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「わ…っ」
思わずノエルが驚きに声を上げる。
それはそうだろう、いきなり抱いていた猫が浮いたのだ。
もちろん浮かされた当の本人が一番驚いてはいるが。
「魔法か…?貴様何者だ。」
先程とはうって変わり、警戒しわたしから少し距離を取ると身構える。
解放されたはいいがこの後どうなるのだろうと思っているとシャインが不意に指をパチンと鳴らす。
その瞬間、わたしの体から光が包み、あまりの眩しさに目を瞑る。
「…っ!待て!」
ノエルが眩しそうに目元を片手で隠しながら、消えゆくわたしに手を伸ばす。
声が遠くで聞こえ、そして光の眩しさがなくなり目を開けると、そこはわたしの部屋だった。
「逃げ、られたの…?」
自分の姿を確認しようと手を見ると、指はスラリと五本あり、目の前の鏡を見ると、元の人間の姿に戻っていた。
シャインはというとまた目の前へと現れ、誇らしげに口を開く。
「どう?僕の魔法。凄いでしょ?」
褒めろと言わんばかりにわたしの周りを飛び回る。
確かに凄い…本で見た限りだが擬態や瞬間移動の魔法は上級魔法だった気がする。
「…凄いと思うわ。
ただ…お兄様には悪いことをしてしまったわ…
騒ぎにならなければいいけども…」
素直にそう口にすると、シャインが驚いた表情をする。
「似ていると思ったらジェシカの兄貴だったのか〜
あーうん、まぁちょっとめんどくさいかも。動物の擬態は上級魔法が使える奴しかいないからね。
妖精と魔法の関係性に関わる書物は何もないように、妖精が力を使ったとは思いもよらないでしょ。
もし仮に今バレて説明したところで信じてはもらえないだろうから、今は黙っていた方がいいよ。」
シャインはそう言うとわたしの手の上に座る。
確かに、他の人間にはシャインの姿は見えない。
ノエルに言ったところで頭の可笑しい奴だと思われても癪だ。
ただ疑問点がある。
「…ねぇ、現にシャインのような妖精がいて、魔法を使えることが分かったのだけど、何故…書物にはそれが記載されていないのかしら。」




