怒りの幼女
本日ラストです
よろしくお願いします
「やったー!!ついに完成したわ!!」
朝っぱらからカトレアの元気な声が響きわたる
俺とミラはゆっくり朝食をとっていたので
2人でポカンとしている
「ちょっと、どうしちゃったのよ。二人して口開けちゃって」
俺はミラと目を合わせて「何のことやら?」と頭をお互いの傾けていた
「カトレアどうしたんだ?」
「だから、ついに完成したのよ!」
「カトレア、それはあなたがしていた研究のことかしら?」
「えぇそうよ!ちょっと見に来て!」
俺とミラはカトレアに言われるがまま工房へ向かうと
「じゃじゃーん!」
カトレアが手を広げて俺たちに見せてくる
「...これは...?」
俺たちの目の前にあるのは人形?みたいな機械だった
「わからないの?これはゴーレムよ!」
「ゴーレムってあのゴーレムか?」
「本物とはちょっと仕組みが違うけどね」
そういってカトレアはゴーレムを起動させ
ゴーレムを歩かせる
「おぉ!」
まだ少しぎこちないがしっかり歩いている
「これはアレウスの知識のロボットっていうものからヒントを得たわ」
確かにこれはゴーレムというよりはロボットだ
「あぁどっからどう見てもロボットだな」
「カトレアはこんなものまで作ってしまうのね」
「これはあのグランドゴーレムの魔石を核にしてるから半永久的に動くわ」
ほんとにすごいものを作ったな
「まだ歩いたりしかできないけど、いつかはこの家の警備だったり、生活面で助けてもらえるように改良するわ」
「あぁカトレアほんとにすごいよ」
「当たり前よ!この屋敷は広すぎるからミラだけじゃ掃除とか大変でしょ?」
確かにこの屋敷の家事は全てミラがやっている、ミラがすべて自分でやりたいとは言っているが1人ではなかなか大変だろう
「カトレア...あなた...」
もうミラさんの感動が止まらないよ
「ふふふ、まだこんなんだけどもっとすごいものを作り上げてみせるわ!」
カトレアは高々に告げる
「それとアレウス、ちょっとごめん...私もう...」
そう言ってカトレアがふらつくので俺は倒れないように受け止める
「すぅーー...」
俺の腕の中にいるカトレアは可愛らしく寝息をたてていた
「どうやら疲れて眠っちゃったみたいだな」
「ここ最近ずっと研究に集中していましたからね」
俺はカトレアをそっと部屋のベッドに寝かせた
その後午前中は新しい魔法などを考えながら、ゆっくり過ごしていた
「ふぁ〜、あまり寝てなかったからよく眠れたわ」
俺たちが昼ごはんを食べているとカトレアが起きたのでやってくる
「カトレア、だらしないぞ」
カトレアをボサボサしてお腹を出しながらやってきていた
「んー、わかったわ。ミラお願い」
「仕方ないわね。「クリーン」」
ミラの生活魔法によってカトレアの寝癖が直る
「クリーン」って寝癖まで直るのかよ
「それにしてもあのゴーレムはすごいな」
「えぇほんとに大変だったわ、魔石を核にするところまでは浮かんだんだけどね。なかなか動いてくれなかったのよ」
その後カトレアはいろいろ説明してくれたが
配線の代わりがどうだの、魔力の伝達速度や伝達率がどうだの、俺にはよくわからなかった
「これからもうちょっと改良をしていきたいわ」
そのうち人工知能とか作り出しそうな勢いだ
「俺とミラは今日も闘技大会だがカトレアはどうする?」
「今日は私も行くわ、それにカグヤにも会ってみたいわ」
今日もどうやら闘技大会→遊郭の流れで決まりか
昼ごはんをたべて俺たちは「ワープ」で王都まで移動する
俺たちが闘技場へ向かっていると
「あ、お兄ちゃんはっけーん!」
「発見です!」
アンとレアが俺たちを見つける
「今日も観戦か?」
「うん!」
「そうです!」
てことは今日も遊郭に募金をしなければならないのか
まぁどうせ行くつもりだったから構わないけど
俺たちが5人で話しながら歩いていると
「やぁやぁアレウス君じゃないか」
呼ばれた方をみると、勇者タケトとその仲間の女の子たちがいた
「なんだなんか用か?」
「いやいや、ただの挨拶さ」
「そうか、じゃあな」
俺が立ち去ろうとすると
「あんた何様よ!この前だってタケトを無視ろうとして!」
タケトのハーレム1号がまたしても俺に文句を言ってくる
「あなた...」
ミラが前に出ようとするが俺はそれを防いで先に言葉を発する
「あいつは挨拶をしただけだろ?なら俺は挨拶を返して立ち去るだけだ。問題ないだろ?」
俺がそう答えると
「タケトは別にあなたに用なんかないわよ!タケトが用があるのはあなたの奴隷をしているかわいそうなそこの2人よ!」
そう言ってミラとカトレアを指さす
「かわいそう......?」
さっきから黙っていたカトレアが声を出す
「カトレア、落ち着け。それにミラも」
「ですが...!」
「アレウス...!」
俺は二人にこんなつまらないことで問題を起こして欲しくなかった
「そうだ、僕はアレウス君に今日があるんじゃなくてね。そこの2人に用があるんだ」
タケトが口を開ける
「もうすぐ僕が助けてあげるから、待っててねと言おうと思ってね。そんな男の夜の相手なんてするのはかわいそうでね」
ブチッ
俺の中でとどめていたものが何かが切れた拍子に溢れ出す
(アレウスさん!おちついてください!)
「このクズが...!」
俺が言葉を発しようとすると
「待ってよ!」
「待ってです!」
俺が言い切る前にアンとレアが声をあげる
「お姉ちゃんたちは悲しい奴隷なんかじゃないよ!」
「そうです!いつも楽しそうです!」
2人が叫びながらいう
「だから、お兄ちゃんを悪くいうなら...」
「悪くいうなら...」
「「許さない(です)!」」
アンとレアが俺達の前に立って堂々そういう
「行こう!」
「行こうです!」
2人は俺たちを無理やり連れて闘技場へと向かう
そして、だいぶ落ち着き
「アン、レアありがとうな。本当に助かった」
「ありがとう、2人とも」
「えぇ、あなたたち、二人のおかげだわ」
俺、ミラ、カトレアはアンとレアにお礼をいう
「当たり前だよ、お兄ちゃんたちを悪く言われたら許せない」
「許せないです」
プンプンと怒るふたりを俺は抱きしめる
「本当にお前たちのおかけだよ」
「えへへ」
「えへへです」
2人は恥ずかしそうに笑う
(まったく、あの場でこの2人が出てこなかったら危うく大惨事でしたよ)
「(あぁほんとにそうだったな。身内のことになると俺もミラもカトレアも我慢がきかないみたいだな)」
「ご主人様...申し訳ありません」
「アレウス...ごめん...」
ミラとカトレアが俺に謝ってくる
「何を謝ってるんだ?俺はお前らがあそこで怒ろうとしたことは逆に嬉しいよ。それでも俺はあんなつまらない奴らにお前らが怒って欲しくなかったんだ」
今度はミラとカトレアを抱きしめる
「ご主人様...」
「アレウス...」
二人もどうやら落ち着いたみたいだな
タケトめ、あいつは絶対に許さない
しかしまだ準決勝だ、この感情は一旦しまっておこう
そうして俺たちが闘技場につくと
「あ!アレウス選手!」
係員が俺を呼ぶ
「どうしたんだ?」
「その...準決勝の2人が急遽辞退して、今日タケト選手とアレウス選手の決勝戦となります!」
なんて都合がいいんだ!
俺は一度しまった感情を再び沸き上がらせ獰猛に笑みを浮かべた
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