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見送り

よろしくお願いします

レイラとも別れの俺たちは門の元で待っているダレル公爵たちにところへ向かった



「おぉアレウス、来たか」


ダレル公爵の公爵の騎士が俺たちの存在に気づきダレル公爵に伝えていた


「ダレル公爵、おそ...」


シュダッ!!


遅くなってすいません、そう俺が答える前に何かが俺の横を通り過ぎていった



「わわっ!」

「わわわっです!」


通り過ぎていった先を見るとヘンリエッタ夫人がアンとレアを抱きしめていた


「ミラ、カトレア!この2人がアンちゃんとレアかしら!」


ヘンリエッタ夫人がこれでもかというくらいのすごい勢いでミラとカトレアに聞いている


「え、えぇ...」

「そうでございますが...」


ミラとカトレアがヘンリエッタ夫人の勢いにおされている


「まぁ!なんて可愛いの!うちの娘にしたいくらいだわ!」


ヘンリエッタ夫人がアンとレアを再び抱きしめる


抱きしめられてる2人はポカンとくちをあけている


ちなみに横にいたカグヤも口が開いてたが、俺と目が合うと慌てて口元を手で隠していた



「それであなたがカグヤね」


「えぇ、そうですが...すいません、私の方は存じ上げなくて...」


そうか、カグヤはヘンリエッタ夫人のことを知らないのか


「私はマグネス家公爵家当主ダレル・マグネスの妻、ヘンリエッタ・マグネスというわ」


「あぁ!す、すいません!わたしはカグヤと申します!私はアレウス様の...アレウス様の.........何でしょうか?」


カグヤが焦り始めたと思ったら次は可愛らしく首をかしげていた、忙しい子だ


しばらくするとヘンリエッタ夫人がこちらを向く


「アレウス・アーレンハルト侯爵、公爵家としてあなたに命じます、この子たちを絶対に幸せにしなさい!」


「わ、わかりました...」


俺も勢いに押されながら応える


「もし破ったら私がこの子たちをもらっちゃうわ」


そういってヘンリエッタ夫人がまたアンとレア抱きしめる



「ご、ごほんっ!挨拶は済んだか?準備が終わるまでもう少しかかるがどうする」


今まで空気だったダレル公爵が突然声をあげる


この人も苦労してたんだな...



「女子は全員こっちの馬車よ、いらっしゃい!」


そういってヘンリエッタ夫人が有無を言わさず、女性陣を連れていく


ミラとカトレアは昨日ヘンリエッタ夫人とあっているので抵抗なくついて行く


カグヤは少し戸惑いながら、アンとレアはドナドナされていった


「アレウス...なんというかすまんの...」


「いえ、ダレル公爵の苦労をご察しします...」


残された俺たちはお互いを労っていた




俺は準備が終わるまで馬車の中で王都で買った本を読んでいる


(アレウスさんって本読むんですね)


「まぁな、文章を読むのは嫌いじゃない」


ちなみに俺が読んでる本は

「猿でもわかる領地経営」という本だ


この本のタイトルはとても馬鹿馬鹿しいが内容はとても充実していた、アピエダに戻ったら実戦してみたいものだ



読書にふけっていると、外から呼ぶ声がする


「アレウス侯爵失礼します、アレウス侯爵に御用のある方が来ております」


俺に?そんな知り合い王都にはいなかったはずなんだがな...

とりあえず会ってみるか


「あぁわかった、すぐに行く」


俺はそう言って馬車から降り

俺に用があるという者のところに行く



そこには二人の女性がいた


「クリスティーナ様......それにステファニア様も...!」



なんとそこにはクリスティーナとステファニアがいた



「アレウス様、僭越ながら見送りに来ました」


クリスティーナが一歩前にでて、俺に話しかける


「わざわざありがとうございます」


俺は人前のためいつもの硬い口調にする


「はい、それでは私は父の方へ用事があるので...」


「へ...?」


そういうが早くダレル公爵の元にいたカイゼル王のところへ言ってしまう



俺はステファニアと2人きりになる

昨日のことがあってかなり気まずい


「あの...ステファニア様...」


俺はステファニアに話しかけようとするが何を話しかけていいかわからない


「アレウス・アーレンハルト...本当に私の専属騎士になるつもりはありませんの...?」


「...!」


俺は再び昨日と同じ質問をされる



「すいません...ステファニア様...それは出来ません...」


俺はなんとか自分の答えをいう


「そうですの.......」


「すみません...」


俺はステファニアに頭を下げる


「決めましたわ......アレウス頭をあげなさい」


俺は言われた通り頭をあげ、ステファニアを見る



「アレウス、私決めましたわ!私はあなたが自分からお願いするような姫となることを目指しますわ!そしてあなたがいくらお願いしてきてもぜーーーーったいに専属騎士にはさせてあげませんわっ!」


「へ...?」


俺はステファニアのいきなりの発言に再び変な声をあげてしまう


「いいかしら!あなたが今ここでお願いしないなら!もうチャンスはありませんのよ!」


「え...?......え?」


俺はあまりの展開に驚いている


少し後方からこちらを見ているクリスティーナと目が合うと笑って返された



あいつ、いったいステファニアに何を話したんだ?

昨日は「私がフォローしときます」とか言ってたから頼ったけど、よくよく考えてみたらあのクリスティーナだ、本当に何を話したんだ



「いいんですの!アレウス・アーレンハルト!!」


戸惑っている俺にお構い無しにステファニアは俺に聞いてくる


「ステファニア様!落ち着いてください!」


「いいえ、落ち着きませんわ!それにアレウス!呼び方が違うでありませんの!」


「わかった!ステフ!いいから一回落ち着いてくれ!」


俺は一応弱めに「サイレント」をかけて周りに声が響かないようにステファニアを落ち着かせる


「ふんっ!それでいいんですわ!それよりアレウス、私の専属騎士にはなるつもりになりまして?」


ステファニアがまだ俺に聞いてくる

うーん、なんでこんなに吹っ切れるたんだ?

まぁ原因はクリスティーナしかないんだけど



それにしてもどうしようか......

これはどうにか妥協点を見つけないとステファニアは納得しないぞ......


そして俺はある選択をした



「ステフ、悪いけど君の専属騎士にはなれないな」


「アレウス!いいんですの?私が他の男のものになって?」


んー?あれ?専属騎士の話じゃなかったのかな?


まぁいいや、とりあえずステファニアを納得してもらおう



「いえ、そういうつもりはありません、代わりと言っては何ですが...」


俺は空間倉庫から俺の愛用黒ローブ「ディザスター」を取り出す


ちなみに俺は今、お出かけ用のシャツと長ズボンだ。

余談だがシンプルなものでも貴族御用達のメーカーのためかなり高い価格だ


「ステフ、俺が愛用しているろローブを君にあげる。これが俺の代わりにステフを守ってくれるだろうから」


俺はそういってローブを渡す


「アレウス...!」


ステファニアが俺の行動に驚いている


「ステフ、俺はステフの専属騎士にはなれない、それでも君を守りたいとは思う。だから代わりにこれを受け取ってくれ」


「アレウス......わかりましたわ。そうすることにしますわ」


ステファニアが納得して俺からローブを受け取る


ステファニアは受け取ったローブを抱きしめて、何故か幸せそうな笑みを浮かべていた


「ありがとう、これで俺も安心してアピエダに戻れるよ」


「えぇ、侯爵として立派働いてくださいまし!私は忙しいからもう行きますわ!」


そういってステファニアはどっかへ行ってしまう、代わりにクリスティーナがやってくる


「ふふふ、まさかそんな手段にでるなんて」


クリスティーナがいたずらに成功した子供のような笑みを浮かべている


「はぁ...クリス、お前はステフに何を吹き込んだんだ?」


「さぁ、何でしょうか?」


「まったく...ステファニアには他に男の知り合いはいないのか?あんな態度取られると勘違いしそうになるんだけど」


正直俺はステファニアが親しいような男性がいなくて、俺を専属騎士誘ってると思ってる


「アレウス様は何か勘違いなされてるみたいですね」


クリスは再びいたずらな笑みを浮かべる

はぁ...何故かこいつの手のひらの上でいつも踊らせられてしまう



「ふふふ、それよりアレウス様、私の専属騎士になってくれてもいいんですよ?」


「お前まで言うのかよ、冗談でもやめてくれ」


全く本当に冗談にならないよ


そして俺とクリスは他愛もない話していると

カイゼルがこちらにやってくる



「アレウス!お前の見送りができてよかったぞ!」


「カイゼル様、わざわざありがとうございます」


俺はカイゼルに頭を下げる


「うむ、気にせんでよい。公務はすべて宰相に押し付けて来たからの!ガッハッハ!」


「それは、それは...」


うわー、宰相さん苦労してたんだろうなぁ...


俺は心の中で宰相さんに同情していた



「アレウスよ、何かあったらいつでも王都に来い。力になってやるぞ」


「ありがとうございます、なにかの機会にお世話になると思います」


「うむ、それではこれからは領主として頑張るのじゃぞ」


「はっ!この国のために頑張らせていただきます!」


俺はカイゼルに敬礼をして答える




そして出発の準備が済み、もう1度挨拶を済ませて


俺は馬車に乗る、ちなみに俺はダレル公爵と2人きりだ

これからの予定などを2人で話して決めていくつもりだ



そして馬車が出発する、窓の外に見えるのは見送りに来ていたクリスティーナやステファニア


ステファニアの腕の中には俺があげたローブがしっかりと抱きしめられていた


大切にしてくれると嬉しいよ、俺は心の中でただそう思った


アピエダまでは10日ほどでつく

あぁやっと平穏な日々が俺にやってくるのだ


そした俺たちは王都を出た





(え?私今日出番なしですか?)


俺の王都での最後はまたしても空気を読まない女神の言葉で壊された

お読みいただきありがとうございます


これで第2章を終わりです!

ネタバレみたいになりますが第3章ほ伏線なども貼りつつ、ほのぼの領地経営の日常編としようと考えてます

あと外伝を二つほど書いたら第3章を書いていくのでよろしくお願いします!


ご意見、ご感想があったらどんどん言ってください!

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