魔神転生
よろしくお願いします
ー王城・パーティーホールー
「くくく、これで我々の時代が来ますよ、殿下」
ダースが笑いが止まらないといった様子で話す
「あぁそうだな、今日からは俺が王となる。誰にも文句を言わせない。」
「えぇこの儀式が終わったら殿下に文句をいう輩なんて存在しませんよ、例えあったとしても死の運命が待ってるだけでございます」
そう言ってハロルドとダースは勇者タケトを見る
「ダース、では頼んだぞ」
「仰せのままに」
ダースはゆらりと一礼してタケトの前に行く
「タケトよ、準備はいいかな?」
「...早く俺に力をくれ...」
そう答えたタケトの目にはもう正義の光など宿ってはいなかった
「あぁすぐに力を与えよう」
そう言うとダースは手のひらをタケトの胸にあてる
そしてタケトの胸に一つの魔法陣が浮かび上がる
「ぐ、ぐぐぐ...がぁっ...!」
タケトが苦しみだし、魔方陣から黒い瘴気が立ち込め、タケトを包んで黒い繭を包んでいく
「うぐ、ぐ...がぁぁぁぁぁぁぁぉ...!!」
そしてしばらくするとタケトの叫びがとまり
ドクンッ!ドクンッ!
黒い繭が脈動を打つ
「くくく、あとちょっとだ。もうすぐ来るぞ、邪神様の時代が!!」
繭を見たダースが高らかに叫びをあげる
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ー王城・謁見の間ー
「さて、ダースたちを探すか、と言いたいところだが...陛下、どこか心当たりがありませんか?」
正直あいつらがどこに言ったか見当もつかない
「すまない、アレウスよ。私にはわからない...」
カイゼルが弱々しくうなだれる
「いえ、大丈夫です、お気になさらず」
俺は立ち上がりミラとカトレアの方を向く
「カグヤのユニークスキルの封印には成功したが、魔物の襲来は止まりそうにない。残り時間が数時間しかない、はやくダースたちを見つけよう」
「そうですね」
「それはわかっているけど...どこにいるかわかるの?」
カトレアが俺に最もなことを聞いてくる
「いや、正直わからない。あいつらはクーデターを起こしているんだ。この王城の中にはいるはずだが...」
ドクンッ!!
その瞬間俺の中で何かを察知する
「これは...!ミラ、カトレア感じるか?」
「えぇ、なんとも言えない気持ち悪い感覚が」
「えぇ体にねっとりつくような空気ね」
どうやら2人も感じているらしい
「多分あいつらが何かしたんだろう。この波動の発生位置まで行くぞ」
「わかりました」
「早く行きましょう」
俺は波動の発生座標を割り出して、「ゲート」で移動する
「この部屋は晩餐会で使った時の...」
「えぇあの時使ったパーティールームのようね」
俺たちはそのパーティールームの扉の前にいる
部屋の中からこれでもか言わんばかりに黒い瘴気が漏れ出ている
「どうやらこの部屋で間違いない、入るぞ」
俺は2人が頷くのを確認して、部屋の扉をあける
「おいおい、なんだあれは...」
俺たちが部屋に入ると
そこにはダースとハロルドがいて、部屋の中心には脈動を打ちながら、そのリズムに合わせて黒い波動を生み出す、黒い繭だった
「まるで心臓みたいですね...」
ミラがそんなことをつぶやくがまったくその通りだ
「おやおや、誰かと思えば。またあなたたちですか」
「ダース...!」
カトレアがダースの声に反応して苦々しげに声をあげる
「おい、ダース、お前は何者だ?」
「私ですか?私は邪神様の復活のために活動する教団員ですよ!ガストンの馬鹿がドレアム様の復活を失敗させたのでね、この計画をたてたのですよ!」
ここでガストンの名前が出てくるか...それに教団っていうのも気になるな
「なぁその教団ってのは何なんだ?」
「お前に教えるわけがなかろう」
「そうか」
ズパッーーーン!!
俺は無言で黒い繭にレールガンを打ち込む
しかしレールガンが直撃した繭は無傷だった
未だに黒い波動を打ち出している
「ちっ、気味が悪いな」
「貴様!!何をする!!」
ここでずっと黙っていた第二王子のハロルドが声をあげる
「文句あるのか?」
「ひぃっ」
俺が少しさっきを混ぜて答えると、ハロルドはびびって腰を抜かす
「やめてくれませんか?殿下はただの人間ですから、それにこれに何をしたって無駄ですよ」
ダースは繭に目を向ける
「まるでお前が普通の人間ではないみたいな言い方だな」
「くくく、さぁどうでしょうね」
ダースが気味悪く笑う
確実に何か力を手に入れてるな、鑑定がきかないあたりも気になる
「ミラ、カトレアお前らにはダースの相手を頼みたいんだが」
「えぇダースは私の敵よ、私の手で借りを返すわ」
「カトレアのために私も頑張ります」
カトレアとミラが俺に答える
「そういうことだ、相手してもらうぞ」
「くくく、別に構いませんが。もう遅いですよ?」
「なに?」
ドクン...ドクン.........ドクンドクンドクンドクンッ!!
繭の脈動がどんどん早くなっていく
ビキッ...ビキビキビキビキッ...!!
紫の光を漏らしながら繭のヒビが生まれ、中ら何かが出てくる
「あれは......!」
繭から出てきたのは1人の男だった
「...あれはタケトか?」
そこにはタケトらしき男がいたが、見た目はかなりタケトとは違っていた
浅黒い肌、少し長い灰色の髪、そして額には2本の小さな角が生えている
俺はが鑑定をかけると
転生魔神・タケト
「...魔神だと?」
そこには確かに魔神と二文字があった
「くくく、成功です!今新たな魔神を誕生させることに成功しました!!さぁ今、邪神様のために新たな国を作りましょう!!」
そして、今日から魔神七柱とは別に新たな魔神が誕生した
お読み頂きありがとうございます
ご意見、ご感想があったらどんどん言ってください!
やっとシリアスなシーンがかけ始めました...




