獣人侍
よろしくお願いします
「お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんです!」
ミラ、アン、レアはの所に行こうとしていた俺にアンとレアがが気づいて突進してくるので、俺はなんとか2人を受け止める
「まったく、危ないだろ?」
「お兄ちゃんなら安心!」
「安心です!」
2人は俺の胸にグリグリ顔をうずめてくる
俺が2人を抱きかかえたまま席に戻ると
「まさかアレウスさんは子持ち!」
「あの強さで子持ち...やっぱり夜の方も...」
うーん、変な誤解を受けてる気がするが気にしない方がいいだろう
(いや、夜が強いのは誤解じゃないですよね?)
くっ、痛いところをつかれるな
「ご主人様、お疲れ様です」
「ありがとう、ミラ」
俺がミラと会話をしていると
「ま、まさかあれが奥さん...あんなに美人なんて!」
「くそ!世の中不公平だ!」
またしても変な誤解を受けている
「ふふふ、奥さんですって、あ・な・た?」
おっと、ミラさんなにを言ってるのかな?
まさかミラが向こう側の人間だったとは
「は、ははは...とりあえず座るか」
俺は苦笑いをして誤魔化した
「お兄ちゃん、魔法すごくかっこよかったね!」
「かっこよかったです!」
「そうだろう!そうだろう!」
よし、アンとレアのウケもバッチシだ
「俺の魔法の勇者の魔法どっちがかっこよかった?」
「もちろん、ご主人様です」
ミラ、答えるの早すぎるし俺がどんな魔法使っても俺って答えるでしょ?
(それ以前にアレウスさんの質問が恥ずかしいです)
別にいいじゃないか気になるんだから
「お兄ちゃんだよ!」
「お兄ちゃんです!」
「ほんとか、嬉しいぞ!」
俺はあまりにも嬉しかったのでふたりを抱きしめる
「あのご主人様...私には...?」
ミラが上目遣いで俺に聞いてくる
くそっ抗えない...
俺は2人を話をミラをそっと抱きしめる
ミラの亜麻色の髪からいい香りがする
「昼間からあんな堂々と...!」
「しかもこんな人前で...!」
おっと、周りに人がいるのを忘れたいた
俺はとりあえずミラから離れることにした
「ご主人様、それにしてもあの魔法は見た目と比べてあまり威力がなかったように見えるのですが」
「お、ミラは気づいたか」
俺はアンとレアにバレないようにさっきの魔法について教えた
「ふふふ、ご主人様子供みたいですね」
「む、別にいいだろ。結構大変だったんだぞ?」
「そうですね、かなり高レベルな魔力の扱いでした」
ミラはそっちの面で俺の魔法を褒めてくれる
「お兄ちゃん!あの魔法の名前は何?」
「なんですか!」
「あれは雷魔法「ボルテクス・レオ」だ。百獣の王ライオンの力を借りるんだぞ」
「ひゃ、百獣の王!」
「か、かっこいいです!」
アンとレアの瞳の輝きがさらに増す
そんなことを話していると第三試合が既に始まっていた
その間も二人の興奮がおさまることはなかったので俺は2人の相手をしているので精一杯だった
「あれ?第三試合終わったのか?」
「えぇ少し前に、それでもご主人様たちの試合のインパクトが大きすぎてあまり盛り上がりませんでした」
それは少し悪いことをしてしまったかな
「ってとこは次はタケトの番か」
「えぇ、そうですね。早く負けないでしょうか」
ミラが次はタケトの番なのでどんどん毒気が増していく
「さぁさぁ次で今日最後の試合だぁ!
最後の対戦はまず先に前回も勇者の名に恥じない戦いをしてくれました勇者タケト!」
「「「きゃーーーー!!」」」
女性陣の歓声があがる
ミラはの方を見てみると...うん、無表情だ
アンレアはさっきからふたりして
「「ボルテクス・レオ(です)!」」
と言ってポーズをして俺の真似をしている
「さぁさぁお次は謎の獣人剣士ギンゾウだぁ!」
ワァーーーー!
タケトには負けるがこれまた歓声があがる
「獣人剣士ね...」
俺の視界にいるギンゾウはどう見ても流浪人の侍のような格好している、さらに使っている武器は刀だ
刀を使っている人間はこの世界じゃ少ない、周りから見たらそこそこ珍しいんだろう
そして2人は何も言葉を交わさず試合開始位置につく
「さぁさぁ準備はいいかな?試合開始ぃ!!」
司会が試合開始の合図をするが2人は動かない
俺はギンゾウの方に注目していた
「あれは居合いか」
「居合いですか...?」
俺はミラには居合いについて説明をする
「まぁ簡単に言えば瞬速のカウンターみたいなものだな」
しかしそう言って簡単なことじゃない
基本的には居合いは待ちが必要であり
その待ちを可能にする胆力、そして音速を超えるスピードの抜刀する技術どれも簡単には会得できない
「まぁ逆にもう結果は見えてるんだけどな」
そうなんだ、もう既にこの勝負の結果は見えていた
タケトが動き、ギンゾウに近づいていく
どんどんギンゾウの間合いに近づいていく
そして、2人がお互いの間合いに入った瞬間
ズバッ!!ふたりが一気に交差し、風が流れる
パキンッ
少し高い音を鳴らしギンゾウの刀が折れる
ギンゾウはそれを見て驚き降参している
俺が既に勝敗がわかっていたのは武器の性能だ
タケトが持っている剣は聖剣だ、ギンゾウの使っている武器がどんだけ業物だったとしても音速を超える速さでフラガラッハにぶつけてしまえば折れるのは当然だ
「し、試合終了!!見えなかった、何も見えなかったぁ!!しかしギンゾウ選手の刀は折れていた、これはタケト選手の圧倒的な勝利!!」
俺には見ていた、わざとギンゾウの刀を叩きおるタケトをそこに少し汚い感情が入っていたことも
「あの男...どこまでもゲスですね」
どうやらミラも見えていたらしい
「あぁこういった真剣勝負にあぁいうくだらないことをするのは腹が立つな」
(アレウスさんだって、さっき魔法で遊んでいたじゃないですか)
あれはパフォーマンスだからいいんです
「俺は少しギンゾウの所に行ってくる」
俺はそう言って、観客席を立つ
「ギンゾウさん、すいません」
「お主は...アレウス殿か、いったい私に何のようですか?」
お主って、ほんとに侍だな
「あぁそのさっきの試合で刀が折れててしまいましたよね?」
「あぁそれがどうした」
「俺の知ってる腕のいい鍛冶師を紹介したくて」
俺はそう言って愛刀「月光」を見せる
「これは...!」
ギンゾウが目を見張って驚いている
「いい刀でしょ?ギンゾウさんにこの刀の製作者を紹介したくて」
「そ、それは本当ですか!」
ギンゾウが食いついたように聞いてくる
「はい、ブリストンっていう街のグランというドワーフがやってる装備屋に行ってください、そのグランがこの刀の製作者です」
「あ、ありがとうございます」
「いえ、俺はギンゾウさんの居合いの技術の高さに驚きましたからね、どこでそれを?」
俺は気になることを聞いてみる
「これはツヴァイ大陸の獣人王国ズーラシアにある流派の一つです」
この人は別大陸から来た人なのか
「そうですか、いつかズーラシアには行ってみたいものです」
「えぇ、とても良いところですよ。私はとある事情で旅をしています」
ほんとに流浪人だったのか
「そうですか、グランの所に行って俺の名前を出せば便宜を図ってくれると思うので、それでは」
「アレウス殿、ほんとにありがとうございます」
ギンゾウは俺に礼をする
俺は最後にもう一度挨拶をして、ミラたちのところへ戻った
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