カグヤの願い
よろしくお願いします
「アレウスさん申し訳ありません、少し用事が出来てしまいまして」
「いや、別にいい。もう夜になってるからならお代はここに置いとくよ」
「すいません、ありがとうございます」
そういってレイラはどこかへ行ってしまう
俺はレイラがどこへ行くか視線で追っていると
「あれは...」
そこにはダースとダースの兵たちがいて
ダースとレイラが何かを話している
「何を話しているんだ?」
遠くて会話が聞こえない
俺はレベルアップにより鍛え上げられた動体視力で読心術を試してみる
俺は早速何を言ってるのかを探った
レイラとダースの唇の動きを見ていると
「「誘惑姫」を渡せ?」
ご都合主義ありがとうな展開により読心術が成功した
そしてダースの言葉からそんな単語が出てきた
上を指さしながら言っていた
それに対しレイラは激昴していた
二人の会話はそれで終わりダースたちは帰っていく
「「誘惑姫」か...」
俺がダースが言っていたこの言葉について考えていると
「お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんです!」
「おわっ!」
腹に伝わる二つの衝撃
「アン、レアどうしたんだ?説教は終わったのか?」
俺の腹にアンもレアが抱きついていた
「終わったよ!」
「説教が終わったから無敵なんです!」
「それは良かったな」
何が無敵かはよくわからないけど
「お兄ちゃん、今日もお話してくれる?」
「してくれるです?」
2人はこの後のことを言ってるのだろう
「あぁいいぞ、その前にミラとカトレアを迎えに行かなきゃいけないが」
2人は今アピエダの屋敷にいるから
夜に迎えに行くと約束していた
「お兄ちゃん、ついて行ってもいい?」
「いいです?」
「あぁ構わないぞ」
「「やったー!」」
2人は大喜びです
よし、あの魔法を使ってやろう
「じゃあ二人とと俺から離れるなよ」
「何をするの?」
「するのです?」
「ふふふ...よく聞いておけよ?...「ルー〇」!」
俺はそう言って「ワープ」を発動して屋敷へと向かう
「あれ?ここはどこ?」
「遊郭じゃないです」
2人は突然の転移に驚いている
「二人とも俺は〇ーラで移動したんだ」
「ル、ル〇ラ!」
「ルー〇です!」
2人はその魔法の名前を聞いてテンションを上げる
「そしてここは俺の家だ」
「で、でかい」
「おっきいです」
ふたりはさらに俺の屋敷を見て驚く
そういって屋敷の前で3人で騒いでいると
「あら、ご主人様」
中からミラがでてくる
「あぁ、ミラ迎えに来た」
「迎えに来たよ!」
「迎えに来たです」
アンとレアも俺の真似をして言う
「ふふふ、賑やかなお迎えですね」
ミラもそれを見て笑っている
「あぁすまんな、少し用事があって遊郭にいたんだ。このあとも、いつものように遊郭で話してくる」
「そうですか、わかりました。すいませんがご主人様...」
「どうした?」
ミラが何かを言おうとしている
「カトレアが何かを思いついたらしく、今日は工房にこもりたいと言ってまして、私はカトレアが無茶をするのが心配なので、二人とも今日は屋敷に残りたいんです」
どうやらカトレアがまた何かを発明するらしいな
「いや、構わないよ。それじゃあお金とグランドゴーレムの魔石とか素材を置いていくよ」
「ありがとうございます」
俺はそういってマジックバックに小分けしてミラに渡す
「じゃあ俺たちは戻るから、何かあったら通信機で連絡してくれ」
「わかりました」
俺たちはそういって「ワープ」で遊郭へへ戻りカグヤの元へ向かう
「お姉ちゃん、聞いて!」
「聞いて聞いてです!」
「あらあらどうしたの?」
2人は部屋に入るや、すぐに今日あったことを話している
「へぇそれは私も見たかったわね」
カグヤが楽しそうにそう言っているが
俺はさっきのレイラの言葉が耳に残り複雑な気持ちになった
「じゃあ今日も話の続きを話そうか」
「お願いします」
「早く早く!」
「楽しみです!」
俺は昨日の話の続きを話した
そして...
「アンとレアは眠っちゃったか」
「ふふふ、あんなにはしゃいでましたもんね」
アンとレアは例のごとくはしゃぎすぎて眠っている
「今日は2人のためにありがとうございます」
「いや、偶然会っただけだからな。気にするな」
俺はカグヤと会話を始める
「ふふふ、でも2人が羨ましいです。色々なものが見れて、私もいつか見てみたいと感じてしまいます」
カグヤが弱々しい笑顔でそう言う
俺はその表情を見て何も言えなかった
「アレウスさん、少し私の話をしてもいいですか?」
そう言ってカグヤは自分の話をする
「私は元々奴隷でレイラさんのおかげとここに来れたと言いましたよね?」
「あぁそうだな」
「そのいきさつを話したいと思います」
カグヤは14の時に奴隷になり、15になってアンとレアと出会ったらしい
そして、15の時に事件が起こった
「突如ですね、私たちがいた街がモンスターの大群に襲われたのです。そして私たちはそこでレイラさんに救われてこの遊郭に連れてこられました」
どうやらレイラは冒険者もやっているらしい
あの高レベルなのも納得がいく
「でも、問題はそこではありませんでした...。そのモンスターの大群の原因は私だったのです」
「それはどういうことだ?」
「私はモンスターの大群の襲来の前にユニークスキルを発現させていました」
彼女がユニークスキルを持っているのほ知っている。その名前は...
「そのユニークスキルの名前は「絶対魅了」。私の意思と関係なしにモンスターを引き寄せてしまうんです...」
カグヤ辛そうな顔でそういう
「そして、私が原因でその街にモンスターの大群が押し寄せ、町の人はモンスターに襲われました。私が原因で...!」
カグヤは涙を浮かべながら言葉にする
「カグヤ...」
俺は何も言えなかった
気休めの慰めでは意味が無いとわかっていたから
「レイラさんにそのことを話し、私はこの部屋に入れられました。この部屋には特殊な仕掛けがあって私のスキルを抑えてくれたいます。私はそのためにこの部屋からは出られません」
カトレアがこの部屋から出られないのにそういった理由があったのか
「アレウスさん...私は...私は...!外の世界が見たいんです...!でも...私はこの部屋からは出られない、出ればまたモンスターたちを呼んでしまう」
カグヤが心から叫ぶら長年我慢してきた思いをただひたすら吐き出すように
「私は...それでも世界が見たい、色々なところに行ってみたい...!だから...だから...アレウスさん...」
カグヤは言葉を紡ぎ
「アレウスさん...!いつか、いつか私を...助けてください...!」
カグヤが涙を流しながら俺に気持ちを伝えくる
「カグヤ...わかった、俺は可能な限り君の力になろう。」
俺はすぐにカグヤに答えた
「俺がいつかカグヤを外の世界に出してやる。それにモンスターの大群を呼んでしまうのはカグヤ自身のせいじゃない、あまり考えるな」
「はい...」
「うちには優秀な魔道具の発明家がいる、そいつに頼めばスキル封印の魔道具なんてすぐに作れるかもしれない」
俺はカトレアにこのことを話して開発できるか頼んでみることを決めた
「だから、もう泣かないでくれ」
俺はカグヤが落ち着くように知らずのうちにカグヤを抱きしめていた
「アレウスさん...」
カグヤは俺の胸に顔を埋め、涙を流す
そして、しばらく時間がたち
「どうだ?落ち着いたか?」
「はい...すいません、ありがとうございます」
「ならよかったよ」
そして、カグヤは今の状態に気付き
「はっ、えっ、いや...!す、すいません!」
カグヤは俺から離れるように俺を押し離す
そんな押しはじかなくても...
(やーい、嫌がれてますね!)
エリーナの腹立つ声が再び聞こえてくるが俺は無視をした
「すまん、そこまで嫌がるとは思わなかった」
「ち、違うんです!その恥ずかしく...」
最後の方は聞こえなかったが、違うのならいいんだろう
「じゃあカグヤ俺はもう行くよ。俺はカグヤをいつかここから外に世界に連れ出さしてみせるさ」
「はい、ふふ、アレウスさんは私の勇者様です」
カグヤは可愛らしく笑顔を浮かべて俺に答える
俺はそして遊郭をでて屋敷へと向かった
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