天才
よろしくお願いします
ー???視点ー
王都から来たとある男が私に言った
「この女は魔女だ!国を滅ぼす魔女だ!」
そして、それを聞いた村の者たちは
「この魔女め!」
「こんな怪しげなものを作って俺たちをどうするつもりだ!」
村の人々が私を囲んで口々に罵る
「魔女は殺してしまえ!」
「そうだ、殺せ殺せ!」
どうして?私はただものを作っていただけなのに...
「殺すのはよくない腕を切って奴隷商にでも売ってしまおう」
村長はそう言う
腕?今腕を切るって言ったの?
待って...待って...
ぐしゃ
「ーーー!!」
私は悲鳴にならない悲鳴をする
「すぐに止血して、切り口は焼いておけ」
痛い...痛い...私は魔女なんかじゃない...私は...私は...!!
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ーアレウス視点ー
俺は彼女の設計図を見て驚いた
(これは...車ですか?)
どうやらエリーナも気づいたみたいだな
彼女の設計図に書かれていたのは車だ
まだ地球で乗られているようなものには圧倒的に劣るだろうが、確かにその設計書には車が書かれていた
彼女に興味がわいてきた
「エドさん、俺は彼女が欲しい」
「アレウスさん!?何を言って」
「ご主人様?」
おっと急ぎすぎたみたいだな
「すいません、彼女と少し2人で話がしたいんですが、可能ですか?」
「え、えぇ構いませんが、いいんですか?」
「俺は彼女に少し興味があります、お願いできますか
?」
「わかりました、彼女の名前はカトレアといいます、では終わりましたら、私をお呼びください」
「ミラ、悪いがミラもお願いできるか?」
「わかりました」
ミラは俺の意図をすぐに汲み取ってくれて部屋から出てく
「さて...「サイレント」」
俺は空間魔法と重力魔法を使って、周りに音が聞こえないようにする。これ最近開発したんだけどね、空気の振動を遮る防壁みたいのを作るんだけど、常時発動させるのになかなか苦労したよ
「カトレア、これは君が設計したのか?」
俺はカトレアに質問する
「そうよ」
カトレアは口を開ける、何だ喋れるじゃないか
「これを1人でか?」
「そうよ、他にも色んなものを考えたり作ったりしていたわ。そのせいで私は魔女扱い、あなたも私のことを魔女と罵りにきたんでしょ!」
彼女が怒鳴る
しかしこれで俺は話の真実が見えた
カトレア、彼女はとんでもない天才だ
彼女が言ってることはすべて本当だろう
俺は再度カトレアのステータスを見て確認する
カトレア
人族・女
年齢 19
職業 奴隷
Lv.62
HP 4340/4340
MP 3720/3720
ATK 1240
DEF 1860
SPD 2480
M-A 1240
M-D 1240
Luck 8
スキル
鍛冶 S
装飾 S
技巧 S
弓 C
ユニークスキルー
魔法
土魔法
加護ー
レベルが高いのが気になるが一番目に行くのは彼女のスキルだ、彼女は正真正銘の天才だ
やはりどこの世界でも行き過ぎた天才というのは受け入れられないようだな
「いや、俺は君を魔女なんかとは思っていない」
「嘘よ!どうせあなたも私を魔女と罵って殺そうとするんだわ!好きなだけ私の体を使って捨てるんでしょ!」
彼女は叫ぶ、随分な言われようだけど別に気にはしない
「いや、俺は君の才能をかっているんだ。どうだろう、俺の元で魔道具を作ってくれないか?」
「無理よ、その話がホントだったとしても、この腕じゃ。見てよ、肘から先がないのよ」
彼女はうなだれて寂しく笑う
「それなら問題ない」
俺は回復魔法をかけて彼女の腕を戻す
「治癒神の加護」を持っていてよかったと今身に染みて感じている
「え...嘘...、私の...腕が...!」
彼女は自分の腕があることに驚きに声を上げる
勝手に腕を戻してしまったが、どうせ俺が買うんだから問題はないだろう
そして彼女が落ち着くのを待ち、俺は再び話を続ける
「これで物作りは出来るだろう、これでどうだ?」
「あなたは私のことを魔女って呼ばないの...?」
「あぁ俺は君を魔女なんて呼んだりしない、君は天才だ。この設計図に書かれたものを俺は知っている」
「それはホント!」
彼女はさっきの落ち込みような嘘かのように俺に聞いてくる
「あぁこれは俺の故郷の...いや、あとで全てで話そう。どうだ俺の元へ来て俺のために魔道具を作ってくれないか?」
カトレアしばらく黙り込み、顔をあげる
「えぇ、わかったわ!私は喜んであなたの奴隷になるわ!」
カトレアが笑って俺に答える
「いきなり元気になったな...?」
「当たり前よ!私のことを認めてくれる人はお母さん以来だわ!それに私の腕も治してくれた、私のことを魔女って呼ばない。しかもあなたは私が知らないような色々なことを知ってそうだわ!こんな嬉しいことはないわよ!」
(どうやら彼女、カトレアはとても強い子みたいですね)
俺は心の中でそうだなと答えながら一旦エドさんのところへ戻った
「アレウスさん!」
エドさんが俺に気づいてやってくる
「エドさん、やはり俺は彼女を買うことを決めました。いくらですか?」
「彼女は犯罪奴隷ですし、腕もありません。10万Uですね」
やっべー、腕治しちまったよ、まぁ今治すかあとで治すかの違いだし大丈夫だろ
「えぇ俺はそれで構いません、お願いします」
「わかりました、では準備をしますのでまっててください」
そう言ってエドさんが行ってしまう
「ご主人様」
「あぁミラ、彼女を買うことにしたんだがいいかな?」
「えぇ、それは一向に構いません。それにしてもなぜ彼女を?」
俺はカトレアを選んだ理由を言う
「それは確かに天才ですね。それにしてもそれで魔女とは...ひどいですね...」
「あぁそれに関しては俺も少し思うとこがあるが、まぁ彼女の腕は治したし、心の問題の方は時間をかけて治せていけば大丈夫だろう」
そしてエドさんがカトレアを連れて戻ってくる。
カトレアそんなに呑気に手を振ってくるんじゃない
「あの...アレウスさん、彼女の腕なんですが...」
(早速言われてますよ)
やっぱ不味かったかな
「それは俺が治したんですけど...ダメでしたか?」
「いえ、私としても彼女の境遇には思うところがあったので...それでも王都にいるとあるお方からこのものは犯罪奴隷として扱えと言われてしまったもので」
また権力を使うバカがいるのか。というかエドさんは権力絡みの問題に巻き込まれすぎではないだろうか
「ならよかったんですが、値段の方はどうしましす」
「いえ!値段の方は問題ありません、治してくれたのアレウスさんですし、そのままでいいですよ」
「わかりました、こちらが10万Uです」
俺はあらかじめ空間倉庫から金貨を用意していた
「ありがとうございます。では契約の儀式をしましょうか。」
そして俺はミラの時と同様の契約を結ぶ
「これで彼女はアレウスさんの奴隷です」
契約の儀式が終わる
「カトレアこれからよろしく」
「えぇよろしく、アレウス!」
彼女は眩しい笑顔で俺に笑った
お読みいただきありがとうございます
新ヒロインの登場です
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