初めての魔法
ついに100話目です
よろしくお願いします
「これで終わりっと......」
俺は三枚目の手紙を書き終えて、机に伏せた
「アレウス様、お疲れ様です」
「あぁなんとか朝には終わったよ」
俺は昨日から徹夜して書類の山と戦い、すべてに目を通してサインが必要な所にはサインを書いた
そして周辺貴族から手紙が3枚ほど来ていたのでその返事も書き、今ちょうど最後の1枚を書き終えた
「はぁ...手紙は無視することは出来ないのか?」
「無視するとアーレンハルト侯爵家の沽券に関わります、それに3枚のうち1枚はドウェイン伯爵様からのお手紙でした」
「あぁ、あの我が領地うんぬんかんぬんの人か...」
「はい、伯爵は公爵に次ぐ権力のあります、それにドウェイン伯爵家は由緒のある伯爵家でございます」
「まぁ流石にそれは無視出来ないよな」
伯爵家は侯爵家より一つ位が高い
この国には大公家が1つ、公爵家が2つ、伯爵家が16つ、そして侯爵家が32つ、それ以下は結構多くいるらしい
十六家の中でもドウェイン伯爵家は昔から存在するのでとても権力を持ってるのだとか
ちなみに俺の領地のお隣さんだ
「まさかここまで求婚の手紙が来るとはな」
「当然です、アレウス様は侯爵であり、さらにS級冒険者であります。他の貴族たちはアレウス様に必死に取り入ろうとしてきますよ」
「別に断っても構わないんだろ?」
「えぇ、構いませんが、早めにご結婚を考えることをお勧めします」
「結婚ねぇ...」
結婚か...別にしてもいいんだけど、うちにはミラとカトレアとカグヤがいるから、結婚するなら、3人と結婚しなきゃいけない
別にこの世界じゃ貴族は一夫多妻制は普通だけど、第一夫人とか第二夫人とか順番付けすることになっちゃうから困るんだよな
(アレウスさん!アレウスさんには邪神討伐という天界からの任務があるんですよ!!)
もちろんそのことだって忘れてはいない
それと天界からの任務じゃなくて、エリーナの勝手に俺を転生させた尻拭いだからね?
勝手に使命的な感じにしないでもらいたいんだけど
(ひゅ〜ひゅ〜...♪)
まぁエリーナのことは既に諦めてるし、結婚のことはまた余裕が出来たら考えるとするか
「アレウス様?」
「あぁすまない、考え事をな。それで俺はこのあとどうすればいい?」
「今日から職員一人一人に面談、そして新たな職員の選抜がありますが、それはこちらの仕事なのでアレウス様はその資料ができるまでやるべきことはありませんね」
「じゃあ今日は屋敷に帰っていいのか?」
「えぇ今日はゆっくり休んでください」
「わかった、じゃああとのことは任せたよ」
「お任せ下さいください」
俺はそう言って役所を出て屋敷へ帰った
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「ご主人様、おはようございます」
「ふぁ〜...おはよう」
俺は屋敷へつくとすぐに自分の部屋へといき、ベッドにダイブした
「今は昼くらいか?」
「はい、ちょうど昼食の時間です。しばらくすればみんなも来ると思います」
「そうか、ならちょうどよかったな」
そういってミラに紅茶を出してもらい、みんなが来るまで、俺はダイニングで寛ぐことした
「あら、アレウス帰ってきてたのね」
「あぁカトレアか、開発の方の調子はどうだ?」
俺が紅茶を飲みながらしばらくたつと、白衣をきたカトレアがダイニングへやってきた
「一応、試作品は出来たけど、まだまだね。個人の識別が完璧とは言えないわ」
「まぁそんな急ぐことでもないし、気を張り詰めなくてもいいぞ」
「それは大丈夫よ、人造ゴーレムの片手間にやってるからいい息抜きだわ」
「ならいいだけどな」
俺の依頼はカトレアちゃんの趣味の片手間なのね...
まぁ別に急ぐものじゃないし、俺もカトレアの人造ゴーレムには結構興味あるから構わないんだけどね
「おっひる〜、おっひる〜♪」
「ご飯です〜♪」
そうしてしばらくするとアンとレアがやってくる
「アン、レア、それにカグヤ勉強お疲れ様」
「あ、お兄ちゃん、おかえり!」
「おかえりです!」
「あぁただいま」
アンとレアが俺に気づいて俺に抱きついてくる、俺は抱きつく2人の頭をなでる
「昨日の夜にお兄ちゃんの部屋に行ったんだけどね」
「いなかったです」
まさかアンとレアは俺の部屋で一緒に寝るつもりなのか?
それは困る、俺の夜の営みはどうなるんだ
「あぁそれは悪かったな、でも二人とも男とそんなに簡単に寝るんじゃないぞ?」
「カグヤお姉ちゃんとは寝てたのに?」
「私たちはダメなのです?」
「ブフッ!!」
「ふ、2人とも!!」
アンとレアの発言に俺は紅茶を吹き出し、後ろで俺たちの会話が終わるのを待っていたカグヤが声をあげる
「2人とも、今日は私と寝ないかしら?」
俺とカグヤがアンとレアの発言にあたふたしてると、カトレアが助け舟を出してくれる
「カトレアちゃんと?」
「寝たいです!」
「ふふふ、じゃあ一緒に寝ましようか!」
「うん!」
カトレア...!君は女神なのか...!
俺は不純な動機で2人を諭そうとしたのが恥ずかしいくらいだ
「アレウス、今日はミラの番だけど、明日は私だからよろしくね」
「へ?」
少し近づいてカトレアが耳元でそう囁く
「ふふふ、何恥ずかしがってるのよ!アレウスもそのつもりで2人に言ったんでしょ?」
「まぁそうなんだけど」
まさかのバレてたか、恥ずかしいな
いや、カトレアがあそこで助け舟を出したんだから俺と同じ気持ちなはずだ、だったら恥ずかしくない
(その考え方が恥ずかしいですよ)
ふっ...言ってるがいいさ、俺は自分の目的を果たせたから気分がいいから今日は許してやろう
「それにカグヤも楽しみにしてるもんね!」
「カ、カトレア!!」
カグヤはカトレアの発言により、再び顔を真っ赤にしている
楽しみのしてたのかー、可愛いなー
そして俺がそんなくだらないことを考えているとミラが昼飯を運んできたのでみんなで食卓を囲んで食べる
「このあとみんなはどうするんだ?」
「私は開発の続きね」
カトレアが一番はじめに答える
まぁカトレアの答えは予想がついていたので、特に聞く事は無い
「私は洗濯と掃除ですかね、アンとレアにも手伝ってもらいます」
「お手伝いするする!!」
「頑張るです!」
ふむ、ミラ、アン、レアもいつも通りか
「カグヤはどうするんだ?」
「私もいつも通りみんなのお手伝いですかね」
うーん、みんないつも通りか...
なら俺は1人で何しようかな
「カグヤちょうどいいし、アレウス様にあれお願いしたら?」
「あ、確かにそうですね」
あれ?あれってなに?ちょっと期待しちゃうんだけど
「アレウス様、よかったら私に魔法を教えてくれませんか?」
「魔法?」
カグヤは確か火魔法、霧魔法、結界魔法が使えるはずだ
「はい、私、どうしてか遊郭のあの部屋にいる時に魔法のスキルを得たんです」
全スキル封印のあの部屋の中でか?
そんなことが可能なのだろうか
「だから、まだ魔法を使ったことがなくて...その、初めてだからアレウス様に付き添って欲しくて...」
まぁ俺の疑問は別に今考えることじゃないだろう
今はカグヤのお願いが最優先だ
「わかった、なら昼飯を食べ終わったら裏庭でやろうか」
裏庭はカトレアの魔道具とか俺の魔法とかを試すために広く作ってあるから、そこならカグヤの魔法の練習にはちょうどいいだろ
「はい!ありがとうございます!」
よし、これで俺も家に帰ってきてもやることがないっていう状態が回避できた
今日はちょうど天気もいいし、いい1日になりそうだ
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「アレウス様、よろしくお願いします」
「あぁ、じゃあはじめようか、まぁ気楽にやろうか」
「はい!」
カグヤもやる気あるみたいだし、しっかり使えるようにしてあげないとな
昼飯を食べながら何を教えるべきか色々考えたから、ゆっくりやっていくか
「とりあえず魔力を流すとこからはじめようか」
魔法を使うに当たって一番大事になるのは魔力の流れの扱いだろう
これは俺も初めてこの世界に来た時にエリーナに教えてもらった
「わかりました頑張ってみます......あの、どうやって流すんでしょうか?」
ありゃ、魔力の流し方からなのか
目の前でカグヤが可愛く小首をかしげている
(アレウスさんみたいに簡単にいったらおかしいですよ)
まぁ俺は天才ってことか
それよりどうやってカグヤに魔力の流れを感じさせようか
「どうしたものか.........あ、そうか......」
俺とカグヤは「絶対契約」により魔力を共有している状態だ、すなわち同質の魔力を持っていることになる
「カグヤ、俺と握手をしてくれ」
「握手ですか?わかりました」
カグヤは俺を差し出した手に握手するように握る
よし、やってみるか
俺は握られた手から魔力を流し、カグヤの手と送っていく
「わっ...!なんか流れてきました!」
「よし、成功したみたいだな。カグヤ、コレが魔力だ」
どうやらカグヤにうまく俺の魔力が流れたみたいだな、これで魔力の流れを掴んでくれるといいんだけど
「カグヤ、今流れてくる魔力の感覚を忘れるな」
「はい!」
そしてしばらくしたらカグヤに魔力を流すのをやめる
「さて、カグヤ今度は俺に魔力を流してきてくれ」
「は、はい!わかりました、やってみます」
そう言ってカグヤが俺と握手しながら
「むむむむ...」と握手している腕を凝視する
そしてしばらくたち
「おっ......!」
カグヤから魔力の流れを感じる
どうやらカグヤは魔力の流れをつかめたらしいな
「アレウス様!」
「あぁ成功だ、じゃあ次の段階に移ろうか」
「はい!」
「じゃあ魔力をコントロールできたから、次はイメージをして魔法を生み出そうか」
魔力の流れをコントロール出来るならあとはイメージをして魔法を作り上げるだけだ
「じゃあカグヤちょっと見といてくれよ」
そう言って俺は手のひらから野球ボールくらいの雷球を生み出す
「これが魔法ですね!」
「あぁ魔力を腕に集中して球をイメージするんだ、それで投げると...」
バチバチバチッ!!
俺は少し離れたところに雷球を飛ばし、雷球は地面に激突して少し放電して消える
「ま、最初はこんなもんだな。カグヤは小さな火球を作ることからはじめてくれ。あと魔法名をつけた方がイメージしやすいから」
「わかりました、あの魔法名は自分で決めていいんですか?」
「あぁ自分な好きなのでいいぞ」
魔法名は正直自由なんだ、だから時々名前違うけど見た目まるっきり同じ魔法とかたまに見かける
ちなみに俺が魔法名を言ってるのだってかっこいいからではなくちゃんとした理由があってのことだ
断じてかっこいいとか厨二的な理由じゃない
「じゃあやってみます」
カグヤが俺から少し距離をとって、手をかざす
カグヤが目を閉じて集中している
たぶんイメージをして魔力を高めているのだろう
「いきます」
カグヤは瞳を閉じたまま俺にそう告げる
さて、カグヤはどんな魔法名を使うのか
「メラ〇!!」
ポフッ...!! ボウ!!
カグヤの手のひらから火球がでて、着弾して炎をあげる
まぁ成功は成功なんだけど......
「あ、アレウス様!やりました!できましたよ!」
「あ、あぁ...そのなんだよかったな...
それより魔法名のことなんだけど」
「もしかしてダメでしたか?すいません、もう一回やり直します」
「あぁわかったならいいんだ、次は頼むよ」
まぁ悪いことはないんだけど違うのにして欲しいんだよね、うん
「いきます!「メ〇」!」
ポフッ...! ボウッ!!
「......集合!!!」
俺はたまらずカグヤに招集をかける
「すいません!アレウス様!もしかして「メラゾ〇マ」の方でしたか?」
違うわ!どっちもダメだわ!
と俺は全力で突っ込みたかったがカグヤに悪気はないだろうし、正直カグヤにドラ〇エの話をしたのは俺だから誰かといえば俺が悪いだろう
「カグヤ、魔法名はオリジナルの方がいい。人と同じのはよくないんだ。これは魔法使いの間の暗黙のルールだ」
「そ、そんなルールがあったなんて...!わかりました、自分の魔法名を考えます」
ふむ、カグヤも納得してくれたみたいだ
そんなルールなんてホントはないけど、優しい嘘だって世の中にはあるからね、これでいいんだよ
「じゃあ俺はあそこの日陰で見てるから、何かあったら呼んでくれ」
「わかりました」
俺はカグヤにそう告げると裏庭にある木の根元まで言って横になる
「毎日のんびり出来るといいんだけどな」
ほんとに毎日のんびり出来たらいいんだけどね
領地経営のこともあるし、それに邪神や魔神のことだってある
現在はカイゼルが国を挙げて調査をしたり、他国での情報を集めてもらっているがめぼしい情報はなし
いつかしら二つの別の大陸へ赴くこともあるだろう
「ふぁ〜...眠くなってきたな、まだ疲れが完全には抜けてないみたいだな」
俺は間の抜けたあくびをする
(あの〜アレウスさん、ちょっといいですか?)
「なんだ?」
(アレウスさん、この前手に入れたユニークスキル「眷属契約」について忘れてませんか?)
「......あ」
あぁ...あったな。確かに俺がタケトを倒した報酬でそんなユニークスキルもらったのか
ここ最近色んなことがあって忙しかったから完全には忘れていた
(忘れてたんですね...)
「忙しかったんだから仕方ないだろ、ちょうどいいし、みんな集めてやってみるかな」
俺はそう言って立ち上がり背伸びをした
お読みいただきありがとうございます!
ついに100話目まで来ちゃいました、そのためこれからは更新ペースを少し落とそうかと思います
前から100話に到達したらそうしようかと考えていたのでそうさせていただきます
100話目記念にしたのでよかったら評価や勝手にランキングへの投票をよろしくお願いします!!
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