王都ブリミラ
よろしくお願いします
「しっかしアレウスが侯爵様になってるとはな。これからアレウス様って呼んでやろうか?」
「絶対にやめてくれ、気持ち悪いぞ」
俺たちは今馬車に乗って王都へ向かっている
そしてカインたちが俺たちの護衛を必要としている
何故カインたちが俺たちの護衛をしてるのかというと、一時間前にさかのぼる
「ご主人様、王都へ向かうなら形だけでも冒険者の護衛をつけるべきです」
ミラが俺にそう提案してくる
確かに貴族になるなら形だけでもそういうのは取り繕って置いた方がいいな
「じゃあ出る前に冒険者ギルドにでも顔を出そうか」
そうして俺たちはカルロに会いに行った
「という訳だから、冒険者を紹介してくれないか」
「えぇ分かりました、では少しお待ちください」
カルロは秘書に何かを伝えると秘書は出ていく
「それにしてもS級になられるのですか」
「あぁなんか問題があるらしいんだが一体何なんだろうな」
「どうでしょうね...それでもアレウスさんの実力なら見れば文句を言えないでしょうね」
そんなことを話しているとある冒険者たちが入ってくる
「失礼します」
「ギルドにいたか、よかったよかった」
「カイン?」
「ん?アレウスじゃねぇか!」
「アレウスさんとカインは知り合いだったのですか?」
「あぁちょっと昔にな、俺の数少ない知人のひとりだよ」
「それならちょうど良かった、彼らは最近Bランクになったものです。住民からの信頼もあり、実力もあります。アレウス様の護衛の役にはちょうどいいかと」
そこからはいろいろ話して今に至る
「カインたちは俺が侯爵になったのは知らなかったのか?」
「あぁちょうど依頼で街を出てな、それにしてもほんとに驚いたぜ」
「あぁ悪かったよ、それにしても俺も驚いたぞ、まさかBランクになってるとはな」
「あぁお前がAランクになってるとわかった時から頑張ったよ」
「そうか、それは良かったな。だが俺は今度Sランクだぞ?」
「Sランク!?それはほんとか?」
「あぁほんとだ」
「くっそー、アレウスお前速すぎだぞ!」
カインが心底悔しそうな顔をする
「悪かったな、っておいしっかり馬の手綱を握れ」
俺は今御者席にカインと並んで座って会話をしていた
馬車の中にはミラとカトレアがいる
「それにしてもアレウスお前の可愛い仲間はどうやって仲間になったんだ?」
「それは秘密だよ」
「かー、うらやましい限りだぜ。俺もあんな可愛い彼女が欲しいよ」
「冒険者じゃそういうのは大変だろうな」
「そうだよなぁ...ソニアちゃんと付き合いたいなぁ...」
どうやらカインはソニアに気があるみたいだな
「ま、そんなことよりよ、アレウス、王都はそろそろ祭りだぜ?」
「祭り?何かあるのか?」
そんなこと全然知らなかった
「知らないのか?王都で年に1回二週間かけて開かれる大きな祭りだよ!そこでなら女の子との出会いもあるってもんだ。それによ...」
「それに...?」
何だか意味ありげに言ってくるな
「それに王都には遊郭があるんだよ、どうだ興味ひかれるだろ?」
カインが小声で言ってくる
ほう、遊郭とは確かに気になるな
「ま、あんな可愛い2人がいるアレウスには関係ない話だろうけどな!」
俺はカインと下らない話をしながら王都への旅を続けた
その後10日間なにも問題が起きることはなく
俺たちは王都につく
「じゃあアレウス俺たちは祭りの観光をするからな、また会おうな!」
そういってカインたちと別れる
「ふふふ、私たちも祭りが楽しみよね。馬車でミラとも話してたけどデートしたいわね」
「なんだミラとカトレアは王都で祭りが開かれることを知っていたのか」
なんだよ、言ってくれればいいのに
「まぁね!祭りは明後日からっぽいけどもうフライングで色々な出店があるわね」
「そうだな、とりあえず早めに宿をとっておくか、人が沢山来ると宿が取れない可能性も高いからな」
「確かにそうですね。では宿を探しましょう」
俺たちは王都を観光がてら宿を探すことにする
「よってらっしゃい、みてらっしゃい!ここにある矛は貫けないものがないと言われる世界最強の矛でございます。」
なんか見世物をやっているみたいだな
「そして、こちらにありますわ。どんなものでも防ぐと言われている世界最強の盾でございます」
なんと、あの矛盾の話が行われている
しかし矛と盾の紹介を同時にやっていいのかね
「それにしても世界最強か...俺のフェイトとミラのイージスをぶつけてみたらどうなるかな」
(なんて恐ろしいこと考えているんですか、絶対にやらないでくださいよ)
あぁ俺もそんな恐ろしいことは絶対にしないよ
俺がそんなことを考えていると
「ねーねー、じゃあその矛でその盾をついてみてよ!」
「うん、見たいです!」
2人の獣人の子供が質問する
やっぱり出てきたか、それにしても子供か
なかなかいい発想をしているな
「ねーねー、おじさん!」
「やってです!」
見世物の男がそう質問されて困っている
「おい、がきども!あまり調子に乗るんじゃないぞ!」
男が怒鳴る、おっとこれはちょっとまずそうだな
俺は危険を予想してその見世物の所に近づく
「ねーねー、やってよ」
「ねーねー」
「このガキどもぉ...いい加減にしろ!」
見世物屋の男が子供たちに殴ろうとする
「おっと、子供に手をあげるのは頂けないな」
「なんだお前は!」
男が俺に怒鳴る
「別に俺が誰だっていいだろ、それよりやってみろよ、その矛でその盾をついてみろよ」
「そうだよ、やってよ!」
「やってやってです!」
二人はちょっと黙ってなさいって
「く、くそぉ...見世物は終わりだ。散れ散れ!」
男は諦めて、矛や盾をしまってどっかへ行ってしまう
「やってくれなかったね」
「そうだねーです」
2人がのんきに話している
「お前たち、今危なかったんたぞ?殴られそうになったんだからな?」
「でもお兄ちゃんが守ってくれじゃん!」
「安全です!」
それは結果論じゃないか
まぁそんなこと子供言っても意味無いか
「まぁ確かにそうだな、それよりもうこんな危ないことをしないでもっと考えて行動しろよ?」
「うん、わかったよ!じゃあお兄ちゃんが私たちを送ってって!」
「それはいいねです!」
「お前らをか?」
「「うん!」」
まぁ子供ふたりをこのままほっとくのも危ないから別にいいだろう
「ミラ、カトレアすまんがちょっとこの2人を送ってくる。すまないが宿の方を頼めるか?」
「わかりました、宿の方はお任せ下さい」
「見つかったら通信機で連絡するわね!」
「あぁなるべく安全でサービスがしっかりしてるところにしてくれ、いくらかかっても構わん」
「わかりました」
「じゃあ後でね!」
俺はミラとカトレアと一旦分かれる
「じゃあ行こうか、二人とも」
「ついてきて!」
「きてきてです!」
俺は二人と手を繋ぎながら二人に連れてかれるがまま歩く
「ここだよ!」
「ここです!」
「ここは遊郭か?」
「うん!私たちはここの侍女をやってるの!」
「そう、やってるのです!」」
これがカインが言っていた遊郭か
「そうか、偉いんだな」
「うん!ありがとうねお兄ちゃん!」
「ありがとです!」
そこで俺は獣人の娘ふたりと別れる
「それにしても遊郭か」
俺は遊郭の建物を見上げる
「ん?」
建物の一番上で誰かがこちらを見ている
「金髪の...女の子...?」
しかし少女は俺が見ていることに気付き窓をしめてしまった
「一体なんだったんだ?」
俺は何か不思議なものを彼女から感じた
「ま、この遊郭にはまた来ることになるだろうからな、その時にでもわかるだろ」
俺はムフフと思いながら遊郭をあとにする
王都の市街地をしばらく歩いている不意に通信機の着信音が鳴る
「アレウス?聞こえてる?」
「カトレアか、宿は見つかったか?」
「えぇ見つかったわ、宿の名前はね...」
そういって俺はカトレアから宿の名前を聞く
「わかった、じゃあ今から向かうから部屋で休んでてくれ」
「わかった、ミラと待っているわ」
そういって通信機を切る
「さて、宿に向かうかな...」
そうしてこれから王都での一連事件に巻き込まれる歯車に俺たちは巻き込まれていった
お読みいただきありがとうございます
これなら何ですが、投稿ペースが落ちるかもしれませんすいません
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