本戦 初戦
なんかコメントもらってたの嬉しくて久しぶりに更新させてもらいました
気が乗ったら続き書きます(実は頭の中では続き考えてはいた)
『さぁさぁお待ちかね!!ついに闘技大会の本戦がはじまります!!』
司会の開始の言葉に観客達の歓声がわく
予選から数日を経てついに本戦が開催される。この観客達
の歓声の湧きよう、かなり本戦を楽しみにしていたみたいだ
そして俺はというと今日も今日とてVIPルームで高見の見物をしていた
(いや〜、ついに始まりましたねぇ。割と私楽しみなんですよ、あの子達がどのように戦うのか)
「そりゃ俺だって同じさ、直接ぶつかり合うとなりゃさらにな」
俺はまだ運営側の、その中でもごく1部のものたちにしか知らされていない組み合わせ表を見ながら笑う
(結局注目所はミラ、カトレア、カグヤ、シル、ジャンヌ、そしてクリスさんにレオーネさん...最後にマキナことウロボロスですかね)
「今言ったヤツらはかなり面白そうな戦い方をしてくれるのは確実だな。とはいってもよくよく本戦出場選手たちのより詳しい経歴見てみたら予選でかなり実力を隠してた奴らもチラホラいたようだけどな」
本戦出場選手たちの素性をさらに詳しく調べあげられた詳細表をちょうど昨日受け取り目に通しておいたわけだ
(能ある鷹は爪を隠すと言ったところですかねぇ)
「まっ、それも1つの戦法だろ。ただうちの連中は派手にやりすぎたってのもあるだろうけどな」
張り合ってたってのもあるだろうけどあの程度じゃ手の内をさらしたことにもならないってことだろ
もちろん自信があるからってのもあるだろうから、確実にみんな切り札を用意してるだろうな
エリーナとそんなことを話しているうちに選手入場がはじまっている
予選の時と同じように選手を迎えるために歓声が一際大きくなる
だが予選の時とは違うことが1つ──
『カトレアさーーーん!!!』
観客席に存在する赤い塊、カトレアの名前が書かれたでかい旗が振られている
一番最初に入場したカトレアが高らかに手を挙げてその声援に答える
そう、予選の時とは違い個人個人の応援団が作り上げられているのだ
いわばみんなのファンだ、これはカトレアだけとどまらずミラ、シル、カグヤにも出来ていた
ジャンヌはジャンヌで教会の旗を振っている塊があるから、あれがジャンヌのファン達だろうと思う
そしてその中でも1番すごいのが...
『このコロシアムで最強の戦士は〜』
『レオーネ!レオーネ!レオーネ!』
やばい熱を持った集団が1つ、この国の頂点に立つ選手レオーネの応援団だ
元から存在する集団なのだろう統率力、そして圧力が他の応援団とは段違いだ
そのせいで一緒のグループで勝ち上がったクリスの声援はごく1部のものになる
そして各選手たちの出場が終わり、俺の挨拶となる
「長々しい事はここでは言わない、己の実力を存分に発揮し、正々堂々の真剣勝負を見せてもらいたい。健闘を祈る」
俺はそう告げてマイクをきり、観客の声援に答えるために手をあげる
(いや〜、いいですね思いつきで話しても反応もらえるのって)
「まぁな、原稿考えただけ疲れるしな。今回は楽できる立場にいたいんだよ」
それに観客もまだかまだかと本戦が始まるのを期待してるわけだしな
『では、皆様の本命である。本戦のルール説明といきましょう!!』
司会が闘技場にある巨大モニターを指さす。モニターにはトーナメント表がうつっているが選手名が本来のってある場所は全て「?」で隠されている
『本戦からは1VS1の真剣勝負!!勝ったものが上へと上がっていき頂点に立つ、実にシンプルなルールとなっております!!そして闘いに公平性を持たせるために初戦の相手は全て当時発表でいくのでお願いします!!最後にもうひとつ、これは今大会のサプライズともいえましょう、本来本戦出場者は32名でありますが、主催者であるアレウス・アーレンハルト様からの刺客として新たに一人この本戦に相応しい選手がシードとして参加しますのでよろしくお願いします!!』
特別シードという存在に観客達が反対を起こすと思ったが、逆に盛り上がってるところを見てホッとする
(負けた人達からすれば文句が出るところでしょうけど、この本戦の内容を見れば納得すると思いますしね。お客さん達もアレウスさんからの粋なサプライズと受け取ってるんでしょう)
エリーナの言う通りだな、この大会は大陸にいる女性の武力の頂点をきめる戦いといっても過言じゃない
そこは自分の実力は足りないってことを理解して諦めてもらうしかない
『ではでは、早速栄えある本戦の初戦を飾る組み合わせの発表です!!組み合わせは〜この2人だぁ!!』
そしてスクリーンに2人の選手の顔が写し出される
『聖教国聖騎士部隊総団長ジャンヌ・フォン・カミラ対白銀等級冒険者、その二つ名は「激流」シャロン!!』
初戦を飾るに相応しい白銀等級冒険者同士のビッグマッチ、ジャンヌは言わずもがな「激流」と呼ばれる冒険者シャロンも某国に仕えるお抱え冒険者だ
知名度もそれなりにある存在だろう
シャロンは予選じゃあんま目立つことは無かったが、余裕である感じではあったし予選は物足りないものだったんだろう
そしてジャンヌとシャロンだけがフィールドに残り他の者達はフィールドを後にする
ミラたちがジャンヌに何か言い残していたがたぶん応援の言葉をかけていたんだろう
シャロンには余裕があるとかあった言ったけど、どう見てもあいつらの方がよっぽど余裕そうなんだよな
フィールドに残った2人が向かい合う
シャロンは2mほどの先が刃となっている槍を構える、一方ジャンヌは手には何も持たずただ悠然とたたずむ
『それでは本戦第一戦目、開始〜!!』
試合開始の声と共に両者が接近する
『おぉっと!!いつまの間にかジャンヌ選手が槍を手に持っている。まさか最強の槍の使い手とも言われるシャロン選手と槍で勝負をするつもりなのか!?』
ジャンヌのやつ宝物庫から持ってきたのか、つまりあれは神話の世界に存在する伝説級の槍というわけだ
そして互いの間合いに入りあった両者の槍が激しくぶつかり合う
(うーん...あの形状...あれは別に特別に凄いといった槍ではないですね)
「知ってるのか?」
(えぇどの世界だとしても神話の武器はだいたい把握してますよ、必修科目ですからね)
「そういえばお前首席だったか...で、あの槍はどんな槍なんだ?」
(とある世界の英雄がドラゴンを殺した時に使われた槍ですね。その槍自体には特に名前がなかったのでその英雄の名からサルドの槍と呼ばれてます)
「つまり竜殺しってことか?」
(魔剣グラムや天叢雲剣のように通常だったらそうなるんですけど、あの槍はそうならなかったんですよ。サルドと呼ばれる男の英雄としての格が足りなかったと言われてますね)
「でも一応は伝説級なんだろ?何かしらの特性はあるはずだろ」
(えぇありますよ、簡単に言えばあの槍壊れないんですよ。多分ドラゴンの硬い鱗を貫いたというのが影響してると考えられます)
「それはなんでも貫けるとかいったぶっとんだ性能ってわけじゃないよな?」
(えぇ、ただ壊れないだけですよ。格が上の盾で防がれた場合弾かれます)
「だけど刃こぼれとかはしないわけか...それってある意味竜殺しより強くないか?」
(えぇそうですね、破壊不可なんですからそういった効力を打ち消す能力をもった武器でないと破壊できません。ただ壊れないといった点を除いてはただの槍ですので結局使用者次第ですかね)
とりあえずジャンヌが数ある伝説の槍からあれを選んで使ってる理由はわかったな
シンプルに使い勝手がいいのだろう
俺のフェイトもそうなんだけど、基本的に伝説級の武器って使おうとすればそれなりの代償がいる
基本的には魔力だが、それでも足りない時は寿命を消費して使うものもあるらしい
今ジャンヌが使っているサルドの槍は、多分だがそういったコストはほぼゼロなんだろう
「というかジャンヌって普通に槍も使えたんだな」
(相手のシャロンさんは槍の達人みたいですけど、対等に渡り合ってますね)
「まだお互いウォームアップの段階ではあるだろうけどな...」
激しくぶつかり合うがお互いほんの小手先調べといったところだろう
ジャンヌが槍を使っていてシャロンの方は驚いていたがそれで隙を見せるほど甘い戦士でもなかった
(しかしどうしてジャンヌさんは槍をつかっているんでしょうか?ジャンヌさんって剣の使い手ですよね?)
「確かにな、それは俺も思った。だけどいつも剣使ってるからっていって他の武器が使えないわけじゃないし、ましてやジャンヌだぞ?あいつがいろんな武器を得意としてても不思議ではない話だろ」
(今まで見せてこなかっただけってことですかね?)
「まぁそうだな、あいつの聖騎士として活動してる時に一緒に行動した時って少ないからな。見せてなかったと言うよりは俺たちが見る機会がなかったって話だろ」
(なるほど。じゃあ剣を選んだ理由はリーチの長い槍に対して不利だからってことですかね?)
「リーチを同じにして戦いやすくしてるのは確かだな。あとはなんだろうな...逆に自分の手札を見せてるのかもしれないな」
(アレウスさんがよくいうジャンヌさんの多様性をもった戦い方を見せて警戒させるってことですかね?)
「まぁそんなとこじゃないのか?ジャンヌが槍を使ってるとこを見るのが初めての人間も多いだろ。それを達人レベルで使ってるところを見たら、ジャンヌが色々と手札を持ってると警戒するだろうからな」
(その警戒によって無駄な隙を生んでしまうってとこですか)
「実際のところはジャンヌのみぞ知るってわけだけどな」
ジャンヌの思惑がどうにしろ、ジャンヌが達人レベルでいつもと違う武器使ってたら他の奴らは嫌でも警戒するだろうな
「さすがは流石は聖騎士団団長ジャンヌ殿、私と打ち合いが出来るほどの槍さばきお見逸れした」
「『激流』と呼ばれるほどのあなたにそう言われるのは光栄なことだわ」
互いの武器を激しくぶつけ合いながら言葉を交わす二人
強くぶつかりあい2人の間に距離が生まれる
「だが我が槍を甘く見てもらっては困る!!...魔槍発動!!」
シャロンが持っていた槍が紫色に輝き始め、二本、三本と魔槍の本数が増えていき翼のようにシャロンの後ろを浮遊する
「これが我が槍が激流と呼ばれる所以、味わってもらうぞ!!」
シャロンの声と共に浮遊した6本の槍が輝きを放ち、ジャンヌに襲いかかっていく
その激しい槍の攻めはまさに「激流」、勢いをとどまらせることなくジャンヌを襲う。そして攻めてくるのは浮遊した槍だけではない
シャロン自身も二槍流へと変えてジャンヌを攻める
「魔槍とかいってたけどあの槍結構すごいもんじゃないか?」
全ての槍が違う属性をもち、シャロンの意思のもとジャンヌを全方位から攻め立てる
(いわゆるこの世界の天然物ってやつですねぇ、すごいとは思うんですけど...うーん...思うんですけどねぇ)
「あんなの見ちまったらそういう反応になるよな...」
俺も正直目の前の光景を見て力が抜けてしまっている
シャロンの魔槍の攻撃の勢いはまさに「激流」の如く激しく苛烈を極めている
ただそれでもだ、どんだけ攻撃の速度を上げ激しさを増していってもジャンヌはそれを全て防き、捌ききってしまっているのだ
あまりにジャンヌがすごすぎてシャロンの凄さが霞んでしまっている
ただ観客から見たらあまりの速さにシャロンがジャンヌを攻め続けているようにしか見えないから歓声はシャロン寄りとなっている
ジャンヌは最小限の動きで避け、そして槍さばきと最小限の魔法の威力で魔槍の軌道を捌いている
(うーん...正直このレベルの闘いで使うのは正しくないかもしれませんけど、格が違いますねぇ)
「だな、シャロンもすごいがジャンヌがすごすぎてる。ジャンヌが技術型のスタイルとはいってもこれはひとつ上に領域に至ってるな。あんな繊細な神業俺にやれって言われても無理だ」
(アレウスさんは完全にパワー極振りの脳筋型ですもんねぇ。でもアレウスさんだってアレくらいはどうにかできますよね?)
「もっと雑なやり方ならいくらでもできるだろうな。例えばだが俺があの魔槍を相手するんだったらとりあえずいつも通り重力魔法でシャロンと浮遊する槍に負荷をかけて動きを制限して、浮遊する槍の攻撃は致命傷なもだけは避けて、雷魔法で迎撃してくらったダメージは無理やり回復魔法で回復しながら戦うな」
(いつも通りの清々しいゴリ押しですねぇ)
「そのゴリ押しが1番俺が強く戦える方法だしな。というかだな、あれを捌き切ってるジャンヌがおかしいんだよ。あの魔槍の攻撃完璧だぞ?俺の目から見たら死角なんてない。パターンも読みずらいし俺が戦ったら無傷ってのはかなり難しいだろうな」
俺の言葉にエリーナは(やっぱ勇者って半端ないですねぇ〜)と、のほほんと答える
「ただそんなジャンヌでも攻めに転じるのは難しそうだな。とはいってもそれは時間の問題っぽいけど」
同じ状態が長く続くいわば今は我慢較べだ。そして先に流れを乱した方が負ける
必要最低限の動きと魔法でで攻撃を捌くジャンヌ、一方魔槍をフル活用して全力でラッシュを続けるシャロン。一見して2人の動きに燃費の差が感じられるがジャンヌはジャンヌでかなり集中力を要しているから2人の疲労の度合いは実質似たようなものだろう。そしてその事はあの二人が1番理解してそうだ
そんなことを考えているとシャロンが一度ジャンヌから距離をとる
「まさかあなたがここまでの槍使いだとは思いませんでした。この魔槍を完璧に捌き切った人間はあなた1人ですよジャンヌ=フォン=カミラ殿。流石は歴代最年少にして歴代最強の1人と言われる聖騎士団団長」
「年齢のことをいえばシャロン殿、あなただって私と同年代で達人の域に到達しその魔槍を使いこなせるなんて...1回戦で当たりたくはなかった」
ジャンヌとシャロンは互いに言葉を掛け合い、不敵に笑う
「どちらが勝つにせよお互い消耗戦だけは後に響くからやめて起きたいとところだろう。だからお互い己がもつ最強の一撃をもって決着をつけないか?」
「えぇそうね、私も同じようなことを思っていたところよ。そしてそうならこの槍では力不足ね」
ジャンヌはシャロンの提案に頷き槍をしまいいつもの│聖剣を召喚し握る
「やっぱこういう終わり方になるのか」
(そうですねぇ、最後にお互いの最強の一撃をって感じですかね。いいんじゃないですか?同じパターンといっても観客の皆さんはそっちの方が盛り上がるみたいですし)
激しいぶつかり合い削り合いも盛り上がるっちゃ盛り上がるんだが、確かに同じような状態の戦いを見せられたら見てる方からしたら変わらぬ風景に飽きる可能性はあるし、それにド派手な技がぶつかりあった方が瞬間的な盛り上がりは高いのは理解出来る
「我が魔槍の真髄お見せしよう!!」
シャロンが投擲するように槍を構えると周りに浮遊していたほかの槍がその構えられた槍へと近づいていき収束していく
全ての槍が一つになった瞬間空気が重い叫びをあげて震え始める
「なんだあのとんでもねぇエネルギー量…」
大地が震えるとはまさにこの事だろう、槍にどんどん魔力が溜まっていきとんでもない高密度のエネルギー収縮体となっていく
(うーん…もしかしてあの魔槍ってすごいものなんでしょうか?)
「性能だけでいえば凄いんじゃないか?あれだけ魔力をためてもあの武器自体が安定してるってことはすごいことだろ」
(となると神話級とはいかずとも伝説級には届いてそうですねぇ)
「伝説級と神話級って何か違いがあるのか?」
(えぇもちろんありますよ。伝説級と神話級の評価の違いは世界に影響を与える規模の違いですね。例えばアレウスさんの持ってるフェイトはこの世界に与える影響の大きさは計り知れないため神話級に相当します。そこを基準にした時あの魔槍はそこまでの性能を持ち得ていないので伝説級と考えるのが妥当でしょう。とはいっても神話級にしろ伝説級にしろその性能は壊れていることに違いはないんですが)
「なるほどな、お前の言ってる意味はわかったよ。ただ純粋な武器としての性能で言ったらあの槍はかなりすごいぞ」
収束していく魔力量もすごいが何よりもすごいのがその収束した魔力を圧縮し超高密度に保っているということだ
火力は…実際見てみないとわからないが相当なものになることは予想がつく
あれに真っ向で勝負を挑むんだったら最低限でも同程度の魔力で相殺するしかない
ただその場合魔力の密度の差で負けることになるが…
「ジャンヌどうするんだ?」
あの魔槍に相対しているのはあのジャンヌだ、何も手がないはずがない
そして俺の期待に応えてくれるかのようにジャンヌは力強く聖剣を地面に突き刺す
「まさか初戦からこの技を使うことになるとは思わなかったわ…」
ジャンヌのつぶやきと共に爆発するかのように聖剣から魔力が溢れ出す
魔力の奔流と共に聖剣は輝きその姿を変化させる
(なっ…な、な、な…なんてことですか…!!)
頭の中でエリーナがとんでもなく焦っている。ずっと「まさかあれが…」とずっと呟いている
「おい、とりあえず落ち着け。何が起こってるか俺に教えて貰ってもいいか?」
(そ、そうですね…私の考えが正しければあの聖剣に鑑定をかけてみてください)
鑑定…?まぁ言われた通りにやってみるか…
俺はそう思ってジャンヌが握る聖剣に鑑定をかける
聖剣ジャンヌ
「……は?」
(はぁぁ…やっぱりですか…)
珍しくエリーナのガチで困っているような雰囲気を出す
「あれは…何が起こってんだ…?ジャンヌが愛用していた剣って…」
(はい、さっきまで使っていたのはエクスカリバーでしたよ。ですが今は聖剣ジャンヌという名の聖剣に変化しました…これは簡単に言えばこの世界において真の所有者と認めたわけですよ。低級の伝説物だったらそういったことは起こるんですがエクスカリバー程のメジャーな武器で起こるという事象は多分天界の歴史上でも記録されてないことなので·····)
「とりあえずとんでもないってことだけは理解できるな·····」
(そうですねぇ·····まぁこの件も秘密にしておきましょうか。報告したものが処理をしなきゃいけないんで·····)
「そうだな、触らぬ神に祟りなしだ」
ほんとに神様が絡んでる話だから、まじで必要のない面倒事は見て見ぬふりをするのに限る
それに今大事なのはジャンヌが何をするかだ
ジャンヌから爆発的な魔力が放出されたと思ったらそれが一気にジャンヌの元へともどっていき、ジャンヌが纏うような形となっている
(まるでアレウスさんが魔王化した時みたいな状態ですねぇ)
「まぁ原理はそんな変わらないねぇかも。とは言ってらあれは魔王化じゃなくて勇者化って言った方がよさそうだけどな」
とてつもない魔力が一瞬にしてジャンヌという器に圧縮され高密度の鎧を形成している
(アレウスさん、指数的なものでも構わないんですけどジャンヌのあれってどれくらいすごいですかね)
「どうだろうな、あの力がどんなものかもわからないからなんとも言えんが‥お前も感じてると思うけどあの魔力量だろ‥正直今まで戦ってきた魔神たちなら余裕だろうな」
(いやぁジャンヌが勇者補正で悪魔や魔神に対して強いといっても、とんでもない成長率ですね。とはいっても勇者なのでこの世界で最高のポテンシャルをもってる存在なので理解に困らないわけでもないですが)
「にしても、半端ないだろ‥まさしくチートだ」
エリーナが「あなたがそれ言いますか??」という言葉を聞き流しジャンヌを見る
「これが私の‥覚悟の象徴──!!!」
ジャンヌがそう口にして聖剣を地面に突き刺す
突き刺された聖剣から魔力が放出され、ジャンヌに前に壁を生み始める
その姿はまさに堅牢無比な城壁、何物に貫かれぬ鉄壁。そしてその城壁に描かれる紋章はジャンヌの出身である聖ダイス教国の紋章と教国最強を誇る聖騎士団の紋章──
(まさかの防御技ですか‥)
「見た感じそうだな。ジャンヌらしいっちゃらしいな」
あれがジャンヌの覚悟の象徴、そして誓いなんだろう
魔神ナルムヨルグの一件──通称シル、ジャンヌ、ステフの闇堕ち事件はジャンヌに大きな傷をつけた
その傷がジャンヌを強くしたのだろう。「護りたい」その意思の表れが俺たちが目の当たりにしている魔力の城壁
あいつは乗り越えたんだ、それはジャンヌから聞かなくてもわかる
俺とジャンヌが共有しているものは「感情」
今感じている魔力よりも強く、ジャンヌの覚悟が、意思が強く感じられる
(まさしく最強の盾対最強の矛、といってもさしつかえのない対面ですね)
「あぁ膠着状態なんて起こりやしない、矛が攻めて盾が受けようとする。‥‥‥来るぞ」
そしてその瞬間はすぐに来る
シャロンが投擲の構えに入る
「グン‥グニルッ──!!!!!!」
空気が歪むほどの高密度の魔力の槍がその名と共に放たれる
グングニル、まさに神を殺すに匹敵するほどの槍。唸りをあげてジャンヌを穿とうとする
「私はもう負けない‥全てを護ると誓った!!!|全てを護りし戦乙女の城壁!!!!」
対するジャンヌも声を上げ、魔力を一気に爆発させる
ドンッ!!と火山が噴火したような音が鳴り響き槍と盾が対面する
互いがどちらか上か、その答えを生み出すがために矛と盾を互いを削り合う
「‥おかしくないか、これ??」
(え、なにがですが??たしかに目の前の光景はよくよく考えたらとんでもないことで、おかしいって言えますけど)
「いや、そうじゃねえよ。普通さ、あんだけとんでもないエネルギーの塊同士がぶつかり合ったら普通にまわりにもっと余波がくるもんじゃねぇか?」
(たしかに‥ぶつかり合う瞬間すごい音はしてますし、今もすごい互いを削りあってとんでもない音なってますけど‥その衝撃自体は伝わってきてない‥??)
「そうそう、つまりだ。その生じるはずの余波とか衝撃を受けてるのは何かってことなんだが‥」
(え、まさか‥それほんとだったらとんでもないですね)
「間違い無いだろ、受けている側は片方だけなんだからよ」
そう、つまり俺たちがなにが言いたいのかという
魔槍のエネルギーをすべて、ジャンヌの盾が受け切っているということだ
余波も出さず、すべて分散するエネルギーでさえほぼすべてジャンヌ盾が受け切っているということだ
まさに全てを護る鉄壁、問題があるとすれば‥
「耐え切れるかどうかだが‥どうやら勝負有りだ」
勝負の結果は誰が見ても明らかだった
シャロンの魔槍は消え去った。そして一方、ジャンヌが生み出した城壁は何一つ崩れることなく堂々と存在している
盾が矛に勝ったのだ
全てのエネルギーを放ったシャロンが膝をつく
「私の‥負けだ──」
『け、決着〜!!!!!!!勝者はジャンヌ選手〜!!!』
そしてシャロンは負けを認め、勝敗がつく
決着がついた瞬間ジャンヌは城壁を消し勇者化を解除する
「ジャンヌが勝ったな。シャロンもなかなかの強さだったが相手が悪すぎたな」
何がやばいってジャンヌのやろう、試合前と試合後で保有してる魔力量がそこまで変わってねぇ
あんなとんでもない技使ったのにも関わらずだ
(んー、どういうことなんでしょう??もしかしてあの城壁に使った魔力そのままリサイクルして自分に戻したってことですか??)
「そうだろうな、だから結局ジャンヌ自身が流した魔力は勇者化した瞬間の魔力だけだ。維持してた魔力は全部回収されてる」
(なんですかその芸当‥あのえげつない魔力をそこまでコントロール仕切ってるってことですか?)
「流石は勇者様だな、俺ですら不可能だとすぐにわかる芸当やっちまうんだ。やっぱあいつはすごいやつだよ」
まじでとんでもない、そんなことができるのは世界でただ一人ジャンヌだけだろう
スタイルの違いといえばそうだが、俺では辿り着けない一つの領域にジャンヌは至っている
俺もうかうかしてはいられない
そのあとはジャンヌが勝者インタビューを受け、シャロンと言葉を交わして試合場をあとにする
まさに本戦の初戦を飾るにふさわしい試合だった、会場のボルテージは一気にマックスまで持ってきてくれた
二人の戦士に称賛の言葉を
そしてその熱気を保ったまま第二試合が始まる──
ありがとうございました
読んでいただけてたら嬉しいです




