うちでは飼えません
よろしくお願いします
前回のあらすじ
カトレアにタイムカードについての相談
シルの魔力供給はエロい
『では主殿よ、我は少し森の方へ行ってくる』
朝からシルが俺のところに来てそんなことを言ってくるので、とりあえず「了解」と伝えたけど、一体何をするつもりだろうか?
俺もその後は役所へ向かった
「アレウス様、おはようございます」
「あぁアーニャおはよう、お疲れ様」
「はい、アレウス様も休養がとれたようで何よりです」
俺は「ありがとう」も返しながら執務室のデスクに座る
今日も職員の面談を行っているのでアーニャをここにとどめておくのは悪いなら早く今日の仕事を聞いておいた方がいいだろう
「それで今日俺のやることは?」
「はい、昨日のうちに新しい職員に募集したものの履歴書などに目を通したのですが、こちらは事務より肉体労働の向いてる者達の履歴書です」
事務より肉体労働が向いている、つまり自警団もとい未来の領軍の候補というわけか
「あぁわかった、そっちの者達は俺が確認しておこう」
「はい、お願いします。それでは私はやることがありますので」
「失礼しました」といってアーニャは部屋を出ていく
「さて、俺も自分の仕事をしますか」
俺ははそう言って渡された書類に目を通す
見たところ平均年齢は23歳だろう
たまに元冒険者といったタイプの第1線を退いた人たちもいる
そういった人たちには指導役に回ってもらうのがいいだろうか、経験も豊富だし、年齢が上のものが指揮官とかをやっていた方がいいだろう
とりあえず見たところ問題はないだろうし
向こうが領軍として働いてもいいというなら全員雇ってもいいだろう
その時は装備とかその他ポーションなどの備品に関しての問題も出てくるだろうけどそれはおいおい考えていけばいいだろう
そうして俺の仕事は終わり、すべてやり終えるには夕方を迎えていた
「それじゃ俺は帰るとするかな」
役所には残業している者もいたが
これは俺が残業手当てなる制度を作ったらなんか意欲的にみんな働き出して、決して俺だけがすぐに家に帰らうとするヤツな訳では無い
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そして屋敷に帰ると
「あ、お兄ちゃんおかえり~」
「おかえりです!」
「あぁただいま」
アンとレアがシルに乗って俺を出迎えてくれる
.........あれ、シルって黒い毛並みだったっけ?
いや、これよく考えてみるとシルじゃないぞ...
『おぉ主殿よ、帰ったか!』
俺が混乱していると後ろから青みがかっま銀の毛並みを輝かせながらシルがやってくる
うん、やっぱりアンとレアが乗っている狼は知らない狼だ
「アン、レア、その黒い狼なんだけど...」
「この子はシルが連れてきたんだよ!」
「まだいっぱいいるです!」
シルが連れてきた?それにまだいっぱいにいるだと?
『うむ、お前たちこっちに来い!!』
シルがそう叫ぶと裏庭の方からアンとレアが乗っている黒い狼と似たような奴らがぞろぞろとやってくる
これは一体なんだろうか
俺はとりあえず黒い狼たちに鑑定をかけると
シャドーウルフ
どうやら、モンスターのようだけどなんでこんなところに?
「シル、これは一体どういうことだ?」
『あぁ森で少しこの世界になれるために狩りをしていたらな、こやつらを見つけてな、ちょうどいいから下僕にした』
森で見つけてちょっかいかけられたから、ちょっとボコって自分の子分にしたと
ずいぶん簡単に言ってくれますね、はい
『そしたら、「調教」スキルを手に入れたぞ。初めてのスキルだ』
シルが尻尾を振りながら俺に言ってくる
どうやら相当嬉しいみたいだ
「それでこいつらはどうするつもりだ」
『なに、この屋敷で「帰してきなさい」え?』
「早く森に帰してきない」
「えぇ、お兄ちゃんいいじゃーん!」
「飼いたいです!」
俺がすぐに否定するとアンとレアから文句が飛んでくる
「ダメです、早く帰してきなさい。こんなにいっぱいはうちでは飼えません」
俺は捨て犬を拾ってきた自分の子供をしかる母親のような気持ちでそういった
『しかし主殿「ダメだ」むぅ......』
シルも言いたいことがあっただろうが俺との言葉に勢いを失う
そして俺は集まってきたシャドーウルフたちに目を向ける
なんか俺の方をお願いするかのように見つめてくる
うぅむ......なんだこの空気は俺が悪いみたいじゃないか...
まぁ確かにこのまま返しただけじゃ後味が悪いだろな
「シル、こいつらって戦えるのか??」
『うむ、戦闘に関してはなかなかやると思うぞ』
ふむ、なら少しやって欲しいことがあるな
確かこのあたりに盗賊がいて、どうにかして欲しいと領内の村からお願いが来ていた気がする
「シル、こいつらには仕事を与えよう。森に盗賊がいるなら始末させることは出来るか?」
『うむ、我の下僕は主殿の下僕だからな。命令すればやると思うぞ』
「なら悪いがこいつらに命令してくれないか?今回の働きぶりでこいつらの扱いを少し考えてやろう」
『それは本当か!よし、お前達すぐにその盗賊とやらを始末してこい!』
シルがそう言うとシャドーウルフたちは忍者のように散り散りに去っていく
アンとレアが寂しそうにしていたがここは我慢してもらおう
まぁ今回で戦えることが分かったら、領軍のメンバーとしてシャドーウルフたちを入れてみるのも悪くは無いだろうと思えた
そして俺はシルに乗るアンとレアと一緒に屋敷へと向かった
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