ブリストン
「宿「やすらぎ亭」はここか...」
俺はエドさんに紹介された宿の前に立っていた
ドラ〇クエ風の冒険者宿みたいな感じだな
「なかなかいい雰囲気だな」
(ねぇ!もう目を開けて大丈夫ですか?痛くありませんかっ!?)
エリーナがまだうるさいけどほっとくとしよう。
かまってるだけ無駄なことはもうわかってるし、というかそろそろ黙って欲しいんだけど
扉に手をやると子気味のいいドアベルの音が鳴る
「あ、いらっしゃいませ!」
俺がに入ると同時に元気な女の子が俺に挨拶をしてくる
「...なんだと?」
俺は女の子のある部分に目が行く
彼女の頭には犬みたいな耳があるんだ。まさか、そのまさかだよな...
(ふぅ、やっと落ち着きましたね。あ、彼女は獣人ですね)
獣人来た!!初めて見たけど可愛いな、おい!
(キャラがぶれるほど嬉しかったんですね)
いやいや、これは嬉しいだろ?しかしこの耳はどうなってるんだ?人族と同じような耳も頭の横についてるんだが...少し触ってみようか...
サワサワ...
「ひうっ!」
「あ、えと...すまん。その、初めて見たものだから」
(初めてなのに触っちゃうんですか?DTなんですか?転生したからまたDTですか?)
エリーナの挑発には文句があるが反論はできない、無意識って怖いな...
「す、すまんな、ほんとに申し訳ない」
「あ、いえ、その気持ちよかったですし...じゃなくて!もう気にしてないんで大丈夫ですよ!ご宿泊ですか?」
ん?彼女がなんか言ったようだが気にしないでおこう
(やーい!DT!!ロリコン!!)
この野郎ぉ......目の前にいたら絶対アイアンクローをかましてるとこだぞ...
「あぁそうだ、案内頼めるか?」
「はい!お母さん!」
あ、君が説明とかしてくれるんじゃないのね。
手伝ってるだけ偉いものか
「はいはい、アレアそんな大きな声出さないのよ」
と奥の方から女性がやってくる
アレアと言うらしいこの子のお母さんなのか、ほんとに宿屋の女将と言った感じだな
「ご宿泊ですよね?」
「あぁそうだ、知り合いに紹介してもらってね」
「そうですか、ご利用頂きありがとうございます。私はこの宿の女将クレアと言います、こちらが娘のアレア」
「こんにちわ!」
俺も自分の名前を紹介して、二人に挨拶をする
「で、1泊あたりいくら何だ?」
「はい、1泊あたり食事代込みで1000Uとなっております」
1000円か...相場はわからないがわからないものは仕方がない
「あぁじゃあ2日分頼めるか?」
そう言って、俺は2000Uを取り出す
「お風呂はついてないのですが、お湯と風呂桶で200Uになりますがどうしますか?」
俺はシャワー派だから、風呂に入らなくても構わないが、体は清潔に保ちたい
「あぁ頼むよ、これも2日分で」
といって1000Uを出す
「はい、お釣りの600Uです。そしてこれが部屋の鍵です。夕食になったらアレアが呼びに行くのでそれまで部屋で待っていてください」
「あぁありがとう、任せたぞアレア」
そう言ってアレアの頭を撫でで俺は部屋へ向かう
(アレウスさんって思ったんですけど、ロリコンですか?)
「違うに決まってるだろ、やめろ」
(え、ほんとですかぁ?怪しいなぁ?)
「今日の夕飯の時味覚だけ遮断しようかな...」
(すいません、それだけは許してください!)
エリーナが涙ながら謝ってくるので許すことにした
女神なのに情けないよ...
部屋で2時間ほど休んでいると、扉の向こうから誰かがやってくる気配がした。多分アレアだろう
「アレウスさん、夕飯の支度ができましたよ!」
「あぁわかった、今いくよ」
(はぁやっとご飯ですか、楽しみですね!)
はいはい、わかったから、ちょっと黙ろうね?
そして、食堂に向かうともう何人かが座って食事をしていた。俺もあまり目立たないところでひとりで座り料理を待つことにした。
待っている間周りを眺めているとどうやらアレアが給仕しているようだ。常連客なのだろうか、アレアと親しげに話している。この宿のマスコットみたいなものだろう
そうこうしてるうちにアレアが食事を俺のところに持ってきた。どうやらシチュー風のスープとパンのようだ。
「こちらお父さんが作ったオーク肉のシチューとパンです!」
どうやらシチューとそのまま言うらしい
「あのアレウスさん、私もご一緒していいですか!」
「構わないけど、仕事はいいのか?」
「はい!もう給仕し終わったので私も食べていいんです、じゃあ持ってきますね!」
トテトテ少し急いで厨房らしき部屋まで行って、パンとシチューを持ってこちらに戻り俺の向かいの席に座る。
「じゃあいただきます」
「?なんですか?そのいただきますって?」
ん?「いただきます」を知らない?
(この国には無い文化だからじゃないですか?それやるのって私が知ってる限り一つの国しかありませんし、似たような事はしてますが手を合わせるのは珍しいんですよ、きっと)
なるほどね、そういう文化がないわけだ
......というか無意識にやってたけど、これは自分がどこから来たかはっきりわかるものだよな、やることが当たり前すぎて気づかなかったな
「あぁこれは俺の故郷の習慣でな、食事に対する感謝の気持ちを込めるお祈りみたいなものだよ」
「そうなんですか!面白いですね、私もやります!」
と、俺の真似て手を合わせていただきますをする。
食事をしながらアレアとおしゃべりをする
アレアたちは家族主体でこの宿を営んでいるらしい。
アレアは今10歳だが小さい頃からこの宿の手伝いをしてるらしい。
ちなみに彼女の父はガレアといって料理がうまい、さっき厨房から出てきた時に「鑑定」してみたが料理スキルのランクはBだった、このうまいシチューにも納得がいく。というか俺が一年間山小屋で作っていたのは実は料理じゃなかったのかという疑惑まで浮かんでくるんだが
アレアの話を聞いたので、こちらの話も少しする
「え!アレウスさんって冒険者じゃないんですか?」
「あぁ、明日にでも登録してみようと思うんだ」」
「アレウスさん強そうですからどんどんランク上げていきそうですね!」
「できる限り頑張りたいけどあんまり期待はしないでくれ」
すいません、余裕でSランクまで上がれる気がします
(まぁそこまで行くと多分実力以外の選抜面があって、アレウスさんは人格疑われてアウトですよね)
あなたはどの口で言ってるのかな?エリーナさん?
「大丈夫ですよ!あ、でも無理はしないでくださいね?」
「あぁ無理はしたくないからね、ホドホドにするよ」
その後もアレアとは色々な会話をして部屋に戻り、体を洗って明日に備えて寝た。
朝起きて朝食を食べ、今後の目標をエリーナと2人で話した。
「とりあえず、資金が足りないな、服も装備今所持してるの以外何も持ってない」
(確かにそうですね、何かいいアイデアがあるんですか?)
「とりあえず冒険者ギルドに所属しようかなって」
(あ、わかりました!そこで俺TUEEEE?でしたっけそれをやるって言ってましたもんね!)
よく覚えてましたねエリーナさん
「あ、いや、確かにそんな事言ったか...よく良く考えてみればめんどくさいからそれはやめとくわ」
(なんでですかぁ、いいじゃないですかぁ)
「いや、余計な人の反感とか買いたくないから」
(それで冒険者になって、どうするんですか?)
「ギルドなら多分素材の換金とかをやってくれてるはずだろ?だから空間倉庫に入ってる素材を売ろうと思って」
(確かにそんな魔法もありましたね...忘れました)
「おい、大事なことを忘れるなよ」
そんな俺も昨日の夜まで忘れてました
「まぁ素材は大量にあるし、ドラゴンとかは流石に出したら問題になりそうだけど、換金でそれなりにはやってけるんじゃないか?」
(そうですね、それがいいと思います。この街にはどれくらい留まるつもりですか?)
「そうだな、この世界を旅してみたいが、まだ不慣れなことが沢山あるから、ここで最低でも1ヶ月はいようと思う」
(わかりました、では冒険者ギルドに行きましょう)
クレアにギルドの場所を聞き、ギルドまでたどり着いた。
(カインさんたちもいるんですかね?)
「ん?あぁいるんじゃないか?」
(なんですか、その淡白な返しは、)
「いや、別にいようがいまいがあんま関係ないんじゃないか?」
逆に変に絡まれるのもめんどくさいしさ?
(人見知りを誤魔化してもバレバレですよ...大丈夫ですから気にしないで行きましょう!)
そうエリーナにすすめられ、俺は重い足取りでギルドに入っていった。
「おう、アレウス来たか!」
と、入ってすぐに奥の酒場からカインが俺に声をかけてくる。見つけるの早すぎやしないか...
「おぉ、久しぶり?だな」
「久しぶりって昨日ぶりだろ!一緒に酒でも飲まないか!」
この世界では15歳が成人なので今の俺でも酒は飲める。というか朝っぱらから酒かよ、ダメ人間まっしぐらにかるからやめておいた方がいいぞ、カインよ
「や、遠慮しておくよ。それよりエイルの調子はどうだ?」
まさかここまで山篭りでの孤独生活の弊害が出てくるとは思わなかったよ
(ほんとにあなた変な人見知りですね...)
うるさいよ、女神、個性は大事にしような?
「あぁエイルなら療養中だが、2、3日経てば大丈夫だってよ!」
「そうか、それは良かった。それでどこでギルド登録すればいいんだ?」
「お!お前も冒険者になるのか!登録ならあそこのカウンターでしてもらえるぞ!」
「ありがとさん」
俺はカインに礼を言い、指されたカウンターを目指した
「ギルド登録をしたいんだが」
「はい、ギルド登録ですね、説明は必要ですか?」
なかなか可愛らしい女性だ、俺と同い年か少し年下くらいだろうか?
「あぁ頼むよ」
ギルドの人族の女性に俺は説明を頼んだ
元から知っているが冒険者にはスキル同様G~SまでのランクがあるりカインたちのパーティはCランクだから、なかなかの実力なんだろう。ランクごとにギルドカードの色が決まっていて
G~E→ブランズ
D~B→シルバー
A→ゴールド
S→ブラック
まるで、クレジットカードみたいだな。ちなみにギルドカードには預金のシステムがあるらしく俺から見たら身分証明の可能なクレジットカードみたいなものだ。
最初はGランクからのスタートらしくブロンズカードの場合10日に1回は依頼を受けないと所属取り消しになるので注意が必要らしい。Cランク以上になるとランク昇格の試験があり、さらに指名依頼なども入る。
これはまさに良くきく冒険者ギルドだな。
「それではここにお名前と年齢、使用する武器などをお書きになってください」
と、受付さんは俺に書類を渡してくる
なんか嘘書いても通りそうだけど一応本当のことを書いておこう
「ニホン、ですか聞いたことない街なので本当に遠くからいらっしゃったんですね」
「あぁ田舎出身でね、街に来るまでそっちで狩りとかをしてたんだ」
嘘をつく。世の中にはついていい嘘だってあるんだよ。
「そうですか、期待してますよ?でもあまりは無理はしないでください」
俺の話を疑う事は無かったらしい。
「ありがとうございます。それで依頼を受けたいんですが?」
「そうですね...G、Fランクの依頼はこちらです」
そう言って俺に紙を三枚渡してくる
G 孤児院の手伝い 報酬 1000U
F 街周辺の警護 報酬 2000U
F ゴブリン討伐10体 報酬5000U
ふむ、やはり命の危険がある討伐クエストは少し報酬が高いな。正直ゴブリンを倒しても面白くないし、お金も換金できるようだから問題ない
ここは孤児院の手伝いにでもしようか
(やっぱりロリコンですか?)
子供好きと言って欲しいものだよ
「じゃあこの孤児院の手伝いでお願いします」
「はい、わかりました。こちらが契約書と孤児院への地図。それと最後にあなたのギルドカードです、無くした場合再発行に5000Uいただきますからなるべく無くさないでくださいね?」
地味に高いんだよな再発行って、意外とそっちでの儲けも大きそうだよね。DVDレンタルの延滞料金や紛失の罰金とかみたいな
「わかりました、ありがとうございます。あと最後に素材の換金はどちらでやってますか?旅の途中で少し手に入れたもので」
「あ、換金でしたらあそこの窓口ですね。」
「ありがとうございます」
「はい、最後に私の名前はソニアです。これからもよろしくお願いします。それと...」
ん、なんだ?
ソニアは俺にそっと近づき耳元に顔をよせて
「私は19歳ですから、あなたの年上ですよ?」
ギクッ!?すごい可愛らしい笑顔で言われたがそれが逆に怖い
「は、はい...これからもお願いします...」
俺はあまりの怖さに換金を後回しにして、孤児院へと向かった
◇
俺はソニアさんの笑顔が怖くて換金せずに冒険者ギルドを出て、孤児院へと向かった
「換金せずに出てきちゃった...」
(あれはアレウスさんが悪いですよ。どうせ年下だろうとか思ってたんでしょ?)
「可愛らしいとは思ったけどな」
別に嘘ついてるつもりはない、可愛らしかったんだからそう見えても仕方がない
エリーナとそうこう話してるうちに孤児院についたみたいだ
「換金は帰ったらにして、とりあえず依頼を済ませるか」
俺はそう言って孤児院の門をくぐり、孤児院の入口へ向かう
(...あの、入らないんですか?)
言えない、どうやって声をかけて入ればいいか分からないなんて、この女神だけには言えない
どうしたらいいんだ...
うーん、ここは元気にいくべきか.....いや、真面目な雰囲気でいくべきか...
「ねー!お兄ちゃんは誰ー!!」
「のわっ!!」
俺の察知に掛からなかっただと?こいつ何者だ?
(何ふざけてるんですか。この子は結構前からアレウスさんの横にいましたよ?くだらないこと考えてて気づけなかったんですよ)
そ、そうだったのか...とりあえず女の子に返事しないとな
「よう!お兄ちゃんは冒険者ギルドから孤児院の手伝いに来たんだ!」
何か知らないけど元気な青年みたいになってしまった
「お兄ちゃん遊びに来てくれたの!一緒に遊ぼうよ!」
「えっ、いやっ」
俺が女の子に答える前に俺の腕をつかんで建物の裏の方に俺を連れていく。裏には庭があるらしい、そこには4人の子供たちがいた
「あ、エレナが誰か連れてきたよ!」
この子はエレナって言うのか
「うん!このお兄ちゃんは冒険者ギルドから私たちと遊びに来てくれたの!」
「いや、俺は手伝いに...」
と俺が答える前に4人が俺の方へ来て、俺を囲む
「兄ちゃん、冒険者なのか!モンスターと戦ったことがあるのか!」
「こんな弱そうな人が冒険者?」
「こら二人共騒いじゃいけないだろ?」
「...お菓子」
やっぱ子供たちはすごい元気だな、なかなか気の強そうな子もいるし
俺が子供たちとワーキャーしてると、建物から誰かやって来た
「こら!何騒いでるの!...あれ、どちら様ですか?」
どうやらこの孤児院の人らしい背中まである綺麗な金髪ストレートで、もちろん顔も美人だ、教会のシスターみたいな人だな
「あ!冒険者ギルドの依頼で来たんだ!」
俺は子供たちを腕にぶら下げながら答える
「あ、冒険者の方ですか!みんな、一回こっちに来なさい!」
「「はーい!!」」
みんな俺から離れて彼女の方へ向かう
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、ギルドから来たんだが、ここの孤児院であってるか?」
「はい、あってますよ。あ、私ここの孤児院でシスターをしてます、エミリアと言います」
「俺はアレウスだ、よろしく頼む」
(なに鼻の下伸ばしてるんですか)
別に伸びてないだろ...
「よろしくお願いします、ではこの孤児院の院長のマリア様のとこへ行きましょう」
「あぁ頼む」
「マリア先生のとこに行くの?ついてってもいい!!」
エレナが元気な声で聞くと
「えぇ、いいわよ、でもアレウスさんの迷惑にならないようにね?」
「やったー!!」
そう言って子供たちは俺の周りを群がって、俺はエミリアさんに付いていく
院長のとこに行くまでに子供たちとも自己紹介をした
まず、俺に1番最初に声をかけてきた女の子がエレナ、6歳ということだ。少し薄緑の肩まである髪の毛をしている。エリーナが言うには少しエルフの血が混じってるらしい。
次はアリス、赤毛で腰まで届きそうな綺麗な髪をしている。エレナと同じ6歳で小さい時からエレナと一緒だとか。少し高飛車なとこがあるが優しい子らしい。
次がベル、この中で最年少の4歳だ
彼女は基本的無口だが、とりあえず俺にお菓子を要求してくる。
そして、そのベルの兄でありこの5人のリーダーでもある、アベル。歳は7歳だが、とてもしっかりしている真面目な奴だ
最後にトニー、エレナやアリスと同い年の6歳
元気で好奇心が旺盛な奴だ、エレナに聞いたところアリスのことが好きらしい
そんなこんなで俺が子供たちの質問攻めにあってると
院長室についたらしい
「みんな!お兄さんは院長と大事な話があるから、大人しく待っててね?」
「うん、お兄ちゃん遊ぼうね!」
エレナが代表して俺に元気な声で言ってくる、俺も答えるようにエレナの頭を撫でるとエレナは気持ちよさそうな顔をする
(...ロリコン...)
違うっつーの、とりあえず人をロリコン扱いするのはやめてくれ
院長室に入ると、50代後半だろうか年相応の美しさを持った女性がいた、彼女が院長なのだろう
「院長、こちら冒険者のアレウスさんがギルドの依頼でお手伝いに来てくださいました」
「そうかい、やっとに来てくれたか。アレウスと言ったかい?私がここの院長のマリアだ」
「アレウスです、よろしくお願いします」
「あんた無理してるね、いつも通りの口調でいいよ。うちの孤児院はねここの領主様から支援をもらってるんだがどうにかやってくのが大変でね、人手不足なんだよ。今日はしっかり働いてもらうよ」
ありゃバレてら
「すまん、助かる。今日は精一杯働かせてもらう」
「なかなかいい男だね、エミリアあんたが指示を出しな」
「はい、わかりました、アレウスさんこちらへ」
そう言って俺はエミリアさんの後ろを追って院長室を出る
「あ、お兄ちゃんが帰ってきた!」
俺にいの一番に気づいてエレナが俺に突撃してくる
「おっと、エレナ危ないぞ?」
俺は重力魔法を使って衝撃をやわらげる
「お兄ちゃん遊ぼ!」
エレナが笑顔で誘ってくるが、 困ったな断わりにくい
「エレナ、駄目でしょ?お兄さんは仕事あるのよ?」
助かった、エミリアさんマジでありがとう
「そうなんだ...あ!じゃあ一緒にお手伝いしていい??」
「あら、それならいいわよ?」
まさかのそういう展開か
エレナの後ろからも俺も私もと聞こえてくる
「アレウスさんかまいませんか?」
「全然構わないよ」
俺は1日、孤児院の掃除をしたり、料理を手伝ったり、子供遊んだりした。先生がエミリアを含めて三人しかおらず、それに対して子供は30人を超える、これは大変だ。
そして、日が暮れかけた頃に俺は孤児院を後にすることにした
「アレウスさん、これが依頼完了の書類です。今日はありがとうございました。子供たちも楽しそうでし」
「ありがとう。こっちも楽しかったから構わないよ」
「お兄ちゃんまた来てね!」
エレナが俺に声をかける
「あぁまた遊ぼうな!」
そう言って俺はエレナを撫で、冒険者ギルドへ向かった
(ずいぶんお楽しみでしたね...)
「あぁ楽しかったよ。子供たちも可愛いし、それにエミリアは美人だったしな」
(えぇ、そうですね)
「エミリアは付き合ってる人とかいるのかな?」
(さぁ、でもあれだけ美人ですしいるんじゃないですか?)
「なぁ、なんか怒ってないか?」
(別に?いきなり出てきた金髪美人に私は嫉妬なんてしてませんけど?)
「...は?嫉妬してたのか、お前?」
(はい?してないって言ってるじゃないですか)
「いや、そのなんかすまんな、気づかなくて」
(別に怒ってないって言ってるじゃないですか)
「いや、そのさ、こう言っちゃなんだけど....これから仲間ができるかもしれないけど、今の俺にはお前しかいないんだ」
(...このタイミングでそういう事言うのはズルですよ。...まぁいいです、許しましょう。よく考えてみれば女神たる私を差し置いてなんてありまえませんからね!!アレウスさんも美少女女神たる私にはメロメロですもんね!!)
あ、これダメなやつだなとは一瞬で理解出来た
少しは落ち込めよと、俺は心の中でだけ突っ込んで何も言わず冒険者ギルドへ向かった
冒険者ギルドへ着くと、すぐさまカインに話しかけられた
「よっ!どこに行ってたんだ?」
「あぁ依頼にな、孤児院の仕事だよ」
「孤児院の仕事?お前だったら討伐とかにしてるかと思ったぜ」
「案外子供も楽しいぞ?俺は受付に依頼完了を報告してくるから」
「おう、またな!」
そう言ってカインは元の席へ戻る。お前1日中そこにいた訳じゃないだろうな...
「あ、アレウスさん依頼完了の報告ですか?」
「あ、あぁこれを頼む。」
午前のことを思いだし、謝ろうか迷う
「これで依頼完了ですね!それではこちらが報酬の1000Uです。」
「ありがとうございます。そのソニアさん...」
「ソニアって呼んでくれて構いませんよ?それで何ですか?」
「あ、いや、朝のことなんだが、別にソニアのことを年下と思ったわけじゃなくてな、その可愛らしいなと...」
「か、可愛いなんてっ!」
みるみるソニアの顔が赤くなる、あれ怒らしたか?
「すまん、やっぱり怒ってるか?」
「いや、あれは冗談で、別に怒ってなんか...あっ!私用事があるのでこれで失礼します」
そう言ってソニア受付の奥の方へ行ってしまう、何だったんだ?
(アレウスさんは罪深い人ですね...)
俺は疑問をあとにして換金の受け付けに向かう
「なぁここで、換金はここでいいのか?」
「おう、ここでいいぜ」
ガタイのいい男が受付をやっていた。俺はとりあえず、オーク、ゴブリン、コボルトの一般的なモンスターの換金金額を聞いてみた
オーク 2000U
ゴブリン 500U
コボルト 100U
やはり強さ別に金額を違うんだなドラゴンなどは金貨数枚になりそうだから、怖くて出せない
「じゃあオーク20体とゴブリン10体ほど換金したいんだが、構わないか?」
「全然構わないが、そんなのどこにあるんだ?」
男は俺の周りをキョロキョロみる
「ここら辺で、モンスターをおける場所はないか?」
「奥に解体所があるが、どうしてだ?」
「理由は後でいうから、連れてってくれ」
そう言って俺は男に解体所に連れてってもらい
空間倉庫から言ったとおりの数のオークとゴブリンを出す
男は驚いていたが、マジックバックだなんだとか言って納得したらしい。マジックバックというのは空間拡張された容量が倉庫サイズになっている魔法のカバンのことらしい
「言っていた通り、オークが20体にゴブリンが10体だな。どうする全部銀貨にするか?」
「いや、10000U3枚と1000Uが14枚と100Uが10枚にしてくれ」
「お、おう計算が早いな。ちょっと待ってくれ...…
これが報酬だ、状態もよかったしありがたかったぞ」
「あぁこっちも換金してくれれば構わない、また世話になるぞ」
そう言って俺は解体所を出て、ギルドを後にする
(やっと終わりましたね!宿に戻ってご飯を食べましょう!)
いつもの調子に戻ったと思ったらこの通りである、困ったもんだ。
「いや、待ってくれ。露店で必要なものだけ買っていく」
俺は宿に戻る前に露天により、カバンや着替えなどを買った。合わせた銀貨4、5枚すなわち500ユニオンだったので大した出費にはならなかった。
他空間式収納型であるマジックバックなんかもあったけど、無駄に高いし俺には必要ないから買うのはやめておいた
(さぁさぁ!買い物も終わりましたし帰りましょう!)
うちの女神もうるさいので宿に戻り飯を食べた。
その後部屋に戻り俺は眠りについた