装備と実力
これまでの話を見返して、訂正を加えました
よろしくお願いします
本日ラスト
昼飯ついでにクレアとアレアにミラを紹介し
事情を話し、飯を済ませて街にでかけた
「いい人たちですね」
「あぁ世話になってるよ」
ミラと俺はギルドに向かっている
ミラはフードを被って顔が見えないようにしている
「フードを被らせてすまんな」
「いえ、ご主人様の隣にいれるだけ幸せです。」
「早くフードを被らなくてもすむようにしたいな」
「はい、そうですね」
冒険者ギルドに向かい、ミラのギルドカードを作ってもらうことにした
「ソニア、ギルド登録をしたいんだが」
「あら、アレウスさんこんにちわ。そちらの方の登録でいいですか?」
「あぁ頼むよ」
ミラが登録手続きをしてるうちに俺は換金に向かう
「また換金したいんだが大丈夫か?」
「おう、あのオークの兄ちゃんか!今日は何を換金するんだ?」
「それは後で説明するから、奥の解体所を借りていいか?」
「あぁかまわないぜ、ついて来いよ」
解体所につき、俺はあるモンスターを空間倉庫から取り出し
「サ、サラマンダースネーク!?」
俺が出したのは赤い二十メートルほどある赤い蛇
名前から想像つくかもしれないが火を吐くドラゴンのような蛇で、修行してる時に狩ったモンスターの1匹だ
「あぁそうだ、いくらで換金できる?」
「こりゃたまげたな...久しぶりに見たぜ、換金はそうだな...状態もいいし...1千万Uでいいか?」
「あぁそんだけもらえるならかまわない、それにしてもそんなに珍しいか?」
「知らねぇのか?サラマンダースネークってのはB級パーティが複数でも倒せるかわからないモンスターだ」
おっとこれはミスったかもしれないな...
「1千万Uとなりゃ大金だ、俺はギルドマスターに報告してくるからちょっと待っててくれないか?」
「あぁわかった、俺はギルドの中にはいるから準備できたら呼んでくれ」
それにしてもギルドマスターか...問題がなければいいんだが...
俺はそんなことを考えながらミラの元へ戻った
「あ、ご主人様っ!」
「登録はもう終わったのか?」
「はい、ご主人様の方は?」
「あぁ俺の方もあとを金を受け取るだけだ」
ミラと少し話してると解体屋のおっさんがこちらに来る
「おう、兄ちゃんここにいたか!ギルドマスターからも許可がおりた。それで金の振り分けはどうする?」
「900万はギルドーカードに頼む、残り100万は手渡しだ」
「わかった、ちょっと待ってくれ」
そんな丸見えの状態で渡すのはやめてくださいよ...
俺が金貨を受け取り、買い物に出かける、ミラの洋服や、生活に必要なものをまず買いに行くのだ
ミラもやはり女の子か選ぶのが長い、最初は遠慮していたが、俺がそうする必要はないというと、次第に買い物を楽しみ始めた
「すいません、いっぱい買ってしまいました...」
ミラは手にいっぱい買ったものを持っている
「ミラ、これに入れてくれ」
「これは何ですか?」
「マジックバックだ」
「え!?」
俺はミラが買い物をしてる間にマジックバックを見つけて買ったのだ。マジックバックは見た目は普通のカバンだが無限とはいわないまでも倉庫以上の容量はある、俺には必要ないものだったけどミラには必要なものだろう
「あの...高かったんじゃないですか...?」
「そんなことは気にするな、ミラは俺の奴隷になるんだろ?俺は自分の奴隷は大事にしたい。頼むからもらってくれ」
「ご主人様...ありがとうございます」
そういってミラはマジックバックに自分の買ったものをつめていく
「じゃあ最後に装備屋に向かうか」
「はい」
俺達はダンジョンの準備をするために装備屋に向かう
カランカラーン
装備屋に扉を開け、中に入る
「ん?誰もいないのか?」
俺が周りを見渡すと
「ここにいるよ」
「うおっ!」
カウンターの向こうから小さな男が出てきた、見た感じドワーフだろう
「装備を揃えに来たんだが」
「好きに見てくれ」
ドワーフのじいさんはそう言うがすぐに奥の部屋に戻る
「行っちゃった...」
「どうしましょうね」
「とりあえず見て回ろう」
2人で中を見て回る
「ミラは斧でいいのか?」
「はい、私力には自信があるんですよ?」
そう言って力コブを作りアピールしてくるが
こんなに可愛い子が斧を振り回してるのはシュールだ...
ちなみに今は店内に誰もいないのでフードはとっている
「じゃあ、ここから自由行動にして気に入った装備を見つけたら教えてくれ」
「わかりました」
俺はミラと一旦離れて武器を見ていく
俺は片っ端から鑑定していって、武器を探す
「お、これは...」
俺は人の刀をとり、再度鑑定をかける
刀・月光
その名の通り月の満ち欠けのように刀身が輝く
「これはなかなかいい刀な気がする..俺の魔力ともよく馴染むし」
いい刀の見分け方なんて知りませんけどね、本当は。え?何が大切かって?見た目じゃないかな?
実はずっと前から武器に雷を纏わせることを考えていたのだが、フェイトはそれ自体が強すぎて俺の魔力をうまく流せなかかった
「よし、俺はこれにしよう」
俺は月光を買うことを即決した
ちょうどミラもこちらに来たようだ
「ミラも決まったの...……えぇ!?」
ミラがこっちに来てるのがわかりミラの方を向くと
ミラは自分の背丈ほどの巨大な斧を持っていた
鑑定をかけると
破壊斧・ディアボロ
なんとも仰々しい名前である
「ご主人様、私はこれにしようと思うんですが」
とミラは何食わぬ顔で斧を振る
(ほんとにあの子怪力だったんですね...)
女神のエリーナでさえ驚く始末である
防具は適当な革装備にして普通の冒険者の格好をする
買うものを決めた俺達はカウンターに向かい
ドワーフのじいさんに話しかける
「買うものが決まったんだか」
「おう.....なにぃ!?」
寡黙であったドワーフのじいさんが声を上げる
「嬢ちゃん、その斧が持てるのか?」
「これですか?全然大丈夫ですよ?」
ドワーフのじいさんは目を開いて驚く、そりゃ驚くよな、こんな可愛い子が馬鹿でかい斧を振り回してたら
「そりゃたまげたわ...」
「俺もびっくりしたよ、それで値段なんだが」
「その刀お前が選んだのか?」
「あぁかなりの業物だ。この刀とこの斧の製作者を紹介して欲しい」
「どっちも作ったのはワシだ。値段はかまわん。お前らにやる」
「え?いいんですか?」
「あぁその斧に関しては持てるものは誰もおらんかった。それにその刀を業物といってくれた、それだけでワシは満足だよ」
このじいさんなかなかの太っ腹だな。こんな武器を作るんだ、かなりの腕なんだろう、いっそほかのことも頼んでみるか
「爺さんの腕は相当なものだと見込んだ。俺らの防具を作ってくれないか?」
「ワシがか?素材と金があれば受けるぞ」
そう言われて俺は空間倉庫から防具として使えば性能が高そうな素材をどんどん出していく
「おいおい、なんだこの素材は!?」
「ん、俺が倒したモンスターのものだが?」
「坊主は一体何者なんだ...」
「それは秘密だ。それで作ってもらえるか?」
「あぁこんな素材を見せられちゃ職人としちゃ受けないわけにはいかねぇ、こっちから頼むよ」
「値段の方なんだが...」
そう言って俺は爺さんに金が入った袋をを渡す
「100万Uとあと、余った素材は全部譲る。それで足りるか?」
「あぁ全然足りる。ちょっと待ってくれ妻を呼んで来る」
そう言って奥の部屋に戻り一人の女性を連れてくる
「自己紹介がまだだったな、ワシはグランこっちが妻のアンナだ、防具のデザインと制作はアンナに言ってくれ」
「アンナだよ、旦那が直々に装備作ると言い出したのは珍しいね期待してるよ」
「俺はアレウスだ、こっちがミラ。二人ともよろしく」
「よろしくお願いします」
俺たちはアンナに装備のデザインを頼み、採寸してもらう
俺の適当な説明で俺のイメージ通りに書いてくれるとかすごいと思う
ちなみにミラはかなり凝ってるらしく、ものすごい念入りに説明していた。なんていうかこだわりがすごい
「出来上がるのは2ヶ月待ってくれ」
「2ヶ月か...」
「どうしたなんか問題でもあるのか?」
「いや、問題ない」
ミラと約束した修行の期間は3ヶ月だ、2ヶ月で仕上がるなら丁度いいタイミングだ
「それじゃあ任せていいか?」
「あぁ最高なものにしてみせる」
これは二ヶ月後に期待だな、今からワクワクとドキドキで心踊っちゃいます
装備屋を出た俺とミラは街の外へ出て、魔物が出る森の中を探索する
「ダンジョンへは向かわないんですか?」
「あぁまだ互いの戦いぶりがわかってないからな、今日はその確認だ」
森の中を探索して、いい感じの魔物を探していると、しばらくして千里眼で発見をする
「まずは俺の実力をミラに知ってもらうとするかな」
「わかりました」
俺が見つけたのは、巨大な牙を持った大猪、名前はランスボアだ。その巨大な牙をランスようにして突撃してくるとかそんな感じなんだろうな
「そういえば、ミラは魔物とか平気なのか?」
「はい、魔物には慣れてますね。ノマロ家に捕まった時は母を人質にされてしまい何もできませんでしたが、腕には多少の自信があります」
確かに魔物という命の危険を脅かす存在が普通にいる世界だからな、多少戦えてもおかしくはないか
それに戦えるという自信的なものがなければ自分を鍛えてなんて言うわけないか
とりあえず戦闘経験があるなら、一から教えてるとかの余計な手間は省けそうだ
「とりあえずは見学な」
「はい、ご武運を」
俺は手をひらひらと振ってミラに答える
とりあえず俺の実力を知ってもらおうかな
視覚的にわかりやすいのがいいよなぁ......
雷魔法使ってそこら辺の木が燃えて森家事になると困るし、重力魔法だと何してるかわからないよな.........素手でいくか
俺はランスボアに距離を詰めていく
「ウモォ!!!」
向こうは向こうで俺の存在にきづいたらしく、地面をけって今にも俺に突撃しようとしてくる
「ウモォォォ!!」
そして雄叫びとともに自慢の牙を槍として俺に突撃をしてくる
徐々に、徐々に俺との距離が縮まっていき──
「ウモ??」
ランスボアは何が起こってるかわからない、みたいな鳴き声をあげる
「まぁこんなもんだよなぁ」
俺はランスボアの自慢の牙を掴みながら、そんなことをつぶやく
そう、俺はただ接近してきたランスボアを牙を掴んで止めただけなのだ
街に近いところに生息しているモンスターだから、やっぱりあんま強くないな
「ウモモォ!!ウモォ!!」
「はいはい、どーどー」
ランスボアはどうにか動こうとジタバタするが、俺が牙を掴んでいるので何も出来ない
「ま、わかりやすく終わらせるか」
ランスボアには悪いけど、これは一種のパフォーマンスみたいなものなので、ぱぱっと終わらせるか
俺はランスボアの顎を蹴りあげ、そのまま蹴りあげた足を振り下ろして脳天にかかと落としをお見舞いする
ランスボアの頭は地面にめり込み、痙攣している
こんなものか、と俺は考えながらミラの方に戻る
「とりあえず俺はこんな感じかな、あんま派手なことは出来なかったけど、あれくらい余裕にできる実力はあるって感じだな」
「はい...とても...とても...かっこよかったです」
何故かミラの目が恍惚としていた、しかもなんか感想がずれていた
まぁかっこいいと思ってくれたなら僕は満足です
「じゃあ次はミラの番だな」
「はい、頑張ります」
そう言って俺はめぼしいモンスターを千里眼で探す
少し歩くとモンスターと出会う。スパイクベアだ
簡単にいえば全身な鋭利なトゲがある熊、でかいハリネズミ的な感じなやつだ
まぁミラのレベルはまだ少し低いステータス的数値を考慮しても装備の性能的に負けないことはないだろう
万が一怪我をしても俺が治せばいいし
「ミラ、一人でできるか?」
「はい、任せたください」
そう言うとすぐにミラは一歩踏み出し急加速し...
ズシャァァァァッ
スパイクベアを一刀両断し、HPが一気に削られ瀕死状態に至る。まぁほぼ死んでるみたいなものだな
(とんでもない力ですね...)
「あぁミラはステータス以上に力があるようだな、しかし今なんか魔法を使っていた、ミラに聞いてみるか」
ミラがこっちに戻ってくる
「ふぅ、緊張しましたが、どうにかなりました」
「お疲れ様、一撃とはすごいな。それでさっき何の魔法を使ってたんだ?」
「あれは精霊魔法ですよ、このあたりは風の精霊たちがいるので力を借りて加速しました」
どうやら精霊魔法らしい。その場にいる精霊に力を借りて使う魔法らしく属性の自由はないが普通の魔法より威力が高そうだ
というか普通に全然戦えますねこの子、三ヶ月もあればかなり強くなるんじゃないかな
「じゃあもう少し戦って連携とかを確認しよう」
「はい」
そう言って俺達はモンスターを狩り続け、いつの間にか日が暮れていた
新しく作った空間魔法「ワープ」で宿屋に戻った
「ワープ」テレポートとはちがって離れた2点の座標をくっつけるだけなので魔力消費が少なくて済む
一度行った場所しか使えないのが難点だが、特に今は気にしなくていいだろう
かなり長い時間戦闘したのでミラは鍛えられ、数値的にもそれがよくわかった
ミラノバ
種族 ハーフエルフ・女
年齢 17
職業 冒険者
Lv.46
HP 3680/3680
MP 4140/4140
ATK3220
DEF920
SPD 1840
M-A 1840
M-D 1840
Luck 3
スキル
家事 C
料理 C
斧 C
ユニークスキル
「金月(魔眼)」
魔法
精霊魔法
生活魔法
加護
(精霊王の加護)
ミラのレベルはかなり上がった。あの怪力のこともあり彼女のATK値は化物だ
しかし人ってこんな急に強くなるもんなんですかねぇ...いや、ミラはハーフエルフだから正確には人ではないんだけど
強くなったってことは、筋力が上がったってことだよね?でも、数時間で筋力って普通上がるものじゃないよねぇ、生命力もあがるもんじゃないよねぇ......
(だから私はいつも常識にとらわれるなと言っているんです)
そんなこと一度も言ってませんよね、あなた様は。無駄にかっこいいのが腹立つな
まぁエリーナの言葉を借りると、俺の常識で考えちゃいけないんだな
ここは、努力がすぐに実を結ぶ素晴らしい世界だと自分に言い聞かせておこう、そうしよう
納得?いやもう納得それ以前というか......こういうものだって自分に信じ込ませることにしましたよ...
とりあえずステータスの話に戻すが、ハーフエルフであるのか、M-AとM-Dの値が高い。この二つは魔法攻撃力、防御力であり、魔法をレジストする時に大きく関係する。やっぱりエルフって魔法が得意系な種族なんですね
「明日朝のうちに道具を準備してダンジョンに向かう、今日はしっかり休むんだ」
「わかりました、おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
なんかミラが物欲しそうに俺の方を見ていた気もするけど...勘違いだな
そして、俺はベッドに横になった
あぁ明日のダンジョンが楽しみだ
お読みいただいてありがとうございます
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