魔女の理由
よろしくお願いします
「へぇ、ミラさんもアレウスの奴隷なんだ」
カトレアの元気な声で喋る
今俺たちは宿に向かって三人で歩いている
歩いている間に自己紹介を済ませていた
「あ、アレウス様だ!アレウスさまー!」
通りがかる子供が俺の名を呼ぶので俺は子供に手を振って返す
「ねぇアレウスって有名人?さっきから結構声かけられてるわよね?」
「あぁその事も含めて宿で話そう。お、もう宿についたみたいだな」
宿につき、ミラに紅茶を用意してもらって俺たちは向かい合って座る
「「サイレント」」
俺はとりあえず盗聴防止のためにサイレントをかける
「さて、まぁ話すっていうのは俺たちのことなんだが...まずどっから話すべきかな...」
「ご主人様、まずは私の時と同じように話せばいいんじゃないでしょうか」
「そうだな、それがいい」
俺はミラの時と同様にこの世界の人間ではなく別の世界から来たことを言う
「じゃあアレウスは異世界人?みたいなものかしら」
「そうだな、それで正しいよ」
「私のあの装置を知ってると言ったわよね?それはその異世界にはあったの?」
「あぁあったぞ」
「ほんと!後で聞かせてもらってもいい?」
「あぁ構わんぞ」
その後はミラとの出会いや、悪魔、魔神との戦いをカトレアに話す
「アレウスは英雄だったのね、だから街のみんなはアレウスに挨拶してるのね」
「まぁそういうことだ。英雄呼ばわりは流石に恥ずかしいんだが」
「無理よ、魔神を倒したものは英雄ってのはこの世界の人間にとって常識みたいなものよ」
そんな常識があったのかよ...
「まぁな、その流れで俺はここの領主になったんだよ」
「へぇやっぱすごいわね、アレウス」
「あんま驚かないんだな」
「当たり前よ、私の腕を治してくれた時点であなたの実力は想像できるわ」
そうですか、そうですか、いやー褒められるって素晴らしい
(アレウスさん子供すぎですよ...)
褒められて嬉しいのは当たり前だろうがバカ野郎
「まぁミラもすごいけどな」
「いえ、私はまだまだです」
そんな事はないと思うけどな、とりあえずミラのステータスを確認してみる
そういえば魔神戦後のミラのステータスを見るのは初めてだな
ミラノバ
種族 ハーフエルフ・女
年齢 17
職業 奴隷
Lv.220
HP 17600/17600
MP 19800/19800
ATK 15400
DEF 4400
SPD 8800
M-A 8800
M-D 8800
スキル
並列思考 S
気配察知 S
斧 S
徒手空拳 A
料理 A
家事 A
ユニークスキル
「金月(魔眼)」
魔法
精霊魔法
生活魔法
加護
(精霊王の加護)
悪魔たちの戦いでミラもレベルが上がっていたみたいだな
「ミラさんもすごいのね...」
やばい、何故か落ち込んでしまった
俺はなんとかカトレアを励まし、話題を変えるためにとりあえずカトレアの話を聞いてみることにした
カトレアは王都近くの村に住んでいた
15の時に母を亡くして、それからは一人暮しだったらしい。小さい時から物作りとかに興味があって色んなものを作っていた。
母が亡くなる前から魔道具に興味を持っていて森でモンスターを狩りながら素材を集めて色々なものを作っていたらしい
「そん時はね、村では少し変なもの扱いは受けていたけど、魔女とはよばれてなかったのよ」
カトレアが自嘲気味に笑う
そして、3ヶ月前に王都からある男がやって来てカトレアのことを魔女呼ばわりしてきたらしい、そして村人たちもカトレアを魔女と呼び、腕を切り奴隷商もやっているエドさんのところへ売られたということだ
「それは...ひどい...」
ミラが話を聞いて声を漏らす
「カトレア、すまないな。つらい話させて」
「全然大丈夫よ、今はアレウスに救われて、それに私のことを天才って私はそれだけで充分よ」
カトレアが笑顔で俺に言ってくる
「あぁありがとう。カトレアはこれから色んな魔道具を作ってもらから期待してるぞ」
「任せない!...と言いたいことだけど」
「どうした?」
「魔道具を作りたいのは山々なんだけど、私には工房がないし、それに魔道具に一番大事な魔石がないわ」
工房か...大工さんに頼んで作ってもらうかな...
「今家を建ててるんだ、そこに工房も作ってもらおう」
「え、いいのかしら?」
「あぁ構わない、それに魔石に関しても心配はいらない」
「ほんとに!アレウスは最高ね!」
しかし家が建つまでどうするかな...
どっかの工房でも
「ん?」
俺は一つのあてを思いつく
「今から俺は大工さんに工房を作るのも受注してもらうに行くが、二人はどうする?」
「そうですね、私は夕食の食材を買いに行きたいと思ってますが」
「ならちょうどいい、カトレアの服とか生活に必要なものをカトレアと一緒に買ってきてくれないか」
「わかりました」
「カトレアもそれでいいか?」
「もちろんよ。ミラさんともいろいろ話したいしね」
俺たちはその後2人と別れ、大工さんのところへ向かう
「すいません、アレウスですが。親方さんいますか」
「おう、アレウス様じゃねぇか!いったいどうした」
ちょうど受付の所に親方がいた
「親方さん丁度いいところに、すこし依頼の追加をしたくて」
「おう、なんでもこいだぜ!あと俺のことはゲンって呼んでくれていいぜ!」
「わかりました、ゲンさんと呼ばせていただきます。それでお願いがあるんですが工房を作ってもらえせんか」
「工房ってぇと、魔道具のことですかい?」
「はい、出来ますでしょうか?」
「あったりめぇよ!報酬も大量にもらってるからな完璧な仕事をしてみせるぜ」
「ありがとうございます、期待しておきます」
俺はその後、カトレアのために工房を借りるためにある所に来ていた
「グラン!いるだろうか」
そう、俺は今グランの装備屋に来ている
グランの所なら工房もあるし、頼めばかしてくれる気がする
「誰だ...?って坊主じゃないか!久しぶりだな」
「あぁ久しぶりだな。今日は頼みが会ってきた」
「坊主からの頼みか気になるな、一体なんだ?」
「俺の新しい仲間がな、魔工技師なんだ。それで今工房を作ってるんだが、出来るまでグランの所の工房をかしもらえないだろか?」
「そんなことか?なら全然構わないぞ。いつからだ?」
「出来れば明日から借りたいんだが」
「あぁ全然かまわないよ。お前の新しい仲間気になるな。」
「言っておくが俺の目から見てもかなりの天才だぞ?」
「それは期待出来るな!」
「あぁ期待してるといい、それと彼女の装備も依頼する可能性が高い、その時はまた素材を渡すから作ってくれないか」
「あぁそれも全然かまわない、そっちの準備もしておくよ」
「頼んだ」
そうしてグランの店をあとにした
「さて、まだ時間があるしどうするかな」
(平和だと暇なものですね)
「そうだな、平和が一番だが暇も暇でなかなか大変だな」
(贅沢な悩みですね)
「そう言うなって。そういえばカトレアとの契約はどうしようかな」
(また秘密にするんですか?)
「いや、今回はミラの時に学んだからしようと思うよ」
(アレウスさんも成長するんですね)
「うるさいよ」
宿に戻ったらカトレアに契約の話をしようかな
結局俺はその後ダンジョンでボスと戦って時間をつぶした
宿に戻ると2人の話し声が聞こえる
「カトレア、そこのお皿とってくれないかしら」
「わかったわ、はいミラ」
「ありがとう」
いつの間にか二人は呼び捨てし合っていた
2人で買い物してる時に仲良くなったのだろう
「ただいま、二人とも」
「ご主人様、おかえりなさいませ」
「アレウスおかえり!」
「あぁただいま」
「夕食の準備はもう出来ています、どうしますか?」
「あぁ食べようか」
俺たちは夕食をとることにして
「カトレア、家がたつまで工房を借りることが出来たぞ。1ヶ月だがそこで作業してもらうよ」
「ほんとに!ありがとう!」
「ご主人様どこで借りてきたんですか?」
「あぁゲンさんに、あ、ゲンさんってのは大工の親方なんだけど。ゲンさんに工房を立ててもらうのを頼んで来て、その後グランの所に行って頼んできたんだよ」
「なるほど、グランさんの所なら工房もありますからね」
「カトレア明日から使えるがどうする?」
「なら明日から使わせてもらうわ」
カトレアはやる気満々みたいだな、嬉しいことだ
「ところで2人は仲良くなったようだな」
「そうね、2人で秘密の話したもんね!」
「カトレア、何話したんだ?」
「もちろん秘密よ!」
「ミラ、なんなんだ?」
「ふふふ、すいませんご主人様秘密です」
これは気になるないったい何の話をしていたんだ
(アレウスさんわからないんですね...)
いや、秘密なんだからわかるわけないでしょ
夕食を食べ終わり俺たちは一息ついていた
「カトレア、少し大事な話があるんだが」
「あら、いきなりあらたまって何かしら?」
「あぁ俺のユニークスキルについての話なんだが」
俺は話すと決めていた「絶対契約」について話す
「ということで、俺はカトレアとも契約がしたいんだが」
「全然いいわよ?ミラもしているんでしょ?」
「あぁミラもしているよ」
「なら絶対やるわ、ミラがしてて私がしてないってのは嫌よ」
カトレアは悩むこともなく答えを出してきてくれた
「わかったわ、共有するものは何がいい
?」
「ふふふ、それは決まってるわ!私が共有したいものは「知識」よ!」
「知識?」
「えぇ、アレウスは私が知らないことをいっぱい知ってそうだわ、だから知識を共有したいのよ!」
確かに俺は彼女魔道具で作って欲しいものは俺が地球に存在するものだ、知識の共有というのはなかなかいい意見だ
「わかった、そうしよう。じゃあ始めよう」
「えぇまかせたわ」
そして俺は「絶対契約」を発動する
「我が名はアレウス、汝カトレアに「知識」を共有し契約を申し込む」
「えぇ契約させてもらうわ」
カトレアがそういった瞬間に魔法陣が発動し、そして消えていく
「どうやら終わったみたいだな、どうだ共有は出来てるか?」
「えーと...待ってね...あ、出来てるわ...。全部の知識だとあまりに情報量が多いみたいだから任意で検索できるみたいね」
なんと都合がいいんだろう、久しぶりにLuck値が正常に作動した気がする
「ならよかった、あと武具生成もしたいんだがどんなものが欲しいとか決まってるか?」
「えぇ決まってるわ、お願いできるかしら?」
「あぁちょっと待ってろ」
そしね俺は武具生成を念じる
「あら?なんか聞こえてくるわ」
皆同じ反応するな、いきなり声が聞こえてきたら驚くか
「あぁそのままどんなにものが欲しいかイメージしたくれ」
「わかったわ」
その後カトレアは「むむむ...」と言いながら念じた
そして、光が発生し、光から薄手の戦闘用のグローブみたいなのがでてくるが出てくる
「これは戦闘用グローブ??」
「あら、注文通り出てくるなんてすごいわね」
「カトレアは何を求めたんだ?」
「私は魔力を自由に操れるようになりたいと願ったわ。ちょっと見てて」
カトレアはグローブをはめ、魔力をに集める
「こっからよ」
なんとそこからカトレアは魔力をひも状にし、いと編みをはじめる。てか、いとあみ上手いな、おい
「これはすごいな」
「えぇこんなのはじめてみました」
ミラも目を丸くして驚かせる
「どうやら成功みたいね、どうかしら」
「あぁ十分すぎるほどだ。それでそのグローブの名前はどうする?」
「そうね、それ私が決めていい?」
「全然構わないぞ」
「ありがとう、じゃあこのグローブの名前は「イクス」だわ!」
そういうと「イクス」が光だし、徐々に収まる
鑑定をかけると
支配帝「イクス」
なんていうか、俺たちが使う装備はだいたい名前が恐ろしいな
「これでやっとアレウスやミラと本当に仲間になれた気がするわ!」
「あぁそうだな、よろしくカトレア」
「よろしくね、カトレア」
そして俺たちはその日夜遅くまで色んなことを話した
お読みいただきありがとうございます
夜にもう1本出来たらあげようかと思っています
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