、こうなります」

サフィリアが氷の欠片を竜巻の中に放り込むと、竜巻の風に乗り、氷の欠片が舞い踊った。

「このように、2つの区分の魔法を合わせる魔法を、人族は合成魔法と呼んだり、多重魔法と呼んだりしているようです。ちなみに、私達が使う精霊魔法は、理論上イメージさえ固められればなんでもできるので、水と火を合成することもできます。と、魔法の知識としてはこの程度で大丈夫ではないでしょうか」

サフィリアの無機質な声で、意識がうつらうつらとしていたところで、サフィリアの講義は終わったようだ。

「ケント、ちゃんと聞いていたんですの?」

「ん、ああ。聞いてたよ。大丈夫」

「やっぱりケントさんには座学は向かなかったみたいですね。予想はしていましたけど」



次は実技の特訓をするということで、俺達は村の外の開けた草原に来ていた。

「本日はここら一帯には近付かないようにと村民には伝えていますので、思い切り暴れてもらって構いません」

「ホント!?」

フランが目を輝かせてサフィリアに再確認する。

「フランは自重してください。でないと地形が変わってしまいます」

フランは露骨に不満そうに頬を膨らませて「ちぇー」と言う。どうやらフランはこの村の中でも突出した力を持っているようだ。

「まずは私がお相手しましょう」

まずはサフィリアが特訓相手になってくれるようだ。

「じゃあ、俺から行くぜ」

「いいえ、3人で来てください」

俺、マリア、キリエは、一瞬呆気にとられてしまった。

「はあ? ふざけてるんですの?」

「いいえ、ふざけていませんよ。3人束になったとしても、私にはかなわないということです」

「言ってくれますね」

「それじゃあ、3人で行くか」

「いつでもどうぞ」

サフィリアはかかってこいと言わんばかりに両手を広げた。

俺はホープは抜き放ち、正面から突っ込んだ。俺の振り下ろしたホープを、サフィリアは手を触れずに止めた。まるで、そこに板かなにかがあって、俺の攻撃を阻んでいるようだった。

「なんだこれ?」

「隙ありですわ!」

後ろから銃声が聞こえる。キリエの放った弾丸は、綺麗に俺をすんでのところで避けて、サフィリアに襲いかかった。かと思った。俺を避けた弾丸は、あらぬ方向へ曲がっていき、サフィリアには当たらなかった。

「な……!? どういうことですの?」

「座学のときにお話しなかったことがあります。それは、直に見てもらった方が良いと思いましたので、お話しませんでした。キリエさん、今の弾丸は、魔力で操っていますね?」

「ええ、そうですわ」

「魔力や精霊力というのは、同量の魔力や精霊力で無効化することができるのです。今、私の周りには微量な精霊力の膜ができています。そこに入った瞬間、弾丸は操作性を失い、あらぬ方向に飛んでいくといった仕掛けになっています。余談ですが、どちらかの魔力、精霊力が上回っている場合は、上回っている方の魔力だけが残ります」

「つまり、こうすればいいってことか」

俺は【集中(フォーカス)】を使い、剣先まで精霊力を流した。すると、いままで止まっていた俺の剣が振り下ろされた。サフィリアはそのタイミングで飛び退いたので、俺の攻撃は結局当たらなかったんだけど。

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