波乱の予感
よろしくお願いします
設定を改稿版の方に合わせて書いてるのでよろしくお願いします
『さぁさぁ、続きましてCブロック!!選手の入場です!!』
Bブロックが終わり、早々にCブロックの試合へと移る
Bブロックは特に何も無い普通にいい試合だった。悪くいえばAブロックの時と比べて地味だったことだろうか
カトレアがかなりの盛り上がりを見せてしまったせいでBブロックはあまり盛り上がることは無かった
Bブロックの選手にほ気の毒だったけど、これは祭りでもあるので仕方はないだろう
観客たちは無慈悲なぐらい正直だ
地味な試合と言っても勝ち上がった2人はかなりの実力者だし本戦でいい試合は見せてくれるだろう
そしてお次のCブロック、このブロックには彼女がいる
『それでは準備は完了しました。Cブロック試合開始!!』
開始の合図とともに選手達がお互いに戦い合う
「しかしカトレアのやつめ、厄介な挑発をしてきおって...だがのらないわけにもいかぬな。久しぶりの主殿の前でいい所を見せねば我も満足出来ぬ」
指向性マイクでシルの言葉を聞いていると、シルがこちらをちらりとみてクールに笑う
ちなみにこの一連の流れの間にシルは仕掛けてきた数人を何食わぬ顔で退場させている
まぁあれくらいなら以前のシルでも余裕で出来る
「人が減ると派手さにかける早めにやるのが吉か。さて...この盤上の女王は誰か教えてやろう」
そういってシルは氷で巨大な玉座を創り、優雅に座りながらほかの選手達を見下ろす
「跪け、実力の差を見せてやる」
シルがそういうとステージに幻想的な雪が降り始める
その光景に観客達は感動の声をあげる
だがステージ上の選手達の反応は違った
「なに...これ...身体がうごかない...」
選手がどんどん崩れていき玉座に座るシルに跪くかたちとなる
たぶんあの場の環境は見た目に反する極寒なのだろう
幻想的な雪景色の中に女王として君臨するシルとそれに忠誠を誓うように跪く選手達
その光景はなんというか神々しいという表現があっている
(神の娘たるシルですからね。彼女多分あの場で神性を発揮してますよ)
わざわざ魅せるためにそんなことまでしてんのか
カトレアが見せた派手さ、盛り上がりとは違うが、シルも観客達を圧倒している
カトレアの挑発でどうなるかと思ったけど、これは大会を盛り上げる意味ではかなりよかったと思う
いやー、すげぇ綺麗なんだけどなぁ...
(なんかシルのドSさが高まってますねぇ...)
エリーナもどうやら同じことを考えていたみたいだ
もともとSっ気はあったけど、磨きがかかったような気がしますね
「それよりよ...これだとシル以外.........なんだあいつ...?」
シル以外全員敗退になるんじゃないか?と考えていたら、それは違った
シルもそれに今気づいたみたいだ
ただ一人雪降る中でシルを睨み立ち続けている者がいる
雰囲気が雰囲気だけに女王に歯向かう反逆者といった感じに見える
シルは殺さないようにはしているが手加減はしていない
あの中で何食わぬ顔で立ち続けているなんて...
「一体何者.........おいおいまじかよ...」
(ん?どうしたんですか?アレウスさん)
「俺も状況は飲み込めないが......あいつ魔神だ」
(えっ!?いや、そんなわけ...)
だけど俺の鑑定だと
邪龍・魔神ウロボロス
ってうつるんだけど、邪龍で魔神ってなんか色々詰め詰めだけどそういう結果が出てるんだから俺も困っている
俺はリストを手に取り、女を調べる
そこにはマキナいう名で登録されている
しかも職業には冒険者と、そしてそのランクは俺やジャンヌと同じ最高位の白銀級だ
(大丈夫なんですか!?魔神ですよ!?)
「あー...それはたぶん大丈夫だと思う......なんというかあそこにいるマキナって女は俺とかシルと同じ匂いがする」
つまりあの女は俺とシル同様戦いを楽しむ...バトルジャンキーな気がする
あの中でシルを睨んで笑ってるようなやつなんてそれくらいのやつしかいない
目の前の強者に興奮しているように俺は見える
(なるほど同じ匂い...アレウスさんやシルと同じタイプってことですか)
「あぁそうだ...魔神だから悪だって決めつけるのはよくないしな...」
しかも冒険者として白銀級になってるってことは普通に社会に溶け込んでることを意味している
本当は決着ついてるが少し様子を見よう、ウロボロスがどんなやつかちょっとはわかるかもしれない
「貴様...この極寒の中で平然としているとはかなりやるな、褒めてやるぞ」
「たかが嘘の玉座で王気分とはつまらないな。もっと涼しく出来るんだろ?暑くてしょうがない」
対峙する2人の会話はこんな感じだ
ウロボロスが完全にシルを煽っている
シルを本気にさせるためだろうけど、その効果はてきめんだ
シルは楽しそうに笑い、そして降り続ける雪はだんだんと激しさを持つようになる
これは正直まずい
「おい、審判。決着がついてるはやく試合を終わらせろ」
『えっ...』
「いいから早くしろっ!!」
『は、はい!!決着、決着です!!勝者は決まりました、試合終了です!!』
試合終了の鐘がなる
シルは自分がしていることにハッと気づき雪を止め元に戻す
正直あれ以上続いていたらシルが生み出した極寒でシルとウロボロスの2人以外凍死してた可能性がある
一応命の保証がないことは事前に同意書にサインしてもらっているんだけど、正直死者が出たら色々とまずいのでなるべくそれはないようにしたい
シルは俺の方を見て「すまぬ主殿」と表情で語っている
とりあえずそれに対して「気にするな」という表情で答える
もしやばくなったら今みたいに俺が止めに入ればいいだけだし
みんなには全力を出して戦ってもらいたいからな、それに目の前の強敵に楽しくなるのは俺も気持ちはわかるしね
これでCブロックは終わりだ
勝者はシルとウロボロスという魔神
「しかし魔神とはなぁ...」
2人は今勝者インタビューを受けている
インタビューの受け答えを見る限りウロボロスというやつは戦っている時みたいな挑発的な態度はとっていない
むしろ落ちついているという印象だ
人間社会にうまく溶け込んでいる魔神...それだけを考えると魔神ナルムヨルグを思い出すが、あいつとは違うタイプに感じる
(アレウスさん、どうするんですか?)
「んー...普通だったら見つけたら即刻殺るべきなんだろうけど......仕方ない、俺が直接見極めるか」
ラッキーなことに俺も姿を偽ってこの大会に参加している
そして俺は権限を行使すれば本戦のマッチングを自由に操作することが出来る
あとで運営にいって本戦のどっかの1回戦を俺とマキナのマッチにしてもらうか
直接戦えばあいつがどんなやつかよくわかるだろう
「しかし魔神か...」
ただでさえこの大会色々と大変なのに魔神が出てくるとかやめてくれよ...
(いやー、流石アレウスさん。タダじゃ転びませんねぇ)
「何か起こるとは思ってたけどまさか魔じ───────」
ドガァァァァァァァァァァァン!!
「─────ん......へ?」
(へ?)
爆音が鳴り響き俺とエリーナのアホな声が重なる
「.........そういえばDブロックは...」
魔神のことで頭がいっぱいになり、Dブロックの試合がはじまっても空を見て色々と考え事をしてしまっていた
だが今の爆音で思い出した、Dブロックには彼女がいた
「はぁ...やっとご主人様がこちらを向いてくれました」
ミラがにっこり笑ってこちらを向いている
それに対して俺の顔はほぼ苦笑いだ
久しぶりに見たあのミラのにっこり笑顔、何も知らない奴には天使に見えるかもしれない
実際天使に見えるくらい可愛いから文句はない
だが見る人が見るとあの時のミラは割と本気で怒っているときのミラだ
俺が試合を全く見ていないのがバレタのだろう
くそ、魔神めやってくれるじゃないか
(いや、魔神関係ないですから。それよりフィールドが大変なことになってますねぇ)
「ああとんでもないことになっているな」
さっきの爆音の原因はミラだろう
ミラを中心に同心円状にフィールドで地割れが起こっている
ミラはいま何も持っていない、つまり素手であの地割れを生み出したのだろう
つまるところそれにミラの怪力により一層磨きがかかっているということだ
見てはいないからはっきりわからないけど、今の一撃と同等の威力を素手で出せるか聞かれたら全力でやらないと無理だって答える
それくらいにミラがやったことはとんでもない事だ
選手達もあっけに取られて動き止めちゃってるよ
ミラは笑顔でこっちを見続けている
(ふむ...あの笑顔を翻訳すると「見てくれないとご主人様もこうしますよ?」...ですかね)
「そう考えたくないけどたぶん正解...」
やべぇ魔神とかどうでもよくなるくらいには怖い
ミラは俺の返答に満足したのかフィールドに顔を向け表情を変える
「来なさい、イージス」
ミラが唱えるとミラの周りに無数の小盾が召喚され重なり合い翼を形成していく
「吹き荒れよ風───────」
ミラが盾で作られた翼を開き、暴風を生み出す
精霊魔法、ミラが使えるエルフ族特有の魔法だ
だけどこの威力、以前とはかなり違うな
元々怪力による近接主体がミラの戦い方だ
精霊魔法はその補助をする程度にしか使えなかったはず
「これが修行の成果の一端か」
ミラが今みたいな魔法使えるって、割と無敵に近くないか?
シルやジャンヌに近い万能性をミラが身につけたかもしれないな
ミラがその2人と本戦で当たったらかなり面白い展開になりそうだ
カトレア、シル、ミラ...そして魔神ウロボロス、この4人とほかの出場者の格は明らかに違った
他の出場者だってそこそこの実力はあるはずだ
だが試合結果は悲惨なものとなる
今だって偶然嵐の目の中にいた一人がもう一人の勝者となってしまっている
「これはちょっとまずいかもな...」
なにがまずいかって?
そんなの俺より強くなってることに決まってるよ
お読みいただきありがとうございます




