ミラノバ
改稿してまとめたものです、よろしくお願いします
私はずっと暗闇の中、もうここから逃れること出来ない。そんな悪夢の中私は夢を見た、暖かい夢。
...光?あれは一体───
◇
「う、あ……...」
「やっと起きたか」
彼女は起きたらしく俺は声をかける
「え、私.....」
彼女は確かめるように自分の腕を上げて、手を開け閉し
ガバッ!!
「うっ!」
「おい、まだ無理はするな」
「私...私...目が...それに声も...」
彼女はどうやら自分が治ったことを確認しているようだな
「う、うぅ………ずず…」
...え?待って泣き始めた?ちょ、えっ...
(焦りすぎですよ、とりあえず慰めてあげてください)
「お、おい、落ち着いてくれ頼むから泣かないでくれよ」
(どうしてあなたそう上から目線でした言えないんですか...)
うるさいな!こういうのは慣れてないんだよ!
「うぅ.....ヒック...ずず」
「落ち着いたか?」
「はい...……ところで...あなたは?」
「あぁ俺は街で君が追われている所を助けたんだが...」
おれがそういうとは彼女思い出すように俯いて黙りそして……
バッ!彼女は突然頭をあげ、俺の方を見た
助けた時と同じようにあの月の様に綺麗な金色の瞳で
「っ!?」
(やはり彼女は魔眼を持っているようですね)
俺は驚いてはいたが彼女が魔眼を持っていることを知っていた
彼女が再び眠り彼女に回復魔法をかけている時を思い出す──
◇
「なぁ、気づいたか?」
(何がですか?)
「彼女の目だ。俺が初めてあった時は金色に見えたが、今は普通の茶色だったぞ」
(あぁそのことですか、あれは魔眼を開いてたんですよ)
「なぁその魔眼ってのは何なんだ?」
(魔眼というのは、簡単にいえばユニークスキルの一つですね。彼女は魔眼によって色々ものが識別できたんでしょう)
「じゃあ彼女が目が見えないのに、普通に逃げたりできてたのは魔眼のおかげっていうことか?」
(そうですね、概ね彼女まわりの魔力を辿って逃げんてたんじゃないですか)
ーーと俺はエリーナと話してはいたんだが...
「す、すいません!あの、これは...……」
俺が驚いたことで彼女を困らせてしまったらしい
「魔眼のことなら気にしなくてもいいんだぞ?別に怖くはないし、それに君の魔眼はとても綺麗だから」
「綺麗ってそんなっ……!」
彼女はまた困りだした、俺も困ったな.....
(ほんとに無意識でやってるんですか...罪深い...)
「綺麗、綺麗...はっ!すいません!あのそれで私を助けてくれたのはあなたなんですか?」
「そうだが?」
「私の目や耳...それに声も!これも...あなた何でしょうか?」
「その事なんだが色々話しながら説明する、ところで、君の名前は?」
「はい!私の名前はミラノバと言います!ミラとお呼びください!」
「あぁ俺はアレウスっていう、よろしくな、ミラ」
俺はまだ知らなかった、この出会いが俺にとって重要になるものとは...この時は何も
互いに説明して、今の状態に至るまでの経緯を説明する。所々話せないところがあるので色々説明を省いた。
刀でぶった切って呪いを治したなんて言えないでしょ
「私は呪いにかけられてたんですね...」
「そうだ、それにかなり強力なものを。どこで呪いをかけられたかわかるか?」
「そうですね、私が目などを使えなくなったのは領主に捕まった時からです」
「領主...?」
「はい、私はノマロ家という貴族の領地の村人でした。その領主さまが私の村に来て、それで...」
彼女からの話によると、彼女がいた村は小さな村だったんだが裕福ではなかったが満足のいく生活を送っていたそうだ。ふむ、これはエドさんから聞いた話となんとなく一致する
そんな中ある日ノマロ家の現当主である
ガストン・ノマロが訪れ、ミラとミラの母親はそいつに目をつけられ連れていかれたらしい。
「母は領主のとこに、私は領主の息子でありこの街を治めるオラス様のところへ...確かその時に呪いを...」
ずいぶん身勝手な話である、これにはエリーナもお怒りのようだ
(これは神の天罰が必要ですね!ぷんぷんっ!)
怒るのはいいが、威厳が君じゃ足りないんだよ...
「君の事情はわかったが、その...ミラの耳のことなんだが、君はエルフなのか?」
「いえ、私はハーフエルフです。父がエルフで母が人族なのですが、父は私が物心つく時にはもう...」
まずいな、地雷を踏んでしまったか?
「すまない、そんな話をさせるつもりはなかったんだ」
「いえ、大丈夫ですよ?父は元からいないみたいなものですから」
ミラはほんとに大したことないって顔をしてるんで大丈夫なのだろう、とりあえず重要な話をしていくか
「ミラ、君はこれからどうしたい?」
「これからですか?」
「そうだ」
彼女は今逃亡の身だ、それに母は領主のもとだ
たぶん、力を貸してくれと言われる気がする。まぁもともと助けるつもりだったし、力になってやろう
「あの、その...」
彼女はモジモジしながら、何かを言おうとする
「別にそんな遠慮しなくていいんだぞ、俺は力をかそう」
「そ、その...」
「あぁなんだ?」
俺は彼女の言葉を待ち。彼女呼吸をして覚悟を決めて俺の方を向く
「私を...」
「私を?」
「私を...私をアレウス様の奴隷にしてください!」
ください、ください、ください...
俺の部屋の中で彼女の綺麗な声が響きわたる
「...............は?」
(真面目そうに見えて結構大胆なんですね)
なんでお前はそんなに余裕があるんだよ!
いかん、落ち着け、落ち着いて対処するんだ
「なぁ今奴隷言ったのか?聞き間違いじゃないのか?」
「はい!アレウス様の奴隷です!」
「せっかく奴隷になることから逃げてきたのに?」
「はい!」
わからん...彼女何を考えてるのかが全くわからない
(いいんじゃないですか?可愛らしいじゃないですか?)
たしかに、ミラは可愛い。透き通るような白い肌。そして、見たもの引きつけるような大きな瞳。彼女魅力さらに引き立たせるような亜麻色の綺麗な髪。
確かに彼女のような綺麗な女の子だったら奴隷にでもしてみたい.....はっ!何考えてるんだよっ!
「あ、あの...ダメですか?」
「うっ...」
そんな上目遣いで俺を見ないでくれよ!
「なぁ、なんで俺の奴隷なんかになりたいんだ?」
「理由ですか?もちろん一番の理由は私は助けてくれたからでしょうか」
「困ってるやつを助けるのは当然だろ?そんなことで奴隷になろうなんてふつう思えない」
実際そうなのである、別に他の恩の返し方だってあるんだ
「そんなことではありません!アレウス様は私をあの悪夢から救いあげてくれたんです!この恩は一生かかっても返しきれません!」
困ったな、ここまで言われちゃうと流石にとは思うが、奴隷になりたいとか言われても困るんだよなぁ
「あー...なんだ、恩を返すとか言われてもな、俺は別に返してほしいと考えているわけでもないから、奴隷になんかなる必要は無いんだ。なんか他に特別な理由がない限りは無理だ」
「理由......あります、特別な理由...私にとっての特別な理由があります......」
え?あるの?あっちゃうの?え、いや、あっても俺困るんだけど......
「アレウス様...ご主人様に惚れてしまってみたいなんです!!私自身があなたと一緒にいたいと思っているんです!!」
みたいなんです、みたいなんです...と俺の頭で共鳴する
惚れてしまった、ね.........うん、悪い気はしないんだけど、すごい困るよね
しかも既にご主人様って呼ばれてるし
「俺に......惚れたの?」
「はい!!」
「俺と......ずっと一緒にいたいの?」
「はい!!」
とっても綺麗な目で言ってくれますね、いいんだろうか...本当にこれはいいんだろうか...
(一体何がダメなんですか?)
まったくこの女神はお気楽なことだよ...
迷う理由は簡単だ、彼女を信頼しきれてはいないからだ
彼女の生い立ちは信じるとしても、他の要素が不確定過ぎる
まず、一番の疑問は俺の「鑑定」スキルが通じなかったことだ、彼女の素性がまったくわからないんだ
第一、会って1日の男に惚れたとか怪しすぎるだろ...普通に疑えよ、まったく
「あの...それで私はアレウス様の奴隷になれるのでしょうか?」
「あ、あぁ別に奴隷でなくてもいいんじゃないか?俺は他のことでもかまわないぞ?」
「いえ、私は奴隷がいいんです。アレウス様への忠誠の証、あなたの側にずっといるという誓いです。そして私自身あなたの所有物でありたいと願っています」
(どうやら彼女の覚悟を本物のようですね)
なかなか地雷なことをおっしゃられてるだけど......これはもう引くには引けない気がしてきたな...
とりあえず話が進まないから、仮として奴隷になるのを認めておこう
「はぁ....わかったよ、ミラ、君は今日から俺の奴隷です、そうします」
「はい!一生アレウス様のお仕えします!」
「あ、あぁよろしくな、それで奴隷になるには何か必要なのか?」
「そうですね...普通は奴隷商人のもつ魔法で奴隷紋を付けてもらうんですが...」
「奴隷商人から逃げてきた今じゃ無理か、そのことはこれからいろいろ解決していこう」
なんかどんどん問題が増えてる気がするが...俺の運はカンストじゃないのか...
とりあえず一番気になってることを聞いてみよう
「その悪いんだが...……ひとつ聞きたいことがあってだな」
「え、聞きたいこと...ですか?もしかして...魔眼...ですか?」
やはり彼女の魔眼には秘密があるのだろうか
これは強気で言ってみるか
「あぁよくわかったな、ミラが見せたくないなら構わないが、見せないのであればミラを奴隷にはしない」
「あ、大丈夫です!」
その瞬間に何か鍵が開かれるような音がする
そして俺はなんとなく今なら「鑑定」できるじゃないかという感覚がしたので「鑑定」をしてみる
「これは.....!」
ミラノバ
種族 ハーフエルフ 女
年齢 17
職業 未定
Lv.12
HP 960/960
MP 1080/1080
ATK 840
DEF 240
SPD 480
M-A 480
M-D 480
Luck 3
スキル
家事C
料理C
隠蔽S
斧 E
ユニークスキル
「金月(魔眼)」
魔法
精霊魔法
生活魔法
加護
(精霊王の加護)
見たところ、彼女は各ステータスの倍率が結構高い、俺と比べるのはおかしい話なので比べないがそれでも高すぎる。
それに彼女は加護持ちだ、この世界じゃ加護を持っている人間は多くないはずだ
(なるほど精霊王の加護ですか。鑑定スキルが使えなかった理由はこれですね)
「(どういうことだ?)」
(精霊王の加護っていうのはですね、エルフたちが崇拝する神様みたいなもので、その中でも精霊たちから愛されるものには精霊王の加護つくんですよ)
「どんな能力なんだ?」
(簡単に言えば、その名の通り加護ですかね?加護によって「鑑定」が弾かれたんでしょう、それで今ミラさん自身が心を開いたから見れるようになったってことじゃないですか?まだ開発したばっかの能力ですからこのように不備が出てしまったんですね、申し訳ございません)
なるほどな、「鑑定」スキルも完璧じゃないってことか、これからも何らかの理由でそういうことがあるかもしれないから気をつけておくか。エリーナも改良するとか言ってるし、今はそれだけでいいだろう
というか認めてくれたことということは彼女の中では俺はご主人様って確定してるのか、それにある意味俺のことを本当に忠誠を誓おうとしている証拠にもなったな
「あの...…...すいません、私の秘密の事は誰にも言わないでもらえますか?」
「あぁ誰にも言わないよ、加護持ちなんてバレたら大変だ」
「加護?」
あ、やば普通に加護のことを聞いちゃったよ
まぁいいや、開き直って強く押してみるか
「精霊王の加護を持っているんじゃないのか?」
しかしミラは何がなんだかと言った感じで首をかしげているだけであった。ミラ自身は知らないのか
「......いやすまん、勘違いみたいだ」
「ならいいんですが……その秘密にして欲しい理由は魔眼のことなんですが」
そうか、この世界では魔眼は呪いと忌み嫌われているものだったんだ。単なるユニークスキルなんだが、人というものはやっぱり自分にはない特殊なものを恐れるものなんだな
「あぁ秘密にするよ」
「その...アレウス様は気にしないのですか?」
「あぁ全然気にしないぞ?それに言ったろ?ミラの魔眼は綺麗だって」
「そんな綺麗なんてっ...!」
そう言ってミラは泣き出した
(よく泣く子ですね)
そんなこと言ってる場合じゃないだろが...
「す、すまん、大丈夫か?」
「違うんです...うぅ、私魔眼のこと知られたらアレウス様に捨てられると思って、……うぅ、それに、綺麗って!...私初めて魔眼のことで褒められました...」
そう言って彼女はまた泣き出す
俺は彼女を疑いすぎていたんだ、ほんとにこの子は純粋に俺に恩を返そうとしているんだ
(精霊たちが悪い子を好きになるはずがありませんよ)
エリーナもそう言ってるんだ、俺はミラを信じてあげるべきなんだろう
俺は覚悟を決めて、泣いてるミラを自分の胸に抱き寄せる
彼女は体をこわばらせたが、段々俺に寄りかかってくる
「ミラ、聞いてくれ、君は俺に一生一付いてきてくれるんだろ?」
「はい...」
「ミラがそう言うなら俺はミラのことを一生守る」
「はい...」
「なぁ、ミラ俺の秘密を聞いてくれないか?俺は君を信じて俺のすべてを話す」
「はい、お願いします」
「じゃあ聞いてくれ...」
俺はミラを信じて俺のことを話すと決めた
この話の後は改稿する前なので設定に矛盾が生じてるかもしれせん、よろしくお願いします