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ようこそ、理想郷へ〜俺のLuck値がどう考えてもLack値な件〜  作者: 林桃華
激闘!!お嫁様決定戦
218/220

本戦出場者紹介

お久しぶりです

『それでは本戦出場者の皆様をご紹介させていただきます!!』



そんなアナウンスが響いて聞こえてくる



俺は転移で誰もいない所まで移動してレイスの姿となりドレスに着替える


(なんかアレウスさんが当たり前のようにドレスを着ているのが気持ち悪いです...)


やめろ、俺だって薄々思ってて忘れようとしてるんだから言うんじゃない



なんなら髪のセットやメイクだって自分でできるようになってるしな



(これもレイラさんとの特訓の賜物ですね...)


そうだな。みんなが強くなろうとしてる中俺は自分磨きをって、馬鹿野郎


俺だって色々頑張ったんだよ、これをマスターするのにどれだけ時間を費やしたと思ってるんだ



(アレウスさんが鏡の前でメイクに苦戦してる姿はなかなか滑稽で楽しかったでけどね)


そんな懐かしい時もあったな


だが今は違う、俺はメイクも終えもう一度姿見で自分の姿を確認する



うむ、我ながら恐ろしいほどきまっている。これならうちの連中とも引けを取らないだろう



(なんかアレウスさんが違う方向にいきはじめて私とても恐ろしいです...)



言ってろ、こんなことするのはこの姿のときだし。正直今回限定だからこういうことをするのはこれっきりさ




「おい、レイスという人はまだなのか」

「私がレイスだが?」



俺のことを探していたであろう運営のやつに話しかけるとギョッとされる



「あなたがアレウス様が推薦されたレイス様で...?」

「あぁあの男にここに来いと言われてな。私の紹介するのだろう?」

「え、えぇでは出番しだいお呼びしてステージに出ていただくので今しばらくここでお待ちください」

「わかった」



俺が短く答えるとそそくさとどっかに行ってしまう



「.........見たかエリーナ?」

(はいばっちり、明らかにアレウスさんに見惚れてましたね)



やっぱり?見惚れられるってあんな感じなんだな

慣れない視線だから割と困ったな



(ぶっちゃけた所、ほんとにその姿美人ですしね。アレウスさんがそのレベルに慣れてる方がおかしいんですよ)



それはよく色んなやつに言われるからわかってるよ


どうしてもアイツらと一緒に過ごしてると比較基準がアイツらになっちまうからな



「......おっと、みんな紹介が始まるみたいだぞ」


俺は俺専用の特別ステージ裏からみんなの紹介を見守る



『まずはAブロックの勝者のこの方、流行に詳しい皆様ならこの名は知らない現代が生み出した最高の魔道具発明家カトレア選手!!みなさまもご覧になったであろうあの流星群の如き矢の嵐、この大会の開幕に相応しい華をそえてくれました!!』


カトレアが紹介と共に手を挙げ周りの拍手に応える



うちの商会が出してる商品の多くがカトレアが発明したものだ


そしてその商品は絶賛この大陸で流行中、商品も共にカトレアの話も割と知られているのかもしれない




そしてAブロックのもう1人勝者及びBブロックの勝者の2人が紹介される



紹介された3人もそこそこの実力者であり名がけっこう知られている者達だったみたいだ


だけど注目されてるのはやはりド派手にやったうちの連中だとカトレアの時の反応でわかる



そして次に紹介されるCブロックの勝者2人も注目されてる2人だな



「まずはこのお方、冒険者の世界じゃ知らないものはいない「剣聖」の異名を持つ白銀等級冒険者マキナ!!予選ではその実力を隠したまま勝ち上がりましたが、本戦では必ず示してくれることでしょう!!」



剣聖...そうか、あいつがあの「剣聖」

だったのか


いつだったか忘れたがカインに「剣聖」っていう俺にも引けを取らないほどのすごい冒険者がいるみたいな話されたことがあったな


異名とかは冒険者ギルドのプロフィールに載らないからマキナ=剣聖だということはわからなかった


なるほど、俺は前々からあいつの存在を知ってたことになるわけか



「剣聖」という名前がかなり有名なだけにカトレア以上の拍手で迎えられる



この扱いはあれだな、英雄の扱い方だ


俺やジャンヌ、そして皇帝レオーネ


周りから英雄として評価される人間を賞賛する時と似たような空気が会場に流れている



「英雄と称される魔神ねぇ...」



なんかわけがわからねぇな



知れば知るだけマキナ...ウロボロスのやつの人物像が掴めなくなる



(あれじゃないですか?ナルムヨルグの時と一緒で周りの評価を高めて自分が魔神であることを隠して何か悪いこと企んでるみたいな)




一応その線も考えられるけど、多分違うだろ


あいつが冒険者になってからの経歴を確認したけど細々した依頼までかなりこなしている


そんな面倒なことをしなくても力があれば英雄とはいかなくても勇者とかそこらへんの扱いはされるだろ



「とりあえず俺と戦うことは決まってるわけだし...殴り合えばなんとなく見えてくるだろ」



(なんですかその脳筋な考え方は...)


「難しく考えるのがめんどくさいんだよ...っと、シルの番がくるぞ」





『みなさんCブロックの内容はしっかりご存知ですよね?突如として現れた氷城、そしてその主である氷結の美姫...シル選手です!!その力は英雄級、この大会が彼女の名が歴史に刻まれるはじまりになるでしょう!!』



氷結の美姫ね、悪い表現ではないけど...



(絶対零度の女王とかの方がなんか似合ってそうですよねぇ)



姫より女王の方が合ってるわな。絶対零度かどうかは俺からはノーコメントだけど


修行を挟んでるから正確とはいかないが、単純な戦闘力でいえば俺に次ぐレベルなはずだ


あの司会者のようにこの大会を機にシルの名が歴史の1ページに載ることになりそうだ


英雄を抱えたいと考えてる国は多いだろう、大会の結果はなんであれシルをヘッドハンティングしようとする国が出てくることは間違いないな




『次はDブロックまずはこの方、闘技場のフィールドを一撃で破壊。その姿はまさに怪力無双の鬼神、ミラノバ選手!!この華奢な身体からあのような怪力がどうやって出てくるのでしょうか!!」



初めてみたやつは大抵驚くだろうな小柄なミラから地形破壊をするような怪力がでてくるところなんて



何か秘密があるんじゃないかと考える人間もいるだろう、だがミラのあの怪力はただ単純な筋力がぶっ飛んでるだけなんだ



(筋力がぶっ飛んでるとかいいながら、ミラの身体は筋骨隆々とは遠く離れた柔らかい体型をしてますからねぇ)


ミラの怪力はスキルや俺とかが使ってるような魔力強化による筋力強化とはまた別の怪力能力、まさに人体の神秘だ


カトレア曰く奇跡的に身体に害を及ぼさずに脳のリミッターが外れた可能性が高いらしいんだけど、ホントのところはわからない



そしてEブロック、Fブロックの勝者の紹介。やはりというか、なんというかうちの連中が出てない試合が地味だったので盛り上がりが薄い


正直申し訳ない気持ちになるな


(これでアレウスさんたちとみなさんの関係が広く知れ渡って出来レースだ、なんて言われたらたいへんですねぇ)



大会始まる前からこうなるだろうことは予想してたからそう言われる可能性も考慮してはあるんだがな


誰が勝とうと文句があるやつがそいつと戦えば済む話だからぶっちゃけ問題ないと思ってる



それにこの大陸に存在する三大国は俺らの関係性を知っているから、三大国が認めてるなら他の国も文句は言ってこないだろう




『お次はGブロック!!勝者の1人は我らがダイダル帝国闘技場の王者にしているこの御方!!真なる皇帝にして武の頂点にたつお方!!『巨竜(タイラント)』、レオーネ・イルミ・ダイダルディィィィ!!!』



今日1番の拍手がレオーネに送られる


開催国がダイダル帝国だし、それにレオーネはこの帝国の頂点である皇帝、この扱いは当然のものだ


だけどこの拍手が世辞から生まれてるわけじゃないだろう。拍手を当然のように浴びるレオーネ、その姿に惹かれる人間が多いのがわかるくらいのカリスマ性を発揮してる



(試合中も終始レオーネコールでしたしねぇ、闘技場のチャンピオンとしての人気は相当なものですね)



チャンピオンだからこそ女王としての人気もしっかりあるんだろうな



『そしてGブロックのう1人の勝者、レオーネ皇帝陛下と見事共闘を果たし、疾風迅雷の如く闘技場で暴れ回った謎の騎士、その正体はレオーネ陛下のご友人にしてとある国の王族であるクリスティーナ選手!!』



どこかの王族とか言っちゃって大丈夫なのか?あいつ一応身分を隠して出場してるはずなんだが



隠したところでこの会場にいる階級のの人間だったら1人くらいは少なくともイリヤ王国の姫の1人であるクリスティーナの顔を知っている人間はいるはずだ


もちろんイリヤ王国のステフたちとか交友の深い教皇とかは抜きにしての話になる



控えめにお辞儀をするクリスの行動を無視するようにレオーネがクリスの手を取り腕を上げさせる



(なんかあの二人だけを見てると青春感満載でアレウスさんの人生には関係ないものを見ることが出来ますね)



悪かったな青春感ない人生で、確かに青春を送るべき歳でお前と一緒にこの世界に来たが考えてみたけど2人みたいな感じの体験をしたことはないな



(アレウスさん、お友達少ないですしねぇ)


うるさい余計なお世話だな、多けりゃいいってもんでもないだろ


レオーネが一方的にはしゃいでるように見えるけど、あの皇帝確か15の時に皇帝に即位してそれから今まで闘技場のチャンピオンになったりして皇帝として君臨し続けている


よく考えてみたらまともな友人とかいなかったのかもな



クリスにとってもいい友人みたいだし、互いの実力がどうかはまだわからないがある意味よきライバルなんだろう


「続きましてGブロック!!その姿はまさに美の化身!!会場全体を見惚れさた女神!!カグヤ選手!!」



(か、カグヤさんの出番ですねアレウスさん!!)



エリーナ...お前あの時以来カグヤにビビりまくりだな挙動がおかしくなってるぞ


その理由は納得出来る、あの地獄はほんとに地獄だったからな


カグヤの試合を見ることが出来てないから様子はかいつまんでしか聞いてないが流石というかやっぱりカグヤの美が会場を支配していたか


カグヤが誘惑の能力を持っているからカグヤが美しいのか、カグヤが美しいから誘惑の能力を持っているんだろうか




(女神的観点から言わせてもらいますとその二つはほぼ同時に決められたんじゃないですか?もちろんスキルが個人の形成に作用することがありますが、カグヤさんレベルになるとそれは世界のシステムによって決められた存在と考えた方が妥当ですから。ある意味勇者とか聖女と同じような選ばれしものですねぇ)



久々に真面目モードのエリーナさん、確かにカグヤレベルの誘惑能力、そしてあの美貌となると選ばれし者と言われても納得がいってしまう



カグヤに見惚れる時点でカグヤの幻覚に完全的に抵抗するの不可能だからな


多分かぐやの能力を知っているうちの連中は全員カグヤの幻覚魔法に対する対抗策を必ず用意しているはずだ



みんながカグヤの幻覚に対してどういう対抗措置をとってくるか楽しみだな



その後も淡々と紹介が流れていき俺の中での最後の本命が紹介される



「次はJブロック!!このお方を知らないものはいない、聖ダイス教国聖騎士団団長、そして白銀等級「戦乙女(ヴァルキリー)」の2つ名をもつ英雄の一人、ジャンヌ・フォン・カミラ!!」



ネームバリューでいえばあの皇帝に並ぶトップクラスのジャンヌに盛大な拍手が送られる



聖騎士団団長としてのジャンヌの評価はどの国からも高い、それはジャンヌが聖騎士団として様々な国を救ったことによる信頼がそうさせている



魔神ナルムヨルグの事件以来ジャンヌは一皮むけている

そして今回の長期休暇を経て得た修行、実力はトップクラスにしてポテンシャルが化け物のようにあるジャンヌも俺が予想する優勝候補の1人だ


決勝にせよ、どの段階にせよ必ずシルとジャンヌは勝ち上がり2人がぶつかると俺は考えている



2人がやりあったことは一度もない、それ故に戦いの展開がどうなるか俺にはわからない


だからこの2人の対決は実現して欲しいと俺は願っている


(アレウスさん的にオッズとしてはどういう割合ですか?)



そりゃシンプルに50対50だろ


2人が仮にぶつかりあった場合どういう展開になるかは俺には予想ができない

お互い万能性のある能力を有してるが故に戦闘スタイルは無限にある。だから2人の勝負がどう転ぶかは俺にわからん



(それもそうですねぇ。格闘技とかに興味無い私でもあの二人が戦ってどうなるかはすごい気になるところです)


話した通りあの二人は絶対どっかぶつかるだろ

仮に負けたとしてもあいつらに勝った奴らの戦いが見えるんだからなんにせよ楽しめそうだ




そして32人の本戦出場者達の紹介が終わる


ついに来た。俺の出番がっ──!!!






「ここでサプライズです!!この32人に加えてもう1人!!この大会の主催者であるアレウス・アーレンハルト様からの刺客ということで本戦特別出場選手を紹介させていただきます、では登場を願います!!その刺客の名はレイス!!!」






俺にスポットライトがあたり俺は颯爽ステージに登場する





そしてマイクが俺に渡される。なんか言えってことか



ふむ...マイクを握ってしばし考える




「紹介にあずかった私がレイスという。話にあった通り私はアレウス・アーレンハルトにこの大会の刺客として送り込まれた。私には勝てないようでは自分の隣に経つ資格を無し、とな。いわば私はアレウス・アーレンハルトが立てた基準のようなものだ。闘いには全力を尽くし、そしてこの大会を盛り上げることをここに誓おう」




そういって俺はマイクを司会者に返す



俺はうちの連中に見る。そして向こう側も俺を見てくる



その目は明らかに「こいつは一体何者だ?」と語っている


俺は「フッ」と笑だけ返す


さっきのスピーチも含め盛大に煽る。特に理由はないがこういう時に煽ったりしたくなるのが俺である



(そしていつもの様に痛い目を見るのもアレウスさんですよね)



いや、今回はその痛い目に合わないように対策がある



というかお前もそれは知ってるだろ



俺はステージの下に目を向ける。そこには元の姿、男の姿の俺がいる



(なんていうか出来すぎた能力ですよねぇ)



そう、あそこに立っている俺にそっくりの偽物はこの姿になると使用出来る能力の1つによるものである



あそこにいる偽物はいわゆるドッペルゲンガーという魔人だ


俺がレイスの姿になることで得られた能力の一つ「眷属召喚」によって呼び出した魔人である


元の俺が有しているシルを呼び出した「眷属召喚」と同じ能力だ


ただ違うのはこの姿になっていると様々な魔人を複数体呼び出せることだろう


あとはシルとは違って自由に召喚と返還ができるところだろうな


その分シルみたいなとんでもなく強力なやつを呼ぶことが出来なのは難点だが、あのドッペルゲンガーみたいに便利なやつが呼べるので十分使える能力である



(ほんとにアレウスさんの都合のいいようになりますよね。私の加護の性能が本当に恐ろしくなってきますよ...)



いや、決してお前の加護の影響じゃないからな?




運命のイタズラかただの偶然かはわからんが、今回は本当に運が良かった


あそこにいるドッペルゲンガーこそが今回の作戦の要だからな


このレイスが人前にいる状態で俺の姿がどこにも見られなかったらうちの連中だったら下手したら勘づく可能性があるからな


あいつがいてくれるおかげで俺はのびのびとこのレイスの姿で行動ができるというわけだ




ちなみにこの「眷属召喚」はこの姿の力の一端に過ぎない。なんならこの能力は戦闘で使うことはほぼ皆無といえよう




俺はもう一度みんなの方に目を向ける


この中の誰かが俺と当たることになるだろう、その時がレイスが持つ能力を実戦で発揮できる瞬間だ




一日の余白期間を経て、明後日ついに本戦が始まる



ついにこの時が来たんだ、1年半の成果を俺も出していくとしようか──

お読みいただきありがとうございます

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