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10の魔剣と銃の国  作者: ☆ひさよ☆
魔族と龍の魔剣
105/111

聡明な者

「2人とも、少し待ってください」

マリアが大岩を観察しだした。最初はおそるおそる近づいていき、指先を触れる。触れても大丈夫だとわかったのか、ぺたぺたと表面を触り倒す。次は耳を岩に当て、音を聞いてみている。

「なにかわかったか?」

マリアは真剣な表情で頷いて言った。

「大きな岩だということがわかりました」

「そんなことは見ればわかるんですの!!」

キリエが大きな声で叫ぶ。俺も同じことを言おうとした。

「ですが、先程の魔法は炎魔法です。なので、今度は火魔法を当ててみましょう」

「火魔法って、これ?」

俺が掌の上に炎を作り出す。

「そうです。基本の【フレイム】。火を作り出す魔法ですね」

俺は掌に炎を乗せたまま、その炎を大岩に押し付けた。すると、これまでびくともしなかった大岩は音を崩れて崩れ落ちた。

「マジですの……」

「さあ、先へ進みましょう」

驚いている俺とキリエとは対象的に、マリアはどこ吹く風といった様子で俺達を先導した。


しばらく歩くと、また大きな岩が見えてきた。

「またこれですの?」

キリエはうんざりといった様子だった。岩には、『我を見えざる者にせよ』と書いてあった。透明になる魔法か? そんなもの存在するのか知らないけれど。

「つっ―――!!」

岩を調べようと触れたマリアが、反射的に手を離した。

「大丈夫か?」

「はい。軽く火傷をしてしまった程度です」

それは大丈夫なのだろうか。マリアが言うから大丈夫だとは思うが。

「そんなことよりも、この岩です。この岩、かなりの温度を持っています。軽く火傷するくらいには熱いです」

「でも、見え無くしなければならないのでしょう? この岩が熱いのとなにか関係があるんですの?」

マリアはうーんと考え込んでいる。だが、俺は考えるよりも行動する派だ。俺は無造作に炎魔法を放った。

「【フレアバレット】!」

岩に向けた掌から、炎の弾が飛んでいき、岩に命中する。だが、今回は爆発は起きなかった。

「あれ?」

「なんだか、炎が吸収されたように見えましたわね」

「炎ですか……2人とも、火系統の魔法をたくさん撃ってみてくれませんか」

マリアがなにか思いついたようだ。

「了解!」

「わかりましたわ!」


俺達はどんどん魔法を岩に向かって放っていった。

「「【ファイアーボール】!」」

「「【フレイムダムズ】!」」

「「【フレアバレット】!」」

炎がどんどん吸収されていき、心なしか、辺りも熱くなって来ているような気がした。

「これでどうだ! 【炎舞・業火】!」

ホープを使い、岩に炎を噴射すると、岩がみるみるうちに見えなくなっていった。それと同時に辺りの気温が下がった。おそらく、岩自体が消えたのだろう。

「消えた……?」

「これはどういうことですの?」

頭にはてなマークを浮かべる俺達に答えるようにマリアが口を開いた。

「炎です」

「炎?」

「そうです。この岩は炎を模したものだったのだと思います。炎は、高温になると青くなりますが、ある一定の温度になると、透明になるのです。それを再現しろということだったのでしょう」

「なるほどな」

『たまたまだったけどな』

「たまたまでも通れるようになったんだからいいだろ」

「そうですわ。早く先に進みますわよ」

「そうですね」

また大岩を乗り越えた俺達は歩を進めた。

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